『絵巻で読む方丈記』発売|厄災の時代に、詩情あふれる江戸期の絵とともに読む

株式会社東京美術

2022.06.24 12:00

過去にほとんど紹介されてこなかった絵巻を発掘、初の書籍化

東京美術(本社:東京都豊島区池袋本町3-31-15、代表取締役:永澤順司)は、江戸期につくられた『方丈記絵巻』を、絵本のような形式に仕立てた単行本『絵巻で読む方丈記』を刊行します。コロナウイルスや戦争など、尽きない不安を前にした現代は、平安末期・鎌倉初期、五大災厄に見舞われる、鴨長明が生きた時代と重ねることができます。そんな困難を前に都会を離れ、質素な生活をすることを選択して、安息を手に入れた長明の達観が描かれた『方丈記』は、現代の我々にもさまざまな教訓をもたらします。本書は、江戸期の人々に『方丈記』の世界観をわかりやすく伝えるために作られた『方丈記絵巻』の全絵画を掲載、原文を読む心地よさを味わえるよう漢字などを一部改めながら本文を収録して、現代語訳も併置しました。『方丈記』を漫画に仕立てた本は複数ありますが、詩情ある大和絵風の描写により、他とは異なる『方丈記』の雰囲気を味わうことができます。

絵巻で読む方丈記

  • 著者:鴨長明
  • 訳注:田中幸江
  • 定価:2,530円(10%税込)
  • 判型:A5判
  • 頁数:112頁
  • ISBN:978-4-8087-1250-1
  • 発行日:2022年7月10日
  • 電子書籍も同時発売

本書の特徴

  1. 過去、ほとんど紹介されたことのない江戸期に描かれた絵巻を、初めて書籍の体裁に仕立てて再現
  2. 日本三大随筆のひとつを、大和絵風絵画の臨場感とともに読むことができる
  3. 読みやすさに配慮した古文本文と、現代語訳を併録
  4. 訳注者による『方丈記』および『方丈記絵巻』の解説もあり

方丈記とは

人間にとっての理想の住まいと環境について述べた随筆。大きく前半、後半の二つの部分に分けられ、前半部分にいわゆる「五大災厄」と呼ばれる「大火」「辻風」「遷都」「飢饉」「地震」の災害、後半部分には終のすみかである方丈の庵の素晴らしさが語られる。建暦2年(1212)、鴨長明58歳の時に書かれた。全体の文字数は約1万字(四百字詰め原稿用紙25枚程度)。

目次

●方丈記(本文+現代語訳)
序章/安元の大火/治承の辻風/治承の都遷り/養和の飢饉/元暦の地震/人間生活の苦しみ/方丈の庵/庵での生活/たどり着いた境地/終章

●解説
『方丈記絵巻』解説/『方丈記絵巻』の構成/『方丈記絵巻』概観/絵巻の各場面/『方丈記』作者・鴨長明/『方丈記』の諸本と文体/『方丈記』の内容/鴨長明略年譜

訳注者略歴

田中幸江(たなか・ゆきえ)
埼玉県生まれ。二松學大学文学部国文学科卒業、専修大学大学院日本語日本文学専攻博士後期課程修了(博士〈文学〉)。現在、二松學大学非常勤講師。共著に『完訳 源平盛衰記 四』(勉誠出版、2005年)、論文に「長明と仏教」(『今日は一日、方丈記』、磯水絵編、新典社、2013年)などがある。

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