単行本『笑顔のつぎ木——東京藝大・クローン文化財』発売|文化財の超高精細再現への挑戦12年の記録
〝略奪〟された流出文化財の返還問題解決への可能性についても紹介
東京美術(本社:東京都豊島区池袋本町3-31-15、代表取締役:永澤順司)は、破損・消失した文化財を高精細に復元する「クローン文化財」に取り組んできた東京藝術大学の12年の記録と、その大いなる可能性を提示する単行本『笑顔のつぎ木——東京藝大・クローン文化財』を刊行します。 東京藝術大学COI拠点によって開発された「クローン文化財」は、古くより伝承されてきた伝統的な模写などの技術と、現代のデジタル撮影技術や2D・3Dデジタル技術を融合させた、ハイブリッドの技術に裏打ちされた複製文化財を指します。本書では、その技術の精髄を伝えるべく、12年の間に実際に復元した世界の文化財の制作過程を解説します。そして完成した「クローン文化財」は、展示すると傷むという美術(文化財)展示の可能性を広げ、文化財の移動を容易にするなど、文化財鑑賞におけるこれまでのパラダイムを変える可能性を秘めています。また、植民地主義の負の遺産として残る、流出した文化財の返還問題に対して、平和的な解決に貢献することも期待されています。そうした文化の共有と継承、平和の実現を目指す「クローン文化財」の意義、未来への可能性についても紹介します。
笑顔のつぎ木
東京藝大・クローン文化財
- 監修:宮廻正明+深井隆
- 編著:IKI
- 定価:2,750円(10%税込)
- 判型:A5判
- 頁数:208頁
- ISBN:978-4-8087-1249-5
- 発行日:2022年9月25日
- 電子書籍も同時発売
- https://www.tokyo-bijutsu.co.jp/np/isbn/9784808712495/
本書の特徴
- 超高精細復元文化財「クローン文化財」の制作の精髄を、制作事例に沿って紹介
- 傷まず、軽量で、ハイテク技術に裏打ちされた「クローン文化財」による文化財展示の可能性を考察
- 「クローン文化財」が実現する、平和や文化継承、笑顔の未来を提言
掲載クローン文化財
- アフガニスタン——ゼウス神像、バーミヤン東大仏・天井壁画
- ウズベキスタン——アフラシアブ遺跡
- 北朝鮮——高句麗古墳江西大墓
- 中国——敦煌莫高窟
- フランス——オルセー美術館絵画
- ミャンマー——グービャウッヂー寺院
- 日本——法隆寺金堂釈迦三尊像・金堂壁画、浮世絵、横山大観絵画、雪村絵画
監修者略歴
宮廻正明(みやさこ・まさあき)
クローン文化財開発リーダー。日本画家、東京藝術大学名誉教授。1951年島根県生まれ。1999年再興院展文部大臣賞。2000年内閣総理大臣賞。2010年クローン文化財特許取得。クローン文化財で、2016年G7伊勢志摩サミット特別講演。2017年全国発明表彰21世紀発明奨励賞受賞。2018年科学技術分野の文部科学大臣賞受賞。
深井隆(ふかい・たかし)
クローン文化財立体部門監修。彫刻家、東京藝術大学名誉教授。1951年群馬県生まれ。1985年文部省在外研究員としてRoyal College of Art(ロンドン)で研究。1989年第14回平櫛田中賞受賞。
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