みどりの食料システム戦略の実証実験へ。ローカル・スタートアップが循環型の都市型農業の神戸市ポートアイランドで研究を開始

一般社団法人ローカル・スタートアップ協会

2025.05.09 08:30

4つの行動でオープンイノベーションでグリーンでクリーンな都市を目指す。パートナー企業も募集。

一般社団法人ローカルスタートアップ協会は、神戸市ポートアイランドを舞台に、循環型の都市型農業モデル構築に向けた研究・実証プロジェクトを開始します。

本プロジェクトは、国の「みどりの食料システム戦略」が目指す、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する取り組みに貢献するものです。具体的には、「都市型農業(生産)」「フードリサイクルループ(循環)」「SDGsフィールドキャンパス(教育・研究)」「グリーンフード・コミュニティゾーン(消費・発信)」の4つの柱を統合し、環境負荷低減と地域活性化を目指す持続可能な地域モデルのショーケースを構築します。

神戸市、大学、研究機関、地元企業、市民との連携を通じて、オープンイノベーションを推進し、本モデルの社会実装を目指します。当協会では、このビジョンに共感し、共に未来を創造する加盟団体・連携パートナーを広く募集いたします。

環境に負荷をかけず食料自給率100%を目指す

地球温暖化や生産者の減少、サプライチェーンの脆弱化といった課題に直面する中、持続可能な食料システムの構築は喫緊の課題です。日本政府は「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに農林水産業のCO2ゼロエミッション化、化学農薬使用量50%低減、化学肥料使用量30%低減などの高い目標を掲げています。特に、国内で年間約472万トン(令和4年度推計)発生している食品ロスの削減は、SDGsの目標達成にも不可欠です 。

このような国家的課題に対し、当協会は「100年先も続く持続可能な農林水産業の生態系をつくる」というビジョンのもと、起業家育成とオープンイノベーション推進に取り組んでまいりました。今回、その実践的な取り組みとして、神戸市ポートアイランドでの研究・実証プロジェクトを立ち上げます。

ポートアイランドは、かつて未来都市として注目されたものの、近年は人口減少や高齢化、一部エリアでの活力低下といった課題も抱えています 。しかし、大学や研究機関、医療産業クラスターが集積し、未利用スペースも存在するこの地は、新たな都市モデルを創造する大きな可能性を秘めています。本プロジェクトは、このポテンシャルを活かし、以下の4つの柱を通じて、食と農、環境、教育、地域経済が連携する循環型エコシステムの構築を目指すものです。

みどりの食料システム戦略
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/ 

執行理事 佐合純のメッセージ
「ポートアイランドは循環型社会の可能性に満ち溢れている」


私はポートアイランド生まれ、ポートアイランド育ちです。
人工の島なのでどこか無機質で見過ごされがちですが、私たちにとってここは紛れもない「ふるさと」です。だからこそ、この島に“いのちの循環”を取り込み、自然とともに育てていく未来を思い描いています。

ローカルスタートアップ協会としては、国の「みどりの食料システム戦略」に沿って、地域に根ざした循環型の農と食の仕組みを築き、都市でも食料自給率100%を目指す壮大なビジョンを描いています。
そんな大きな目標と、小さく始めた土づくりの実験や、「30年後の都市経営を考えるスタディツアー」といった活動が重なり合い、この実証実験が生まれました。

小さな動きが大きな構想とつながり、地域のリアルな手触りを持ったチャレンジとして動き出す、そのクロスの瞬間に、私は大きな可能性を感じています。
ポートアイランドは、未来社会の実験場として、まだまだ多くの可能性を秘めた場所です。

でも、これはポートアイランドだけの話ではありません。似たような課題や想いを抱える全国の地域、そして、私のように小さく葛藤しながらも動き出そうとする人たちにとっても、新しい希望の実験になることを願っています。

これから地域企業や大学、行政、そして住民の皆さんとともに、この島を舞台にした都市型農業エコシステムの輪を広げていきたいと考えています。小さな活動が、大きな渦に育っていくことを信じて一緒に実験してくださる方々の参加を心よりお待ちしています。

今後の展望

将来的には、ここで得られた知見や技術をパッケージ化し、国内外の他都市への展開・応用を積極的に進めてまいります。スマート農業や都市農業市場の成長 を捉え、新たな産業創出や雇用機会の拡大にも繋げたいと考えています。当協会は、この挑戦を成功させるため、オープンイノベーションの精神に基づき、多様な知識や技術を持つ企業、研究機関、地域団体、市民の皆様との連携を強化してまいります。本構想にご関心をお持ちの皆様からのご連絡をお待ちしております。

団体について

一般社団法人ローカルスタートアップ協会は、「100年先も続く持続可能な農林水産業の生態系をつくる」というビジョンのもと、農林水産業のみどりの食料システム戦略の実現を目指して活動しております。私たちは、食と農林水産業における生産性と持続性の向上を目的に、以下の2つのサービスを軸とした事業を展開しています。

  • 起業家のシーズ(種)育成: 革新的な発想と起業家精神を持つ人材を育成し、地域社会の課題解決に貢献するリーダーを育てます。具体的には、起業家育成プログラムの提供や、地域課題解決のためのワークショップ開催などを実施しています。

  • オープンイノベーションで大企業と省庁、地方をつなぐカンファレンス運営: 地方を繋ぎ、共に未来を創造するためのカンファレンスを企画・運営しています。カンファレンスでは、地域課題の共有や解決策の模索、関係機関との連携強化などを目指し、多様なステークホルダーが集まる場を提供しています。

これらの事業活動を通じて、当協会は地球環境に負荷をかけないGX(グリーン・トランスフォーメーション)で持続可能な農林水産業の生態系構築を推進し、豊かな自然と食文化を未来へ繋ぐ「場づくり」に貢献していきます。

【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人ローカルスタートアップ協会
https://local-startup.jp

本プロジェクトや当協会へのご参加にご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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種類
調査レポート

カテゴリ
自治体など

サブカテゴリ
エネルギー・環境
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