すべての人に健康と福祉を

持続可能な社会の構築のための指標として国連総会で採択された１７の目標（ＳＤＧｓ）の一つに、「すべての人に健康と福祉を」という目標があります。さらにこの目標を達成するために細分化された目標の中に「心の健康への対策」という文言があり、誰もが健康で幸せに生活するためには身体だけでなく心を健康に保つことも重要であると示されています。

心の健康を保つ方法

しかし私たちは誰しも、期せずして心の健康を失うことがあります。家族や友人・恋人など身近な人が突然心に不調を来たした場合には、なんとかして支えようとします。しかし残念ながら私たちの多くは、自分の心の扱い方や他者の心に寄り添う方法、心の健康をどう保つべきかを知りません。専門家を志す人でない限り、心の健康に対する教育を受けることはないからです。

そのため、このような状況に置かれた時にまず知りたいと思うのは、「どう声をかけるべきか」「どう接するべきか」「どんな言葉を使ってはいけないか」「どんな対応をしてはいけないか」といった正しいアプローチ法と寄り添い方ではないでしょうか。

「なぜ」そうなったのか、「どのように」対応すべきかに焦点を当てる

心の健康を失った人への正しい対応の知識を知っておくことは、身近な人あるいは自分自身が心の不調をきたした際に大きく役立ちます。対応によって、その人のその後の人生の方向が大きく変わるからです。

心の問題への対応は身体の症状のように症状ごと、部位ごとに最善の対応がわかっているわけではありません。だからこそ、「なぜ」そうなったのか、「どのように」対応すればいいのかの知識と情報を得ることが必要です。

体験談をまとめた誰もがアクセス可能なオンラインメンタルヘルスライブラリ

HEART IN TOUCH合同会社関連団体である一般社団法人ＨＩＴキャラクトロジー心理学協会（以下、協会）では、メンタルヘルスケアサービスの提供を通じ、誰もが必要な時にアクセスし対応の参考にできるようメンタルヘルスケアの成功事例をまとめたオンラインライブラリの必要性を痛感し、制作を企画。このオンラインライブラリに収録する体験談を集めるために「こころのレスキュー大賞」を創設しました。

目的は、他者からのメンタルサポートを通して心の健康を取り戻し人生が変容したエピソードを一般に広く募集し、ライブラリにまとめることで、心の不調を抱える人への正しい対応方法を検索した人が、生の成功事例から正しいサポートの方法と効果的なアプローチ、サポートする側の在り方に関する知識を得られる場をオンライン上に作ることであり、さらにはメンタルヘルス従事者にとってはライブラリを活用することで患者および利用者に提供するサポートの選択肢が増え、現場でのパフォーマンスアップにつながることが期待されます。

また、年々増加傾向にある、発達障害や引きこもり等、心の不具合に関連する子どもたちの問題を解決するための糸口にもなり得ます。

こころのレスキュー大賞

このようにして創設した「こころのレスキュー大賞」は、今年が第４回目の開催となります。自身がサポートした側であるエピソード（自薦）、また自身がサポートを受けた側であるエピソード（他薦）のいずれも応募可能で、心に寄り添うサポートを通して心の健康を取り戻し、人生が変わっていった具体的な過程をまとめたレポートを１０月３１日（木）までに特設サイトより提出することで応募が完了します。その後、事務局選考と一般投票を通して大賞を決定し、１２月１４日（土）に開催予定の協会オンラインイベントにて受賞作品を発表、大賞には賞金１０万円を贈呈します。

すべての人が心の健康を享受し、苦しい時には支え合える社会を実現したい

第一回目は１１３通、第二回目は１３５通、そして昨年の第三回目には１３７通のエピソードの応募があり、今年も多くの応募を期待するとともに、「こころのレスキュー大賞」が、自身あるいは身近な人の心の不調に直面した人が正しい対応法とサポートの手があることを知る場となり、心を健康に保ち、苦しい時にはお互いに支え合える社会を築く第一歩となることを願っています。

「こころのレスキュー大賞」特設サイト