「３年にわたるコロナ禍でマスク着用の生活にすっかり適応した日本人。そのすべてがマスクをはずす日はもう来ない。メタバース（仮想空間）の進化もあいまってコミュニケーションでの顔情報は不要になっていくだろう」と宮口氏は語ります。そして「マスクで顔を隠すことによる子どものコミュニケーション力低下を心配するより、マスクで他人に見られたくない部分を隠すことで得られる安心感と自己肯定感を重視しよう」と本書で伝えています。マスク着用によって医療少年院で問題行動が減ったという宮口氏ならではエピソード紹介もあり、ポスト・コロナ時代の新しいコミュニケーションについて提言されています。

マスク着用の有無が自己判断に委ねられることになった今、必読の書です。

「見た目９割」の時代は終わった

「内面が第一印象」となるポストコロナの新時代には想像しえなかった出会いがある

◆目次

第１章　マスク生活を受け入れた日本人

第２章　「見た目９割」じゃないと気づき始めた日本人

　第１節　顔を隠して価値を上げる時代が始まった／第２節　コミュニ―ションにおける顔の役割／第３節　「見た目」を隠すことを好む日本人

第３章　今まで辿りつけなかった世界につながれる！　新時代のコミュニケーション

　第１節　一層高まるノンバーバル・コミュニケーションの重要性／第２節　自分のコミュニケーションの癖を見直してみよう

巻末資料　社会面のコグトレ ワークシート

著者： 宮口幸治（みやぐち・こうじ）立命館大学教授

京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務の後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務。2016年より現職。一般社団法人日本ＣＯＧ-ＴＲ学会代表理事。医学博士、臨床心理士。著書『ケーキの切れない非行少年たち』『どうしても頑張れない人たち』『ドキュメント小説　ケーキの切れない非行少年たちのカルテ』（新潮新書）はシリーズ累計150万部突破のベストセラーに。コミック版『ケーキの切れない非行少年たち』（新潮社）ではシナリオライターとして第６回さいとう・たかを賞を受賞。