自閉症に発明家が多い謎を解く! 『ザ・パターン・シーカー:自閉症がいかに人類の発明を促したか』を刊行

株式会社化学同人

2022.12.23 18:44

エジソンやビル・ゲイツらは、数字や記憶は卓越した能力があるのに、他人との交流が難しい自閉症タイプだ。しかし世の中を変える力を持つパターン探しの達人である。発明家の実話、脳科学、遺伝子、進化…人類の歴史を振り返る。<Amazon立ち読みで1章を公開!>

30年も前の映画になるが、『レイン・マン』のダスティン・ホフマン演じる自閉症のお兄さんは、カフェでウェイターが床に散らばした爪楊枝の数を、瞬時に246本と数え上げてしまう。自閉症で卓越した能力を持つ人を強烈に印象づけたシーンだ。

人類初の楽器から農業・産業・デジタル革命まで、発明する能力と自閉症との繋がりを、エジソンやビル・ゲイツのエピソードや参考文献を元に解説する。骨や貝を使ったフルートやネックレスなどの写真は見ごたえ十分。

なぜ人間だけが発明できるのか? 人間はif-and-thenのパターンを識別できるからだ。昔、重い石を目にしたある人が、視線をそらした先に見えた牛を、石の運搬に利用できないかとif-and-then パターンで考え始めた。「石が非常に重く(if)、それを自分の雄牛にくくりつけると(and)、巨大な石が動く(then)」という具体だ。

なお、最終章ではアメリカのIT企業が自閉症でパターン探しの達人を雇用し、プログラミングのデバッグ部門で業務の生産性が30%アップしたといった話題も出てくる。日本ではまだまだギフテッドの人たちの活躍の場がないのが実情だ。参考にされたい。

巻末の付録には脳のタイプーーシステム化が優れた人(S型)か、感情が豊かな人(E型)か――がわかる診断付き。

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