「自分に合った仕事」を見つけるときに役立つ3つの輪

株式会社リバース

2023.07.05 12:48

01.「自分に合った仕事」とは

キャリアコンサルタントとして様々な相談を受けるなかで、「自分に合った仕事がわからない」という相談は比較的多いと感じます。

ひと昔前では「いい学校を出て、いい大学に入り、いい会社に入れば幸せになれる」というのが、普遍的な人生の成功と言われたものです。

しかしこうした相談が多いということは、時が流れ、多様な選択肢のある時代になり、

「自分にとっての成功はそれには当てはまらない」

と違和感を覚える人が多くなったからかもしれません。

人の数だけ幸せがある、という考え方からすればそれはとても喜ばしいものです。

と同時に、以前はしなくてもよかった、「自分にとっての適職探し」をしなくてはならなくなったことが、人々の負担になっているとも感じます。

一人一人の人間が自分に合った仕事を選ぶようになれば、生きづらい思いをする人が一人でも減らせるかもしれません。

そう言った方々へのヒントになる内容になれば幸いです。

03.「3つの輪」のフレームワーク

適職を探す時に役立つのが、「3つの輪」のフレームワークです。

CAN(できること)
WILL(やりたいこと)
MUST(やるべきこと)

上記3つの輪を描き、それが重なるものが適職と言われています。

紙に大きく輪を3つ三角に重なるように書き、それぞれの項目に当てはまるものを書き出していきます。

■ CAN(できること)

得意なこと、これまでの経験、仕事に活かせる能力や資格などです。

自分では特技と思っていなくても、実は他の人にはなかなかできないということもあります。

可能であれば「他人から見た自分の印象」なども、周りの意見を聞いた上で書けるとベターです。

■ WILL(やりたいこと)

自分自身の持つ欲求や、仕事に対しての希望、将来の夢などです。

どんなことに対してモチベーションを抱くのか、逆にこれだけは絶対に嫌だ、

というものもあれば記入します。

■ MUST(やるべきこと)

周りから求められる役割や、期待されることです。

自分にできて、やりたいことだけで食べていけるなら苦労はしないのが現実です。

それを仕事にしていけるだけの条件を満たせているか、

今は満たせていなくても、今後満たせるように努力できるか、という視点は無視できません。

 

新卒就活の場合はポテンシャル採用の部分が強いので、MUSTの部分はそれほど求められませんが、

年齢が上がるほど即戦力が求められるようになり、MUSTの割合が大きくなります。

また、専門職になると資格や経験重視になるため、ジョブ型雇用が進む今後としては、MUSTの部分は更に重視されるかもしれません。

それぞれの輪を埋めていくと、

「できることはあるけど、やりたいことがわからない」

という人もいれば、

「やりたいことも、できることもそれなりにあるけれど、MUSTの部分の認識が甘い」

といったように、一人で考えているだけでは見えてこなかった部分が明確になってきます。

明確化した分だけミスマッチも防げるため、何となく求人に応募して何となく働いてみたけど、やっぱり合わない、という人は3つの輪のフレームワークに一度取り組んでほしいと思います。

04.それでも「自分に合っているかわからない」という人のために

面談を重ねていくうちに、自分のやりたいことや、できることの棚卸もして、自分に求められていることもわかってきた。

けれど、それでもその業界、その会社、その職種が自分に合っているかわからず一歩を踏み出すのが怖い、と立ち止まってしまう方がいます。

そう言った場合には、「一旦、一度決めてしまう」ことです。

その選択が「たった一つの正解かどうか」なんて、誰にもわかりません。

一度きりの人生、失敗をしたくない、という気持ちは理解できます。

けれど、失敗したら失敗から学べばよいのです。

その失敗はいつか成功の糧となります。

できるだけ自分に合う仕事になるように、当たりをつけて行動し、ダメならその度に軌道修正する。

そうしていけば、いつかは自分にとってしっくりくる働き方ができると思います。

更にいえば、時間が経つほどに自分も変わります。

時代も変わります。

そういった「変化を受け入れる」柔軟な姿勢を持つことが、これからの時代にはとても重要だと感じます。

05. 最後に


「昔はよかった」、「みんなと同じことをしていれば安心」という人からすれば「自分に合った仕事を探す」というのは苦痛に感じるかもしれません。

しかし、近年「個の時代」というフレーズをよく聞くようになりました。

ネガティブな目線では、終身雇用も実質的になくなり、会社が社員を守ってくれるというのは過去の幻想になってしまいました。

その上、年金受給額は減る一方で国も守ってはくれない。「個の時代」とは、「自分の身は自分で守る時代」という意味にもとれるでしょう。

しかしそういった「社会的なシステムへの依存」から脱却することで、個人がひとりひとり自立した存在になる、とも考えられます。

「みんながしてるから、なんとなくする」というように、思考停止した状態で人生の選択をしていくのではなく、

「自分がそうしたいからする」

と、個人が自分で選択ができる時代になったのです。

自発的な行動には、ストレスがほとんどかからず、莫大なパワーを発揮します。

そうしたひとりひとりが力を寄せ合えば、これまでとまったく違う時代が築けるのではないでしょうか。

このように考えると、「自分に合った仕事」を選ぶ人がこれからもたくさん増えてほしいです。

 

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