日本のタワマン購入検討時に、知っておくと良い3つのこと
海外の高層マンション内装設計も手掛ける建築家が解説 マンション火災に関する建築関連法規制、ある面で香港のほうが厳しい事実も
香港の当局は、発生から1週間が過ぎた香港の高層住宅群火災での死者が少なくとも159人に上ったと発表しました。本件で亡くなられた方々に、深く哀悼の意を表します。香港をはじめ海外の高層マンションの内装設計も手掛ける一級建築士事務所の本間総合計画(本社:宮城県仙台市、代表:本間貴史)は、建築家の視点から国内で高層マンションを購入する際に知っておくと良い3つのことを整理しました。
あまり知られていませんが、香港のマンション火災に関する建築関連法規制は、実はある面で日本より厳しいところがあります。例えば、屋内から階段室へ火災が進入するのを防ぐ附室+避難階段を設けた特別避難階段の構造。日本では、附室に排煙設備を設けて、階段室への煙の流入を防ぐことを基本としています。一方、香港では他の区域よりも気圧を高くした加圧ロビーと加圧階段によって煙の進入を阻止できる構造になっています。排煙よりも加圧のほうがはるかに厳しい技術を要し安全性も高いと言えます。しかし法規制でどんなに高い安全性を担保しても、どこかに不備があれば今回のような惨事を引き起こすこともあります。万全とは言えませんが、高層マンションを購入する際に知っておくと良いことを私の視点から挙げてみました。
知っておくと良いこと ①:購入に望ましい築年は2000年以降! できれば2016年以降
2000(平成12)年以降は、建築基準法のうち防火区画、排煙、耐火構造についての性能規定が大幅に強化されました。さらに消防法も整備され、前述の特別避難階段の附室排煙性能が実質的に向上しました。耐震基準は、1981年から変わらないものの、高層建物の構造安全性がさらに明快になったのもこの年以降です。
さらに2016(平成28)年以降に建築されたマンションは、防火設備(扉)の性能規定が大幅に強化され、火災時の漏煙量が厳しくチェックされるようになりました。この頃から、マンションの玄関扉も防煙型が増えたと言えます。今現在、この時点が“防煙性能”の最高レベルでしょう。
知っておくと良いこと ②:特別避難階段の見学もオススメ
①とは反対に、1987(昭和62)年以前の特別避難階段は附室排煙規定が曖昧な時期で煙対策が弱いところが多いです。マンションの見学時には、特別避難階段が2箇所以上あること、付室が広いこと、十分な排煙ができるかどうか、ご自身の目で確認し、専門家へのヒアリングなどができるとなお良いでしょう。
知っておくと良いこと ③:住戸内の美しさも重要 でもココもチェックして!
マンション見学の際に、住戸内の快適性や美しさをチェックすることももちろん重要です。それにプラスして、築年が古いマンションなら住戸内のスプリンクラー、玄関扉の防煙性能を専門家に聞きながら確認しても安心かと思います。
会社概要
株式会社本間総合計画は「建て主の生活をデザインする」という理念のもと、超高齢化社会や地域経済格差といった現代社会の課題に対し建築を通じて解決すること、人々の生き方の質を高められる建築を目指しています。単に“建物を設計する”ことだけではなく、そこに住む人そのものを設計対象として捉えています。どのような家に住みたいかよりさらに深く「どんな暮らしをしたいか」を出発点として、家族の生活習慣や将来像、仕事や趣味、介護や育児、ペットの飼育…… などを丁寧にヒアリング。それらを空間として具現化します。
今後も、時代の変化に応じて多様化する住まいのあり方に応えられる「暮らしのデザイン」という当社最大の特長を武器にしていきます。
- 会社名:株式会社本間総合計画
- 代表者名:本間 貴史
- 所在地:宮城県仙台市青葉区柏木一丁目3-12-111
- 設立:1991年
- 資本金:10百万円
- 事業内容:当社は一級建築士事務所として、以下の事業を展開しています。
・新築住宅/リフォーム
・店舗/医院/施設設計
・海外プロジェクト
・不動産事業
・検査・支援業務
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