「知」「美」「心」三部作、十年を経て、ついに完結!
韓国コンテンツを専門に手掛ける出版社・株式会社クオン(本社:東京都千代田区、代表 金承福)は、122人に及ぶ日・韓の執筆者らが、それぞれの分野や読書体験を紐解きながら綴るブックガイド『韓国・朝鮮の心を読む』を2025年3月25日に刊行いたします。

「韓国・朝鮮の心」とは何か
本書は、『韓国・朝鮮の知を読む』(2014年)、『韓国・朝鮮の美を読む』(2021年)に続き、三部作構想で始まったシリーズの最新刊であり完結作です。その名の通り、韓国・朝鮮の知や美、心について知り、考えるために、各界各層の多様な著名人・文化人たちが推薦したい書物を紹介するシリーズです。
中沢けいさん、中島京⼦さん、平野啓⼀郎さん、斎藤真理⼦さん、吉川凪さん、菱⽥雄介さん、⼋⽥靖史さん、前⽥エマさんといった著名⼈ほか、⽇本や韓国各地にある独⽴系書店店主、⽇韓の知識⼈、作家、詩⼈など、122⼈に及ぶ多彩な執筆者が、それぞれの分野や読書体験を紐解きながら綴ってくださいました。
本書で取りあげられるのは韓国のことばかりではありません。朝鮮半島の北側にある朝鮮民主主義人民共和国、世界に散らばるコリアン・ディアスポラ、そして朝鮮半島にルーツを持ち、日本で生まれ育った人々の存在にも目が配られています。読む⼈の⼼、新たな本との出会いを開く一冊だと言えるでしょう。
弊社代表・金承福が本書に込めた思いを語っています。そちらのnoteもぜひお読みください。
→https://note.com/cuon_cuon/n/nacc3341562b7
本書より
- 人はそれぞれ違う心を持っている。日本に生まれ育ったわたしと、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国に生まれ育った誰か、あるいは朝鮮半島にルーツを持ち、日本に生まれ育った誰かの心は違う。同じ場所で生まれ育った人たちであっても、同じ心の人などいない。だからこそわたしたちは、そんな誰かの心に少しでも近づくために本を手に取る。
佐藤結/ライター - 韓国人の心を扱う本を紹介してほしい、と提案を受けたあと、これらの本を思い浮かべたのには理由がある。韓国と日本の仲を規定する荒っぽい言葉たち、ニュースやメディアを通して露わになる硬直した単語、互いへの侮蔑や憎しみ、さらに憎悪を躊躇うことなく行動に移す事件や事故を見ていると、私たちの間には希望がない。だが、そうだろうか。すでに数多くの人々は、それぞれの場所で、それぞれの力で、各自の物語を伝えている。その中には韓国と日本を行き来するたくさんの方々が抱える心がある。…その心が作り出す物語の中で、互いへの恨みや憎悪、嘲弄はどこにも見当たらない。隣り合って生きてきた長い時間の中で積み上げた心の痕跡がここにある。
李賢化/編集者 - 韓国・朝鮮料理の美味しさを語る表現のひとつに「ソンマッ(手の味)」がある。…美味しい料理とは、すなわち作り手の心が込められた料理と言える。であれば、料理を食べて味わうことは、それ自体が心に触れることと同義であろう。
八田靖史/コリアン・フード・コラムニスト - 北朝鮮に行くと二度驚くと言われる。あまりに違うことに一度驚き、もう一度はあまりに似ていて驚くのだ。これほど「朝鮮の心」の一部を感じるのに適した本があるだろうか。
韓尙整/漫画研究者 - わたしたちは衝動的にこまったひとたちを助けることができる、わたしたちにはほんらいその心がある。すごく単純なこと、親切な心だ。その心がほんとうにあるんだとわたしに信じさせてくれたのは韓国文学だ。
奥田順平/カライモブックス店主
書誌情報
『韓国・朝鮮の心を読む』
4,180円(本体価格3,800円+税)
A5版・並製・516ページ
ISBN 978-4-910214-65-8
*書籍詳細ページ(版元ドットコム書籍ページ)
編者プロフィール
野間 秀樹 (ノマ ヒデキ)
言語学者。韓国=朝鮮と日本の双方の血を嗣ぐ。著書に『言語存在論』(東京大学出版会。韓国語版が連立書架より近刊)、『新版 ハングルの誕生』(平凡社。アジア・太平洋賞大賞。韓国語版は朴守珍・金珍娥・金奇延共訳)、『韓国語をいかに学ぶか』(平凡社)、『言語 この希望に満ちたもの』(北海道大学出版会)、『日本語とハングル』(文藝春秋)、『新・至福の朝鮮語』(朝日出版社)など。韓国語による執筆の著書に『한국어 어휘와 문법의 상관구조』(韓国語 語彙と文法の相関構造。太学社。大韓民国学術院優秀学術図書)、『K-POP 원론』(K-POP 原論。連立書架)。編著書に『韓国・朝鮮の知を読む』(クオン。パピルス賞。韓国語版はキム・ギョンウォン訳。ウィズダムハウス)、『韓国語教育論講座 1‒4巻』(くろしお出版)など。共編に『韓国・朝鮮の美を読む』(クオン。韓国語版は崔在赫・辛承模訳。連立書架)など。
白永瑞 (ペクヨンソ)
文学博士。延世大学名誉教授であり、セギョ研究所理事長。ソウル大学東洋史学科を卒業後、ソウル大学大学院東洋史学科で中国現代史の博士号を取得。翰林大学教授を経て、延世大学史学科の教授として在職した。学術活動として現代中国学会会長、中国近現代史学会会長を、社会活動として季刊『創作と批評』の編集主幹を歴任。主要著書に『核心現場から東アジアを問う――共生社会のための実践課題』(創批)、『社会人文学の道――制度としての学問、運動としての学問』(創批)、共編著書に『ポスト〈東アジア〉』(作品社)、『韓国・朝鮮の美を読む』(クオン)、韓国語翻訳(共訳)書に朝日新聞取材班『歴史は生きている――東アジアの近現代がわかる 10 のテーマ』(朝日新聞出版)、新崎盛暉『新崎盛暉が説く構造的沖縄差別』(高文研)など。2023年、世界中国学フォーラムにて第7回中国学貢献賞を受賞した。
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