ブラウザだけで使える無料統計ソフト Reactive stat のクラウドR機能を強化し、大規模データの高速処理と安定性を実現しました

エミュイン合同会社

2025.02.03 10:01

医療・研究者向け統計解析クラウドサービスの適用範囲が大幅に拡がりました。データサイズ制限を緩和し、処理速度も大幅に改善しました。

ブラウザベースの統計解析ソフト「Reactive stat」にて、クラウドR機能を大幅に改善しました。より大規模なデータセットの解析が可能になり、データ読み込み速度も大幅に向上しました。データ処理方式を最適化することで、安定性と処理速度の両面で大きな改善を実現しています。一定規模以上の医療統計や研究データの解析において、よりストレスなく作業を進められるようになりました。

Reactive stat のクラウドR機能とは

Reactive statの核となる機能で、ブラウザ上で行った統計解析の処理をクラウド上のR環境で実行し、その結果を返す仕組みです。この機能により、以下のような利点が提供されています:

■ 特徴

 ✅ 信頼性の高い解析結果

  • 最新バージョンのRを使用した信頼性の高い統計処理
  • 各種専門的なRライブラリの活用
  • バージョン情報の明示(論文記載用)

 ✅ セキュリティへの配慮

  • 統計解析に必要な最小限のデータのみを送信
  • データ送信前の内容確認機能
  • 送信データの非保存方式

 ✅ AIによる解説機能との連携

  • R の出力結果をAIが分かりやすく解説
  • 統計手法の説明から論文での表現方法まで対応
  • 1日10回まで無料で利用可能

クラウドR機能を改良しました

クラウドR機能の処理方式を見直し、より大きなデータセットでも安定して解析できるよう改善を実施しました。

具体的には、データ転送方式をパイプ処理から一時ファイル方式に変更し、セキュリティを保ちながら大規模データの処理を可能にしました。

■ 主な改善点

 ✅ データサイズ制限の緩和

  • 従来はクラウドサーバーの内部処理の制限により、大きなデータセットでエラーが発生していました。
  • 新方式により、制限が撤廃され、より大規模なデータセットの解析が可能になりました。

 ✅ 処理速度の向上

  • ユーザーインターフェースにおいても、データの読み込み速度を大幅に改善しました。
  • より快適な解析作業が可能になりました。

 ✅ 安定性の向上

  • エラーの発生を大幅に削減し、より信頼性の高い解析環境を実現しました。

■ 期待される効果

  • 大規模な臨床研究データの円滑な解析
  • 研究作業の効率化
  • より複雑な統計解析の実現

Reactive stat とは

Reactive stat

ブラウザとデータファイルがあれば、すぐに解析できます

  • マニュアル本は要りません。
    • すべての統計手法のページには、利用に必要な解説が載っていますし、必要な情報へのリンクも用意してあります。
  • PCにソフトウェアをインストールする必要はありません。
  • 信頼性の高い R での結果が得られます。
    • ウェブアプリで結果を得たあとに、そのデータを外部の R サーバーに送信し、その実行結果を得ることができます。
    • 外部の R サーバーに送信されるデータは、セキュリティを考慮し、数値計算に必要な最小限のセットとしています。また、送信前に内容を確認できます。自動的に送信されることはありません。
    • 常に最新バージョンのRを利用できます。
  • 結果がリアルタイムに反映されるウェブアプリですので、統計解析に不慣れな場合でも試行錯誤が容易です。
    • データの内容を常に把握しながら作業が行えるように工夫してありますので、どうしたらいいかわからない、という状況に陥ることがありません。
  • 出力されるグラフはインタラクティブな高機能なものです。
  • データファイルを読み込んで利用できます。
    • CSV 形式データファイルおよびエクセルファイルに対応
    • データファイルはブラウザ内部に読み込まれるだけで外部には送信されませんので、セキュリティの問題はありません。
  • 日本語のデータファイルを扱うことができます
    • 海外製のアプリですと、カラム名が日本語だと受け付けられないなどの制約がしばしばありますが、Reactive stat にはそのような制限はありません。

https://www.emuyn.net/stats/

 

共用PCやタブレットでも

ソフトをインストールできない共用のPCや、iPad などタブレットでも実行可能です。

モバイルデバイスの場合は、 Google Drive, One Drive などのクラウドストレージからファイルを直接読み込むことができます。

読み込んだデータファイルの内容がそのままクラウドに送信されることはありませんので、個人情報を含むデータでも安心して解析できます。 共用PCの場合は、ログアウトすればすべて消去されますので安心です。

なお、R での解析やその結果を AI に解説させる機能では、クラウドに最小限のデータを送信しますが、統計解析に必要最小限のデータであり、個人情報が送信されることはなく、また、送信前にその内容を確認する手順になっていますので安心です。

スマートフォンでも

スマートフォンでも使えるように画面設計してあります!

最終的な統計解析を行うことを想定しているわけではなく、統計に不慣れなユーザーに手軽に親しんでいただくことが目的です。 専用のサンプルデータを解析手法ごとに用意していますし、 膨大な数の R のサンプルデータを簡単に検索して読み込めます。 また、できるだけ詳細に解説を付けてありますので、実際にデータを操作しながら統計を学んでいただくことが可能です。

Google Drive や One Drive のデータファイルを読み込めますので、ご自身のデータの解析して論文の原稿を書くこともできてしまいます!

スマートフォン画面

 

インタラクティブな解析で理解が深まります

 

Reactive stat の名前の由来は

データの内容を常に確認しながら設定し、設定を変更するとリアルタイムにグラフなどが変化することが名称の由来です。

常にデータ内容を視覚的に把握しつつ解析を行えます

小さなヒストグラムなどで、しつこいほどにデータ内容を視覚的に示します。

統計処理においては、常にそのデータの性質、すなわち、カテゴリー変数なのか連続変数なのか、どのような分布をしているのかなどを把握しておく必要があります。

常にデータ内容を意識しつつ作業できますので、迷うことなく素早く正しい結果に到達できます。

ROC曲線と感度・特異度の解析の例

すべての統計手法にデータと設定のサンプルを用意してあります

すべての統計手法のページには、 サンプルデータと設定の呼び出し ボタンが付いています。 これを押すと、典型的なサンプルデータと、そのデータに対する解析のための設定内容が読み込まれます。

その統計手法を初めて扱う場合でも、 どのような形式のデータが必要なのか、どのような形で結果が得られるのか、 サンプルを読み込んで実際に動かすころで理解が深まります。 そして、ご自身のデータをどう処理すればよいかがすぐに分かります。

統計解析設定画面

 

信頼できる R の解析結果を AI に解説させて容易に理解できます

Reactive stat では、ほとんどの統計解析を R言語 (統計解析を主な目的とする専門的なシステム) を利用して行うことができます。

R は数多くの専門家が参画して作り上げられたシステムで、信頼性が高く、無料で利用できる素晴らしいものですが、なかなか敷居が高いです。 出力された解析結果も、英語で書いてあってわかりにくいです。

それを劇的に使いやすくしてくれたのが EZR ですが、インストールが必要だったり、やはり統計解析の初心者には難しいという声も聞かれます。

そこで、Reactive stat では、ブラウザでの簡単な操作で、インタラクティブに R による解析が行えるようにしてみました。 さらに、その解析結果を、AI に解説してもらう機能が付いています。

AI による解説には、そこで使われている統計手法の説明から、得られた結果の解釈、さらには学会発表や論文にどのように表現すればよいかまで含まれます。

 

論文や学会発表の準備が簡単になります

医療統計でよく使う統計手法を網羅しています

特に医療分野で頻繁に使われる統計手法を広くサポートし、また、医学論文で必要なグラフの作成が簡単に行えます。 今後、リクエストがあればさらに拡充してゆく計画です。

また、心理統計の領域で使われる手法も今後拡充してゆきます。

Reactive stat 統計手法一覧

 

最新の R による解析結果が得られ、論文への記載が容易です

  • 論文発表や学会発表において、「統計解析はRで行いました」と書くことができます。
    • Rは通常、毎年2回 (4月と10月) バージョンアップされます。これらのリリースにはバグ修正などが含まれます。
    • 解析ごとに、R 本体および使用されたすべてのライブラリのバージョンを表示します。
  • 近年重要視されるようになった効果量の値の計算が多くの統計手法でサポートされています。
  • 論文にどのように書けばよいか、AI が教えてくれます。

論文や学会発表で必要なサマリー表がすぐに作成できます

ほとんどの臨床系の論文で必要とされる、症例の背景因子の表が、あっという間に作成できます。 一つ一つの因子を統計解析し、その数値をまとめて表にするのは、意外と手間のかかるのもです。 これを、本当にあっという間に作成してくれます。 ぜひお試しください。

ドラッグ&ドロップで項目を入れ替えたり、統計処理がパラメトリックとノンパラメトリックから選べたり、徹底的に使いやすさを追求しています。 使いこなしていただけると嬉しいです。

p値まで含んだ表が出力されますので、学会発表くらいなら統計処理がこの機能だけで済んでしまう場合もしばしばあります。

本当に「あっという間に」思い通りのサマリー表が作成できてしまいます!

サマリー表 (Table 1)

サマリー表の作成機能

 

多彩なチャートを簡単に作成できます

多く用いられるチャートを簡単に作成できるよう、チャート作成機能を充実させました。

8bfcd04a9fe0797f1723469792.png

チャート作成機能

 

対象ユーザー

  • 統計学には興味は無いが学会発表があるのでちゃちゃっとデータ処理を済ませたい方
  • 実際のデータを触りながら統計を学びたい初心者
  • 手持ちのデータを探索的に把握したい研究者

などなど、(統計学者以外の) あらゆる方が対象です。

統計結果のグラフは、設定の変更をリアルタイムに反映しますから、その理解が簡単です。 上の例にも示すように、ROC曲線における閾値の変化で、感度や特異度がどう変わるのか、実際にサンプルデータで試してみることで、その原理まで理解が深まります。

また、常にデータの内容を視覚的に示しつつ設定を進めてゆくという基本コンセプトですので、どうしていいかわからない迷子になってしまうことがありません。

Reactive stat により、統計嫌いが少しでも減ることを願っています。 そして、皆様の貴重な研究成果の発表のお手伝いができると嬉しいです。

 

企業担当者の連絡先を閲覧するには
会員登録を行い、ログインしてください。

種類
商品サービス

カテゴリ
システム・通信

サブカテゴリ
ゲーム・ホビー