タイトルブラウザだけで使える無料統計ソフト Reactive stat に「統計分布シミュレーター」機能を追加 ~パラメータを動的に操作しながら、確率分布の理解を直感的に深められる教育支援ツール~

エミュイン合同会社

2025.01.21 09:01

研究者から学生まで、統計学の理解をビジュアルにサポート。15種類の確率分布をインタラクティブに可視化します。

統計解析ソフト「Reactive Stat」にて、新機能「統計分布シミュレーター」をリリースしました。この機能により、正規分布やt分布、カイ二乗分布などの代表的な確率分布について、パラメータを自由に調整しながら、分布の形状変化をリアルタイムで観察できます。ブラウザ上で動作し、R言語との連携による高い信頼性と、直感的な操作性を兼ね備えた教育支援ツールとして、統計学の理解促進に貢献します。

新機能の特長

インタラクティブな学習環境

  • 連続型分布(正規分布、t分布など)と離散型分布(二項分布、ポアソン分布など)の計15種類の確率分布を実装
  • スライダーによるパラメータ調整で、分布の変化をリアルタイムに可視化
  • 数式や理論的な説明を各分布の詳細パネルで確認可能


直感的なユーザーインターフェース

  • 分布の種類を連続型・離散型でグループ化し、用途に応じて簡単に選択
  • パラメータの意味をラベルで明示し、初学者でも理解しやすい設計
  • グラフの表示範囲を自由に調整可能

統計教育における活用

  • 講義やセミナーでのデモンストレーションに最適
  • 自己学習ツールとして、理論と視覚的理解を促進
  • 研究計画時の仮説検定や検定力分析の補助ツール

実装された確率分布

【連続型分布】

  • 正規分布:データ分析の基礎となる代表的な分布
  • t分布:小標本での検定に重要
  • カイ二乗分布:分散分析や独立性の検定に使用
  • F分布:分散比の検定に不可欠
  • 一様分布:ランダムな数値生成や確率のシミュレーションに利用
  • 指数分布:待ち時間や寿命分析などの時間間隔の解析に使用
  • ガンマ分布:待ち時間や信頼性解析、降水量の分析などに適用
  • ベータ分布:割合や確率のモデリング、ベイズ統計での事前分布として活用
  • 対数正規分布:右に裾の長い分布を持つ自然現象や経済データの分析に使用
  • ワイブル分布:信頼性工学や寿命分析での故障時間の分析に適用
  • コーシー分布:厚い裾を持つ分布のモデリングや理論的な研究に使用

【離散型分布】

  • 二項分布:成功/失敗の試行を模擬
  • ポアソン分布:稀少事象の発生頻度を表現
  • 幾何分布:最初の成功までの試行回数
  • 負の二項分布:指定回数の成功までの試行回数

表示例 (正規分布)

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Reactive stat とは

Reactive stat

ブラウザとデータファイルがあれば、すぐに解析できます

  • マニュアル本は要りません。
    • すべての統計手法のページには、利用に必要な解説が載っていますし、必要な情報へのリンクも用意してあります。
  • PCにソフトウェアをインストールする必要はありません。
  • 信頼性の高い R での結果が得られます。
    • ウェブアプリで結果を得たあとに、そのデータを外部の R サーバーに送信し、その実行結果を得ることができます。
    • 外部の R サーバーに送信されるデータは、セキュリティを考慮し、数値計算に必要な最小限のセットとしています。また、送信前に内容を確認できます。自動的に送信されることはありません。
    • 常に最新バージョンのRを利用できます。
  • 結果がリアルタイムに反映されるウェブアプリですので、統計解析に不慣れな場合でも試行錯誤が容易です。
    • データの内容を常に把握しながら作業が行えるように工夫してありますので、どうしたらいいかわからない、という状況に陥ることがありません。
  • 出力されるグラフはインタラクティブな高機能なものです。
  • データファイルを読み込んで利用できます。
    • CSV 形式データファイルおよびエクセルファイルに対応
    • データファイルはブラウザ内部に読み込まれるだけで外部には送信されませんので、セキュリティの問題はありません。
  • 日本語のデータファイルを扱うことができます
    • 海外製のアプリですと、カラム名が日本語だと受け付けられないなどの制約がしばしばありますが、Reactive stat にはそのような制限はありません。

https://www.emuyn.net/stats/

 

共用PCやタブレットでも

ソフトをインストールできない共用のPCや、iPad などタブレットでも実行可能です。

モバイルデバイスの場合は、 Google Drive, One Drive などのクラウドストレージからファイルを直接読み込むことができます。

読み込んだデータファイルの内容がそのままクラウドに送信されることはありませんので、個人情報を含むデータでも安心して解析できます。 共用PCの場合は、ログアウトすればすべて消去されますので安心です。

なお、R での解析やその結果を AI に解説させる機能では、クラウドに最小限のデータを送信しますが、統計解析に必要最小限のデータであり、個人情報が送信されることはなく、また、送信前にその内容を確認する手順になっていますので安心です。

スマートフォンでも

スマートフォンでも使えるように画面設計してあります!

最終的な統計解析を行うことを想定しているわけではなく、統計に不慣れなユーザーに手軽に親しんでいただくことが目的です。 専用のサンプルデータを解析手法ごとに用意していますし、 膨大な数の R のサンプルデータを簡単に検索して読み込めます。 また、できるだけ詳細に解説を付けてありますので、実際にデータを操作しながら統計を学んでいただくことが可能です。

Google Drive や One Drive のデータファイルを読み込めますので、ご自身のデータの解析して論文の原稿を書くこともできてしまいます!

スマートフォン画面

 

インタラクティブな解析で理解が深まります

 

Reactive stat の名前の由来は

データの内容を常に確認しながら設定し、設定を変更するとリアルタイムにグラフなどが変化することが名称の由来です。

常にデータ内容を視覚的に把握しつつ解析を行えます

小さなヒストグラムなどで、しつこいほどにデータ内容を視覚的に示します。

統計処理においては、常にそのデータの性質、すなわち、カテゴリー変数なのか連続変数なのか、どのような分布をしているのかなどを把握しておく必要があります。

常にデータ内容を意識しつつ作業できますので、迷うことなく素早く正しい結果に到達できます。

ROC曲線と感度・特異度の解析の例

すべての統計手法にデータと設定のサンプルを用意してあります

すべての統計手法のページには、 サンプルデータと設定の呼び出し ボタンが付いています。 これを押すと、典型的なサンプルデータと、そのデータに対する解析のための設定内容が読み込まれます。

その統計手法を初めて扱う場合でも、 どのような形式のデータが必要なのか、どのような形で結果が得られるのか、 サンプルを読み込んで実際に動かすころで理解が深まります。 そして、ご自身のデータをどう処理すればよいかがすぐに分かります。

統計解析設定画面

 

信頼できる R の解析結果を AI に解説させて容易に理解できます

Reactive stat では、ほとんどの統計解析を R言語 (統計解析を主な目的とする専門的なシステム) を利用して行うことができます。

R は数多くの専門家が参画して作り上げられたシステムで、信頼性が高く、無料で利用できる素晴らしいものですが、なかなか敷居が高いです。 出力された解析結果も、英語で書いてあってわかりにくいです。

それを劇的に使いやすくしてくれたのが EZR ですが、インストールが必要だったり、やはり統計解析の初心者には難しいという声も聞かれます。

そこで、Reactive stat では、ブラウザでの簡単な操作で、インタラクティブに R による解析が行えるようにしてみました。 さらに、その解析結果を、AI に解説してもらう機能が付いています。

AI による解説には、そこで使われている統計手法の説明から、得られた結果の解釈、さらには学会発表や論文にどのように表現すればよいかまで含まれます。

 

論文や学会発表の準備が簡単になります

医療統計でよく使う統計手法を網羅しています

特に医療分野で頻繁に使われる統計手法を広くサポートし、また、医学論文で必要なグラフの作成が簡単に行えます。 今後、リクエストがあればさらに拡充してゆく計画です。

また、心理統計の領域で使われる手法も今後拡充してゆきます。

Reactive stat 統計手法一覧

 

最新の R による解析結果が得られ、論文への記載が容易です

  • 論文発表や学会発表において、「統計解析はRで行いました」と書くことができます。
    • Rは通常、毎年2回 (4月と10月) バージョンアップされます。これらのリリースにはバグ修正などが含まれます。
    • 解析ごとに、R 本体および使用されたすべてのライブラリのバージョンを表示します。
  • 近年重要視されるようになった効果量の値の計算が多くの統計手法でサポートされています。
  • 論文にどのように書けばよいか、AI が教えてくれます。

論文や学会発表で必要なサマリー表がすぐに作成できます

ほとんどの臨床系の論文で必要とされる、症例の背景因子の表が、あっという間に作成できます。 一つ一つの因子を統計解析し、その数値をまとめて表にするのは、意外と手間のかかるのもです。 これを、本当にあっという間に作成してくれます。 ぜひお試しください。

ドラッグ&ドロップで項目を入れ替えたり、統計処理がパラメトリックとノンパラメトリックから選べたり、徹底的に使いやすさを追求しています。 使いこなしていただけると嬉しいです。

p値まで含んだ表が出力されますので、学会発表くらいなら統計処理がこの機能だけで済んでしまう場合もしばしばあります。

本当に「あっという間に」思い通りのサマリー表が作成できてしまいます!

サマリー表 (Table 1)

サマリー表の作成機能

 

多彩なチャートを簡単に作成できます

多く用いられるチャートを簡単に作成できるよう、チャート作成機能を充実させました。

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チャート作成機能

 

対象ユーザー

  • 統計学には興味は無いが学会発表があるのでちゃちゃっとデータ処理を済ませたい方
  • 実際のデータを触りながら統計を学びたい初心者
  • 手持ちのデータを探索的に把握したい研究者

などなど、(統計学者以外の) あらゆる方が対象です。

統計結果のグラフは、設定の変更をリアルタイムに反映しますから、その理解が簡単です。 上の例にも示すように、ROC曲線における閾値の変化で、感度や特異度がどう変わるのか、実際にサンプルデータで試してみることで、その原理まで理解が深まります。

また、常にデータの内容を視覚的に示しつつ設定を進めてゆくという基本コンセプトですので、どうしていいかわからない迷子になってしまうことがありません。

Reactive stat により、統計嫌いが少しでも減ることを願っています。 そして、皆様の貴重な研究成果の発表のお手伝いができると嬉しいです。

 

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