転職活動に必要な事柄や心構え
終身雇用の崩壊に伴って
就職したらあとは同じ会社で定年まで働き続ける。
数多の異動・転勤・単身赴任等を乗り越えながら昇給・昇進、定年後は退職金や年金で悠々自適な生活を送る。
そんな終身雇用モデルが崩れていると痛感している昨今、価値観が変わって転職することを考えている方もいらっしゃると思います。
そこで今回はいざ転職活動をするにあたって必要な事柄や心構えについてお伝えしていきたいと思います。
最優先事項・優先順位を明確に
まずは「何を実現したいから転職するのか?」
この最優先項目を明確にすることが必要です。
新しいスキルなのか、働きやすい勤務形態・場所なのか、待遇なのか人によってさまざまです。
この軸をしっかり持っておくと転職後の仕事への満足度引いては生活への満足度が高くなります。
明確にしたら次は他の項目(仕事内容・業界・勤務曜日・時間・場所・待遇・会社規模など)に優先順位をつけていきます。
全ての項目においてご希望が叶えられると良いのですが、なかなか難しいのも現実ではあります。
そこで更にそれぞれの項目について具体的にどうなら良いのか(落としどころ)を考えます。
例えば通勤時間を短くしたいと思っている場合、その時間がどこまでなら許容できるのかを考えます。
このように全ての項目について考えていくと、あなたの価値観が見えてきます。
職務経歴の棚卸
並行してご自身のこれまでの職務経歴の棚卸をしておきましょう。
具体的にはいつからいつまで、どこででどんなお仕事をしてきたのかを書き出してみます。
この時に定量的なもの(人数・量・売上等)は具体的な数字を書いておくと採用担当者がイメージしやすいです。
(例えばコールセンターの受信オペレーター業務であれば、時間あたりや月間の対応件数など。)
実績や評価を得ていたらそれも漏れなく記入しましょう。
(〇年〇月 月間MVP獲得/社長賞受賞など。)
この作業を行うことでこれまでご自身が携わってきた業務が整理され、スキルが把握しやすくなります。
30代以降で初めて転職する方は、携わってきた業務も多く思い出す作業も大変かと思いますが、スキルが把握できるということはご自身の強みも分かるようになりますし、転職先を考える際にはもちろん、あと工程の職務経歴書作成にも活かせるので是非時間をかけて行ってください。
ブランク期間について
妊娠・出産・介護等を機に退職、その後ブランクがある方はその期間でやってきたことを書いておきましょう。
たくさんやってきたことがありますよね。
育児と家事、家事と介護、3つを並行して遂行してこられた方もいらっしゃるでしょう。
これらを遂行するために工夫してきたことがたくさんあるはずです。
この時のポイントとしては、仕事をする際にこんな風に活かせそうと思ってもらえそうな視点で書き出すということです。
育児と家事を例に書き出す場合、例えばこんな風に書いてみると良いでしょう。
<子0歳時>
授乳(5~6回/日)
食器洗い(3回/日、並行して哺乳瓶消毒)
風呂洗い
買い出し(2回/週・子連れで・食材・ベビー用品等)
離乳食用下ごしらえ
食事作り3回/日(うち1~2回は子をおんぶしながら。子は離乳食につき別メニュー対応。)
洗濯(2回/日)
子どもとお散歩(1時間/日)
子どもと部屋遊び・読み聞かせ(1~1.5時間/日)
掃除機かけ(毎日)
おむつ替え(6回/日)
夜泣き対応(週2日程度、1回2時間程度)
寝かしつけ(3回/日)
風呂入れ
着替え(多い時は1日3回)
くずり対応(毎日)
育児日記記入
いかがでしょうか?
これを見たらたくさんのタスクを並行して行っていることが伝わりそうではありませんか?
仕事に就いたら効率よく臨機応変に多くのタスクをこなしてくれそうではありませんか?
この経験をただのブランクと思い込んでしまうのはもったいないです!
心を動かされたできごとについて
続いてこれまでのご自身を振り返ってどんなことにで心を動かされたのか(喜怒哀楽)を書き出してみましょう。
これについては是非学生の頃からも含めて取り組んでみましょう。
例えば
・「道を聞かれた時にそこまでお連れしたらすごく喜んでもらえてうれしかった。」
・「借りた本に傷が付いていたと別の友達に伝えていることを知って悲しくなった。」
・ 営業をしていた方なら「飛び込み営業件数でトップを獲得した際に大きな達成感を得た。」
・「あなただから購入しようと思ったと言われた時に営業マン冥利を感じた。」
・「名刺を目の前で破られて自分を否定されたように感じた。」
などです。
エピソードも十人十色、また同じエピソードでも心を動かされる方いない方がいらっしゃるのでこれはご自身を知る上でも大変有効です。
あなたの強み
プラスして是非ともやって頂きたいのは、あなたに近しい方々にあなたの強みをヒアリングしてみることです。
ご自身では「大したことない。」
「こんなの誰でもできるから強みになんてなり得ない。」
と思い込んでしまっていることが他者にとっては強みであることがわかることもあります。
これを知ると自信もついてきますし、転職先を探す上でも参考になりますし、有益です。
実際に履歴書や職務経歴書を作成する際にも応用できるのでおすすめです。
キャリアプランシートの作成
そしてもう一つ。この機会に取り組んで頂きたいのはキャリアプランシートの作成です。
ご自身の未来の仕事や人生について書き出して整理しておくのです。
色んな形式がありますが、例えば縦軸に1年後・5年後・10年後ご自身はどうなっていたいのか?
仕事内容やポジション、希望年収などを暦及び年齢とともに書いておきます。
この際ライフイベント(結婚・出産・定年など)についても書いておくのですが、ご家族のいらっしゃる方については横軸にご家族の欄も追加して同様に書いておきます。
書いた後は是非ご家族とシートを見ながら話し合ってみましょう。
そうすると例えばここでお子さんを授かったら、この期間は奥様は働けないから世帯年収が下がる、お子様が何歳になったら再就職できそう・仕事のアクセルを踏めるようになりそう、定年になった際にお子様は〇歳だからそれまでにいくらためておこう、第2子以降はどうしよう、これくらいになったら親の介護が始まりそうだから残業はできなくなりそうだし、転勤は厳しくなりそうなど色んな話ができたり、お互いの価値観を共有することもできます。
ぜひこのキャリアプランシートを通じての話し合いを一度きりのことせず、お互いに節目に振り返って家族運営にも活かされることをおすすめします。
転職先を探す際の注意点
「ここまでやったし、転職先を探そう!」と思われた方はもう少しお待ちください。
それをやる前にあなたが転職しようと思っている業界やチャレンジしようと思っている職種の仕事内容はどんなものなのかを今一度調べておきましょう。
特にこれらを優先事項の上位にしている方は注意が必要です。
例えば前者については、業界は伸びていますか?伸びそうですか?こんな視点を持つことも重要です。
加えて長く腰を据えて働きたいと考えている方は、平均勤続年数や平均年齢についても調べておきましょう。
(全国産業別平均一覧表では女性管理職の階層別割合もわかります。)
最後に
最後に実際に転職先を探す際にはインターネットの求人サイトや転職エージェントを活用したりされる方が多いと思うのですが、その際の注意点を1点お伝えしておきます。
その求人はいつから、どれぐらいの頻度でどんな背景で出ているのかを知るということです。
求人理由は欠員補充か増員のいずれかしかありません。
欠員補充で頻繁に出ているということはどういうことが想像がつきますよね。
あなたの転職があなたの輝かしい未来につながりますように。
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