転職の成功について考えてみる

株式会社リバース

2023.07.28 14:28

01. はじめに

終身雇用の崩壊、働き方改革推進。

その渦中に新型コロナウイルスが蔓延し、最近はやっと通常モードに世の中戻りつつあります。

「この先何が起こるかわからない。だったら好きなことをして働こう!」

そう思って転職、しないまでも視野に入れる方は多くなっているのではないでしょうか。

転職は企業都合退職等やむを得ない事情以外では、自らの意思で転機を起こすことになるため、慎重に考える必要もあると感じています。

そこで、本日は転職成功の鍵を握るポイントや転職そのものに対する心構えについて考えていきましょう。

 

02. 転職成功の鍵を握るポイントとは?

「転職の成功」とはでしょうか?

前職より待遇が良くなることでしょうか?

労働環境が良くなることでしょうか?

希望職種に就けることでしょうか?

全てがどなたかの正解でもあり、どなたかの不正解でもあります。

「転職の成功」とは、
「転職によって得たかったものが得られ幸せであること」ではないでしょうか。

そこで鍵になってくるのが、「何を得たいから転職するのか?」

この目的をはっきりさせて転職活動に臨む。

もしかしたら、転職する必要がない、
副業をしたら良さそう、という場合もあります。

もし「転職したいな・・」そんなことがぼんやりとでも浮かんでくるのであれば、その感情をノートなどに書き出してみることをおすすめします。

仮にAさんという方が、今の会社の人間関係と仕事内容は気に入っているけれど、待遇に不満がある状態で転職を視野に入れ、その感情をノートに書き出したとします。

・私は会社の人間関係と仕事内容は好き。でも待遇には納得がいかない。
・転職して待遇を改善したい。でも待遇改善だけを希望の転職をしてもいいの?
・今の会社の人間関係も仕事内容も好きなのに。じゃあ今の待遇で我慢できるの?私はそもそもなんで待遇に納得できていないんだろう?
・そう言えば同期のBちゃんが主任になるまでは、会社への不満はなかったよな。じゃあ私も主任になったら、不満はなくなるのかな?
・でも私は・・リーダー的な役割はまだいいなぁ。
・それなら今の待遇でも仕方ないかな・・もう少し様子を見るかな・・?

このような感じで書き出してみることにより頭で考え思考が整理されます。
思考整理した上で、「転職することでしか現状を変えられない」、との結論が出たら転職活動の準備を始めます。

準備を始める際にも、転職活動で得たいものをどんどん書き出します。

優先順位もつけます。理由も書いておきましょう。

反対に絶対に避けたいことも書き出します。

そうすることで受験できそうな会社数など自然と絞りこまれます。

そうやって臨んだ転職活動では「成功」となりやすいため、ぜひお試しください。

03. 転職そのものに対する心構え

みなさんにもご経験があるかもしれません。

「転職成功!」と思っていても、時が経てば変わることがある、ということです。

ここからは転職に対する心構えについて考えていきましょう。

キャリア理論の大家であるナンシー・シュロスバーグ氏は、

転機を次の3つに分類し、

① 予期していた転機

② 予測していなかった転機

③ 期待していなかったものが起こらなかった転機

転機で悩める相談者が来訪した際、その方にとっての転機のもつ意味を理解するためには、どのタイプに該当するのか?

転機の前後関係あるいは背景、どの程度の重大さを持つのか

(転機が個々の役割、人間関係、日常生活、考え方をどの程度変えていくか)
を識別していくことが必要である。と説いています。

おそらく②と③の受け止め方により、本人にとって転機の影響度が変わってくると、実際に、このシュロスバーグ氏の理論にひとつの例の転機をあてはめてお伝えします。

 ※ ① 予期していた転機/② 予測していなかった転機/③ 期待していなかったものが起こらなかった転機
 

次にとあるAさんの場合を見ていきましょう。
 
私は20代後半で、20代前半から興味のあった人材派遣会社に転職しました。(①)
数年後私は公募制の人事異動制度を使って地方都市に自ら赴くことにしました。(②)
「地方都市でこんなことができそう!」と思って叶えられたことが多々ありました。(①)
赴任数ヶ月後に私の直属の上司が退職(②)、
その後任を私が任されることになりました。(②)
最初のうちは良かったのですが(①)、
親しくされていた方々が次々と退職されたり(②)、
私への不満が山積するなどして(②)、
日増しにこの地方都市に居ることが辛くなってきました。(②)
3年後地元に戻った私は「水を得た魚」のようになりました(①)
私が地方都市から戻るタイミングで私の仕事を引き継いだ方が昇格しました。(②)
私は地元に戻ってから半期のMVPを頂いたり(②)、
社長賞への推薦を頂く(②)
など、貢献・評価はして頂いていたはずでしたが、昇格できませんでした。(③)
私は5年以上悩んだ末、10年目でこの会社を退職しました(②)

といった具合です。

伝えたいことは「転職成功」とは、その後に起こる転機によって、またその捉え方によっても変わるものということです。
(裏を返せば、「転職失敗」と思っていても、「成功」に転じることもある、と言えるでしょう。)

04. 最後に

最後に転機の乗り越え方について触れておきます。

これもシュロスバーグ氏の理論で、転機のタイプ、転機のプロセスに関係なく、
「4つのS」が個人の転機を乗り越える能力に影響を及ぼしている、
それぞれのSの内容を吟味していくことで対処に活用できる資源と脆弱な資源を明らかにすることができる、ということです。

① Situation(状況)
② Self(自己)
③ Support(周囲の援助)
④ Strategies(戦略)

ご興味のある方はぜひ、「シュロスバーク 4S点検」で検索してみてください。

※ナンシー・シュロスバーグ氏に関する記述については、
『新版 キャリアの心理学[第2版](渡辺三枝子氏ら編著)』より引用しております。

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