5C‐クロス・カントリー・コールド・チェーン・コンソーシアム
Super Cooling SystemとXtend®が実現する 「世界一長い鮮度保持システム」 実装プロジェクト 始動
株式会社ティーアール・ネットサービス(代表取締役社長:渡邉貴浩、所在地:北海道札幌市)は、日栄インテック株式会社(代表取締役社長:西川嘉俊、所在地:東京都荒川区)、株式会社リセンティア(代表取締役社長:山西美香、所在地:千葉県柏市)、Yasirab Trading有限会社(代表取締役社長:Naim Mohamad、所在地:北海道江別市)(社名五十音順)とともに、Super Cooling System(※①)とXtend®(※③)で実現する途切れないコールドチェーン「世界一長い鮮度保持システム」の実装を目標として結成した『クロス・カントリー・コールド・チェーン・コンソーシアム(Cross Country Cold Chain Consortium (5C))』 が始動したことをお知らせいたします。
2025年5月29日(木)、株式会社ティーアール・ネットサービス本社ビルにて行われたコンソーシアム結成発表会には、道内の物流・青果物卸業者・メディアが多数来場。
■コンソーシアム結成の経緯
これまで、日本産青果物の輸出は高品質であるにもかかわらず、輸送時の鮮度劣化や現地販売期間の短さが課題となり、十分な市場競争力を持つには至りませんでした。特に航空輸送は高コストであり、また海上輸送では長時間の輸送に伴う品質低下が懸念されていました。
この課題を解決するためには、海上輸送に耐え、なおかつ消費者の手元に届くまで品質を維持するシステムを確立する必要がありました。そこで、鮮度保持技術の研究・開発・運用実績を持つ企業が集まり、産地から輸出先の市場まで一貫したコールドチェーンを構築するためのコンソーシアムが結成されました。
このコンソーシアムの目的は単なる技術実証に留まらず、実際の市場の需要に適合した物流の構築を目指しています。日本の農産物が持つ価値を最大限に活かしつつ、安定的かつ持続可能な輸出環境を整えることで、日本の農産業全体の国際競争力強化に寄与してまいります。
■「世界一長い鮮度保持システム」とは
従来の輸出物流におけるコールドチェーンは、主に産地から港までの国内輸送時、もしくは港から港への国際輸送に限られており、消費者の手に渡る段階では既に劣化が進んでいるケースが多く見られました。この問題を解決するため、コンソーシアムでは「収穫直後の鮮度保持処理」「輸出先での鮮度保持貯蔵」を組み込んだ一貫コールドチェーンの実装を目指しています。
このシステムでは、以下の鮮度保持技術が導入されています。
- Super Cooling System (SCS):電界を利用した鮮度保持ユニット。
- Fresh Foam:軽量で環境負荷の少ない新型保冷材。
- Xtend®:イスラエル企業・STEPAC社製MA包材。青果物の呼吸と蒸散を抑制する。
これらの技術を輸送の各段階に鮮度保持技術を組み込むことで、収穫直後から消費者の手元に届くまで品質を維持する「世界一長い鮮度保持システム」を実現します。
■「世界一長い鮮度保持システム」の実力
Super Cooling SystemとXtend®で鮮度保持貯蔵したシャインマスカット
(2025年6月6日撮影)
「世界一長い鮮度保持システム」の中心技術であるSCSとXtend®の併用は、特にシャインマスカットの長期鮮度保持において驚異的な成果を上げています。SCSの電界による鮮度保持機能とXtend®の呼吸蒸散抑制機能を活用することで、ハウス栽培品が流通し始める翌年6月まで鮮度を維持できることが実証されており、商業ベースでのさらなる活用を模索しています。
■「世界一長い鮮度保持システム」が目指す未来
日本産青果物の輸出競争力が飛躍的に向上し、持続的な海外市場拡大が可能になります。
具体的には、以下のような効果が期待されています。
1.販売期間の延長
現地到着後の販売可能期間が従来より大幅に長くなるため、輸出先の小売業者は余裕をもって販売計画を立てることができます。これにより、在庫管理の効率化や廃棄ロス削減ができ、収益性向上につながります。
2.輸送コストの最適化
従来は鮮度保持のために高コストな航空輸送が主体でしたが、SCSコンテナを活用した海上輸送が可能になることで、コストを抑えながら長距離輸送を実現できます。この結果、輸出価格の安定化が期待されます。
3.日本産品のブランド価値向上
現地における鮮度保持貯蔵により、質の良い日本産農産物の常時流通が可能になります。これにより、海外市場において日本産農産物の認知と評価が高まり、「質の良い日本産品」のブランドイメージが確立されます。
そして、「5C」はこの度、農水省の
「令和6年度 輸出物流構築緊急対策事業」
事業実施候補者(補助金交付候補者)に選ばれました。
先ずは7月より北海道産の青果物を使った輸出物流構築の実証事業を開始いたします。
(旬の時期に採った道産アスパラを鮮度保持輸送・貯蔵して7月の中旬にそのままの鮮度でUAEにお届けします。)
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