40歳のキャリア不安

株式会社リバース

2023.07.11 16:07

01.はじめに

みなさんは「人生の正午」という言葉をご存知でしょうか?

キャリアコンサルタント業界では知らない人がいないくらい有名なキャリア理論家・ユング氏の残した言葉であり、考え方です。

ユング氏は、人の一生を1日に例えて40歳前後を「人生の正午」とし、午後に移行する大変重要な転換期(いわゆる「中年の危機」)であることを示しました。

ユング氏のこの言葉は、寿命を80歳と想定して考えられたものです。

現代は「人生100年時代」と言われ、この正午を50歳と捉える見方もありますが、今はまだ40歳前後とした方が良いと判断したので本コラムではここを40歳前後として「40歳からのキャリア不安」について記載したいと思います。

※ここで言うキャリアは、仕事だけではなく、仕事も含めた人生そのもの、と捉えて頂きたいです。

02.40歳を襲う不安の正体について

「40歳からのキャリア不安」にはいくつかの要素があります。

1つは、体力面の不安です。

・30代前半くらいまでは残業も徹夜もいとわず働けた上に、朝も難なく起きられた。
・営業をされている方だったら一日に何十件も飛び込めた。

ところが、これが30代後半辺りから徐々に無理がきかなくなってきて、疲れやすくなり、疲れが回復されず、業務に支障が出てきます。

女性であれば早い方で若年性更年期障害や、それに近い不調をいくつか感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そうなるとこれまでのようには仕事がはかどらず、思うように進められなくなり、成果を上げられず休みの日に疲れが残るなど、日々の充実感を得る機会が減る可能性があります。

 

2つ目は、自身を取り巻く環境面に関する不安です。

子どもに関することで、早ければ反抗期、受験を控えているなど、これまでより精神的・金銭的サポートが一層必要になってくるケースに遭遇される場面が出てきます。

ご家族(両親等)の介護が始まる方もいらっしゃいます。

そうなると自身のことに加え、体力・気力を消耗することが増えます。

こういったことが心労に繋がるケースもあります。

未婚者は「生涯独身かもしれない」など脳裏をよぎって不安になり、妊娠・出産したかった、授かりたかったけどできなかった、できそうにない、このような絶望感や焦燥感にかられるかもしれません。

 

そして3つ目は、職場や働くことに関する不安です。

40歳くらいになると新卒からずっと同じ会社で働いていると、なんとなく自身のたどり着けそうな最終役職がわかるようになり、
「先が見えた」と感じやる気を失い、人員整理の対象にもなりやすく、不安を抱えて過ごすことが多くなります。

一方、「これまで20年近くがんばってきた」とプライドもあるため、なかなか弱みを見せたり打ち明けたりができず、メンタルに支障を来すケースや新しいことに対する拒否反応が強く出るなどが見受けられます。

キャリアチェンジして色んな企業で活躍して来られた方も若い頃の様には転職活動がうまく進められない、そういった事態に遭遇するケースもあります。

以上のことが複数重なることもあります。
するとどれだけ辛いか?
想像するだけでも大変だなぁと感じられると思います。

03.不安の解消方法

誰でも生きていれば必ず40歳や50歳になります。

ここで大切なことは事実を受け止め、その上で「じゃあどうする?」と考え、しなやかに対応し乗り越え、かわしていくことだと感じます。

今20代〜30代前半の方は、
「30代後半頃からこういったことが自分にも降りかかるかもしれない」
ということを心に留めておき、「できる準備」をするのがいいと思います。

具体的には心の準備をしておくこと、健康管理・体調管理に努めること、適応力を高めておくことなどです。

すでに迎えている人は、体力面の不安については

これまでの経験でカバーできないか?
量ではなく、質に転換できないか?

新しいことをやるように指示された場合は仕事の幅を広げるチャンス、「今の歳から新しいことに挑戦できる!」と捉えてみる。

(会社勤めだと、定年まであと25年程度あります。前向きに捉えることも一案と感じます。)

環境面の不安は、ひとりだけで抱え込まない、家族や上司に相談する・頼る、周りにSOSを出す、行政に頼る。

仕事面の不安は、

自分は何がどうだったらいいのか?幸せなのか?
将来に希望が持てそうなのか?

など考え、これまでの職務経歴を棚卸しを行い、強みを可視化してみる。

こういったことを試し、取り入れることで、不安が緩和され、解消されることがあるはずです。

とにかく「一人で抱え込まないこと」が最重要です。

04.最後に

私どもキャリアコンサルタントの多くは、中高年のキャリアコンサルティング時に活用することを期待されているカウンセリング技法を習得しています。

家族や周りの友達には相談できない、会社には人事評価に影響しそうで相談したくない、という方には、ぜひキャリアコンサルティングを受けてみることをおすすめします。

キャリアコンサルタントには守秘義務があるので、あなたの許可なく相談事が外部に漏れることは決してございません。

そのため安心してお話し頂くことができます。

キャリアコンサルティングを受けて頂くことでご自身の悩みの根源や、理想の働き方・価値観・強みに気づいて頂けるので、おすすめです!

また、ご自身の強みや働く上での価値観等を知る方法は、厚生労働省が開発した「ジョブ・カード」というツールがあるので、こういったものも是非活用してください。

最後に就職氷河期世代の方にはぜひ、厚生労働省の就職氷河期世代の支援策について、どのようなものがあるか一度チェックされてみることをおすすめします。

この世代の不安は「アラフォー・クライシス」と言われ一層根深いものと感じています。

「40歳のキャリア不安」をより多くのみなさまが少しでも軽やかに乗り越えられることを、心より願っております。

 

 

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