防災・BCP（事業継続計画：Business Continuity Plan）のトータルサービスを提供する株式会社レジリエンスラボ（代表取締役CEO：沖山 雅彦、以下レジリエンスラボ）と損害保険ジャパン株式会社（代表取締役社長：白川　儀一）は、災害発生時の社会課題の解決を目指し、企業の事業継続体制の構築、重要業務継続のための緊急時の燃料配送支援を行うワンストップサービスの提供を見据え、シェアリング型の燃料配送サービスである備蓄シェアリング「BCPチャージ」の共同検証を、2023年11月16日、静岡県東部地域において実施しました。

BCPチャージ：大規模災害時に必要となる電源・燃料等のエネルギーの備蓄を会員同士で補い合う、備蓄シェアリングサービス。

• 背景・目的

近年、異常気象・自然災害の多発により災害時の被害を抑え、早期に復旧させるための災害対策・事業継続への備えは、日本経済の安定性の確保、私たちの安心・安全・健康な暮らしに向け、年々重要性を増しています。

特に、ライフラインとなる電力の確保は、災害発生時の早期復旧において重要な要素となりますが、非常用発電機を動かすための燃料確保に関するコストや保管スペース、日常管理の負担等より、災害時の長期停電への備えに対して、3日以上の燃料を備えている企業は少ない現状があります。

上記の課題に対し、レジリエンスラボが燃料会社と複数の会員企業との燃料配送契約を取りまとめ、シェアリング型サービスとして燃料を会員企業に供給することで、個別の燃料会社との専属配送契約が難しい企業に対しても、災害時に燃料備蓄拠点から各社へ燃料を配送することが可能となります。

また、会員企業一社当たりの費用負担の軽減や、各企業における燃料管理・保管スペースの確保を不要とすることで、地域における企業・病院等の重要業務継続の支援を行い、災害が起きても早期に復旧し、しなやかに立ち上がる社会の実現を目指します。

備蓄シェアリング「BCPチャージ」概念図

• 共同検証の概要
  • 実施概要：静岡県東部地域において、災害発生時の燃料配送を想定し、タンクローリーの出動および供給先での燃料の受け渡しを通じ、備蓄シェアリング「BCPチャージ」の実現可能性および課題の有無を検証しました。
  • 実施日時：2023年11月16日（木）13時～16時
  • 実施場所：静岡県東部地域
  • 特種東海製紙株式会社　三島工場 様（静岡県駿東郡長泉町本宿501）
  • 社会医療法人　志仁会　三島中央病院 様（静岡県三島市緑町1-3）
• 協力　　　　　
  • 専修大学　商学部　博士（工学）教授　岩尾　詠一郎 先生　　　　　
  • 大東文化大学　経営学部経営学科　博士（工学）准教授　清水　真人 先生　　　　　
  • 三和エナジー株式会社　　　　　
  • SOMPOリスクマネジメント株式会社　BCMコンサルティング部

• 共同検証の様子

特種東海製紙 三島工場様

三島中央病院様

• 今後について

今回の検証では、給油作業、必要設備、情報、輸送等の各工程において、流れ・動作の確認、オペレーション上の課題を抽出しました。本結果を踏まえて、今後は、災害発生時の道路・周辺状況のシミュレーション、具体的なサービス構築、重要業務継続のための電力・燃料の必要量の算出を行うと同時に、他拠点への展開を実施します。さらに、燃料の備蓄を共同で行うことで、平常時の燃料の備蓄量・廃棄量の削減に繋げ、環境負荷の低減、SDGsの理念に則った持続可能な社会への実現にも寄与してまいります。

地域における企業同士の燃料のシェアリング・需要供給のマッチングを見据えた、企業の相互扶助プラットフォームとなるサービスの展開を通じ、災害発生時の被害の最小化や早期復旧、地域経済の早期復旧への貢献を目指します。

■レジリエンスラボ：2021 年 8 月に設立した防災・BCP 対策支援を専門とするスタートアップ。2021 年 11 月、経済産業省の「出向起業等創出支援事業」に採択されました。「ジャパン・レジリエンス・アワード」優秀賞を2022・2023年、2年連続受賞。