キャリアに悩む働く女性たちへ〜不安との向き合い方〜
はじめに
キャリアという言葉が仕事の経験や経歴をイメージさせるものとして認識されて久しいのですが、
時代背景が変化するにつれて、仕事に密接な家族の状況や自身の変化等の生活環境・条件が働き方に対する考えの変化につながるようになってきたために、人生全体を指すことが増えてきました。
正直なところ、長い間「女性の活躍」「女性の社会進出」といった話題がこれほど取り上げられているのに、取り組み・課題に加えて女性たちの不安や悩みは解消されるどころかますます膨れ上がっていて、いい加減に社会の現状、制度・認識の格差がなくならないものだろうか、と感じます。
とはいっても、社会が女性たちの高い能力に期待し、互いに認め合いながらより良くなる方向性を探ろうとしているという機運の高まりとも言えるのでしょう。
そこで、本記事では、働く女性たちの不安とその向き合い方を考えることにします。
不安は解消するもの…ではない
今これを読んでくださっているあなたは、ご自身のキャリアにどんな不安を感じていますか?
「最初に思っていたのとちがう」
「このままでよいのだろうか…」
「ずっとこんなことしていて意味あるのかなあ」
等の不安を感じ始める元になる出来事はさまざまです。
そして、キャリア=生き方と考えれば、人の数だけその形があります。
不安に感じることや悩みの度合いも人それぞれということです。
多くの女性が備えている観察力や洞察力が、ネガティヴに機能していると言えるのかもしれませんが、誰かの成功や友人、同期などの幸せな姿を見聞きして、自分の思いと現実とのギャップに直面すると、不安や焦りを覚えることがあり、ときには飲み込まれるような気持ちになる人がいるかもしれません。
個人の性格によっても異なりますが、不安というものは、とらわれると増え続け、きりがないものです。
一方で、不安という感覚は、あなたを守るための本能的な感覚でもあり、当然なものでもあるのです。
つまり、不安は「解消する」というよりも「増やさない」ために普段からそれらとの向き合い方、折り合いの付け方を整えることが大切で、それが自分の軸をもつことにつながります。
自分の内なる反応の扱い方(問いかける習慣をもつ)
先ほど書いたような
「知らない誰かのインタビューで、キラキラした成功談を読んだ」
「SNS で友人・同期の幸せそうな姿を見聞きした」
等の体験は、自分が良くない状態のときに大きなダメージになり得ます。
最近はこちらから積極的にアクセスしなくても、出版物やさまざまなメディアからたくさんの情報が入ってくるようになりました。
一人で不安や悩みを抱くとき、あいまいな単語で検索した場合も、あなたの思いに近い情報を与えてくれるので、無防備なあなたのもとには、不要な情報が膨大にやって来ることも事実です。
ネガティヴな状態のときに余計な情報が入ってきたとき、惑わされ、力んだり、やみくもに動いたりしてしまい、やる気がなくなった経験をしたことはありませんか?
本記事を読んでくださっているあなたには、このようなことの繰り返しで、ご自分の貴重な時間を無駄にしないでほしいと思います。
外から入ってきた何らかの情報に対して、あなたの中ではどんな反応が起きているのでしょうか?
「うらやましいなあ」「あの人成功していていいなあ」→「この人に比べて自分は…」
このサイクルが、キャリアの不安や焦りにつながる
理由の1つではないかと考えています。
今日からあなたに取り入れていただきたいのは、「あなたの外側で起きたことへの反応で即座に自分を評価するのではなく、もっと深いところにいる自分と向き合う」習慣です。
情報は、その受け取り方次第で意味合いが変わります。
今回の例で言えば、自分と誰かを比較するよりも、「目の前にある情報をどう扱うか考える」ことを行動のプロセスに加えることを提案したいのです。
自分の中で起きる反応をそのまま自己批判、自己否定として扱うなんて、何ともったいないことでしょうか。
誰かが発信する情報に(特にネガティヴに)反応する自分に気づいたら、以下のような質問を自分に投げかけてみてください(質問は一例です)。
◎受け取った情報は、私に何を教えてくれているのだろう?
◎本当にそうなのだろうか?
◎私はこれをみて何に気づいた?
◎私にとって、これは必要な情報?
◎私の人生の目的はどこにあるの?
かけがえのないあなたの人生を、要らないものに妨害されたり、傷つけられたりしないためにも、是非取り組んでみてください。
質問にすぐに答える必要はありません。
答える以上に質問を意識する習慣をもつことが、一旦立ち止まるきっかけとなり、
悩みや不安との向き合い方を変えてくれることでしょう。
入ってくる情報から受け止めるべきことは自分への批判や否定ではなく、深いところにある自分の思いを知り、今後の意思と向き合うことなのです。
「したい自分」と「ありたい自分」
話が変わりますが、自分のキャリアを考えるときは、未来に焦点を当てて考えるほうが自由で明るい思考に切り替えやすいのではないかと、筆者は考えています。
理想や目標を尋ねられたとき、あなたはどんなことが頭に浮かびますか?
「~できたらいいな」
「~をしてみたい」
「~な暮らしがしたい」
「~な気持ちでいられたらうれしい」
等が例として挙げられますが、イメージするのが難しい場合は、現在の自分は一旦横において、何にも縛られない自由な状態を想像してみましょう。
未来は、現在の延長線上になくても良いのですから。
このとき、やることを考えるのが得意な人と、気持ちをイメージすることや、あり方を想像するのが得意な人がいます。
この違いを、専門家の中にはdoingとbeingと表現する人もいますが、優劣や良い悪いはありません。
人によって違いますし、条件やおかれている環境によっても変化します。
大まかなイメージが出てきたら、それを具体的にするとちょっと楽しくなります。
例えば
「何年後に実現する?」
「どこにいる?」
「どんな人が周りにいる?」
「何が手に入る?」
「どんな表情をしている?」
等をいろいろと想像してみてください。
このセルフワークは、慣れるのに時間が必要な場合もあります。
焦らずに、じっくり時間をとって取り組んでみてください。
後で整理していくときにも使えるので、できればノートやスマホにメモしておくことをおすすめします。
今、つらい状況下にいるあなたへ
ここまで読み進めてきて、「未来に焦点を当てるなんて、今は到底できる状態ではない」と感じた方がいらっしゃるかもしれません。
誤解を恐れずに例を挙げるならば、人間関係の悩み、子育て、介護、病気等…長い人生の中では、良いことも困難も、形を変えて順番にやってくるものです。
気休めに感じられるかもしれませんが、あなたも周りも変化していきます。
今の状況は、ずっと同じままではありません。
切り替わる瞬間が、必ず訪れます。
今は力を蓄える期間と捉えて、次のステージに向かうために準備していきましょう。
あきらめずに、目標や理想を持ち続けてください。
日頃からアンテナを立てておくと、次に進むヒントが見える瞬間があります。
一人で取り組むことに限界を感じる人は、信頼できる人に話すことや、相談の専門家に聴いてもらうことで自分を認める時間を少しでも設けましょう。
また、あまり嬉しくない話ですが…
今はそれほど辛いことに直面していない人も、困難や逆境で試される場面に遭遇することだってあるのです。
どのような状況にあっても、自分の思考(反応)パターンと、意思決定する習慣をもっておくことで、ぶれない自分軸をもち、幸せなキャリアの構築をすることにつながっていきます。
おわりに
今回は、働く女性のキャリア不安をどう扱うかを考えてきました。
不安を増やさないために自分とどう向き合うかの質問や、
未来に焦点を当てるセルフワークは、女性以外の方にもぜひ取り組んでみていただきたい内容です。
頑張っている女性ほど、周りの誰かと自分とのちがいに気づく力があるために、それが自分を責め、否定につなげてしまうケースが多く見受けられます。
せっかく備わっている気づき力を、そこで止めるのは非常に残念なことです。
これからは、その力を自分の内側にも、どんどん活用していきましょう。
(余談ですが、実は今のあなたを見て、比較対象の相手がうらやましいと感じている場合があることにも気づいてほしいと思います。)
そして、頑張っている自分に優しくしてあげてください。
どんなところにいても、堂々と自信を持って前進してください。
あなたの幸せなキャリアを心から応援しています。
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