中小企業の賃上げ戦略 全従業員の賃金ベースアップと共に新賞与制度発足
~賃金と人のベースアップを目指した取り組み~
日本が長く経験していなかった物価上昇が続く中、物価に見合う賃上げについて中小企業もどう対応していくのか議論されているかと存じます。 合わせて、物流業界ではまだまだ深刻な人手不足が叫ばれております。 そのような外部環境がある中でいかに戦っていくのか、飲食業界を支える食品に特化した物流会社の取り組みとして、ぜひご取材のご検討を頂けますと幸いです。
食品専門の物流サービスを提供する、創業42年目の北王流通株式会社(黒田英則代表取締役・東京都北区)は、昨今の物価高を踏まえ、給与基本給のベースアップの実施と合わせて、賞与の新制度を創設しました。給与においては、11月支給分から一律5千円を毎月の給与に上乗せ、またパートアルバイトは時給20円のベースアップを実施します。そして、賞与については事業計画に応じた利益の還元を行う従来の賞与制度を残しつつ、個人評価に応じた賞与制度を合わせた複合型制度を創設しました。この新制度に関しては、当社の人事理念『自分を信じ 人を愛し 互いに助け合う』に基づき、「自分」「職場の同僚」「お客様・社会」に向けた各目標設定を従業員1人1人が掲げ、業務改善と働き甲斐の達成を共に達成していくことを目指しております。昨今の新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ情勢などを受けた目まぐるしい経営環境の変化に向かい、更なる業務の効率化とロスコストの削減に、今まで以上に真剣かつ前向きに取り組んでいきます。
当社代表はこのように話しております。
「現在の物価高は、当社の経営環境だけではなく子育て世代も多い従業員の生活にも目に見えて直結していると感じております。企業として、給与のベースアップを通じて物価上昇に賃金が追いついていく状況を作ると同時に、「人材への投資」も積極的に行っていけるよう考えており、賞与の新制度も創設しました。この新制度は、賞与支給だけの機能ではなく「目標実現プロジェクト」とよばれる社内の幹部を巻き込み構築した全従業員の教育カリキュラムの1つでもあります。ツールとして作成した成長支援シートを活用し、上司・部下の定期面談の機会を設け、with コロナで改めて社内の関わり合いについても見直しております。お互いの業務に触れ、各層の懸念点を確認し、既存業務においてお互いが新たな視点を持ち気づき学びあい1人1人の業務の幅を少しずつ広げていく、また外部研修も掛け合わせながら当社の中でのリスキングの要素も含んだ取り組みとなっております。」
また、プロジェクト担当者はこのように話しております。
「今回の賞与の新制度の特徴は、複合型である点です。従来は利益に応じて賞与を支給しておりましたが、物流業界では現場社員からすると目の前の業務をどう改善されれば利益に繋がっていくのか、見えにくさや体感しにくさがあるのではないかと感じており、具体的によりイメージを持ってもらえるにはどうしたらいいのか?と試行錯誤し続けてまいりました。これまでも生産性や残業時間の削減時間に応じた手当を支給するなど、様々な取り組みを実施し、効果を感じております。今後も、自分の努力で会社が変わっていくこと、それらを全従業員に体感してもらいやすい組織づくりを通して、成長を重ねていきたいと感じております。」
北王流通グループは、経営理念「安心をつなぐ食品流通イノベーター」を体現していけるよう企業努力を続けていきます。
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