二大スターを通して知る「洋風画」。書籍『もっと知りたい司馬江漢と亜欧堂田善』発売

株式会社東京美術

2022.10.31 12:00

江戸期・鎖国下の日本人が描いたどこか〝へんてこ〟な絵画を掲載

東京美術(本社:東京都豊島区池袋本町3-31-15、代表取締役:永澤順司)は、「洋風画」の二大画家の生涯と作品を紹介する単行本『もっと知りたい司馬江漢と亜欧堂田善』を刊行します。美術初心者に向けたわかりやすい切り口が好評の「もっと知りたい」シリーズからの一冊になります。 学校教科書でも取り上げられる歴史的業績を残した司馬江漢と亜欧堂田善は、ともに江戸後期・18世紀半ばから19世紀始めに活躍した「洋風画」の代表的作家です。現代とは異なり、鎖国下にあって海外から流入する情報がごく限られる中で、人づてや長崎などに持ち込まれる舶来の書物を頼りに獲得した〝洋風〟の技術によって、現代のわれわれをも惹きつける、優れた絵画を生み出しました。そこに見られるのは純然たる西洋画ではなく、和の伝統美と洋の迫真描写の間での揺らぐありようであり、ともすると奇妙にも見える和洋の折衷こそが二人の作品を魅力的なものにしています。本書は、そんな魅力を堪能できる類を見ない入門書です。

もっと知りたい
司馬江漢と亜欧堂田善

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本書の特徴

  1. 「江漢」と「田善」についての現在入手可能な唯一無二の入門書
  2. 二人の作家性と「洋風画」の全貌を明らかにする100点以上に及ぶ作品図版と、時代背景とともに語られる明快な解説
  3. 「日本と西洋」「創造的探究」などについての新鮮な芸術観を提供

司馬江漢(しば・こうかん)

1747~1818。江戸後期の「空と海の画家」。江戸の四谷生まれ。鈴木春信門下の浮世絵師として出発、中国風絵画に取り組んだ後、平賀源内などの影響で「洋風画」に転じた。銅版画による地球地図や天球図のほか、油彩による風景画を多数描き、随筆にも優れた。代表作に《七里ヶ浜図》《異国風景人物図》《三囲景図》など。

亜欧堂田善(あおうどう・でんぜん)

1748〜1822。江戸後期の「緑の画家」。陸奥国須賀川(福島県)出身。月僊、谷文晁に学ぶ。画家になったのは遅く、家業の染物業を手伝っていたが、47歳の時に松平定信に技術者として見込まれて取り立てられた後、絵師となる。銅版画約90点、油彩画十数点が残されている。作品に《浅間山図屛風》《両国図》《ミツマタノケイ》など。

著者略歴

金子信久(かねこ・のぶひさ)
1962年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。福島県立博物館などを経て、府中市美術館学芸員。担当展覧会に「亜欧堂田善とその系譜」(福島県立博物館、1990年)、「司馬江漢の絵画―西洋との接触、葛藤と確信」(府中市美術館、2001年) 、「亜欧堂田善の時代」(府中市美術館、2006年)、「リアル最大の奇抜」(府中市美術館、2018年)など。「亜欧堂田善の時代」展の企画と図録論文で第18回倫雅美術奨励賞受賞。著書に『日本美術全集14若冲・応挙、みやこの奇想』(共著、小学館、2013年)、『もっと知りたい長沢蘆雪』(東京美術、2014年)、『子犬の絵画史 たのしい日本美術』(講談社、2022年)ほか多数。

亜欧堂田善展示関連情報

展覧会名|没後200年 亜欧堂田善展

  • 会期会場1|2022年10月29日(土)〜12月18日(日)|福島県立美術館(福島市森合字西養山1番地)
  • 会期会場2|2023年1月13日(金)〜2月26日(日)|千葉市美術館(千葉市中央区中央3-10-8)

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