【新刊情報】道山れいん詩集『ふたば』刊行!

有限会社 七月堂

2024.11.21 12:09

有限会社七月堂(本社:東京都世田谷区、代表:後藤聖子)は、道山れいんさんの詩集『ふたば』を2024年11月に発行いたします。

 

◆詩集『ふたば』について

”今やらないと… 時だけがすぎていってしまうんです” そう言われて参加を決めたアートプロジェクト。そして行った町は … だれかのふるさと、 かえれないふるさと、 かえろうとするふるさと。  これはみんなにとっての「ふるさと」の話。
─── 道山れいん


あるとき、道山れいんさんにとある依頼が舞い込みました。それは、福島県双葉町への関心を集めるための「メッセンジャーインレジデンス」に参加してほしいというものでした。

双葉町の未来を切り拓くをテーマに活動しているヒラクフタバによって企画されたもので、アーティストや写真家、編集者など、さまざまな立場にある人たちが実際に双葉町に3日間滞在をして、そこで感じ取ったものを作品などにして残し伝えていくという企画です。

道山さんはそれまでほとんど双葉町のことを知らず、ある意味部外者ともいえる自分が立ち入ってもよいものかと逡巡しました。それでも、と悩んでいた時にかけられた言葉で双葉町への訪問を決意します。

それが冒頭にある道山さんのことばです。

このたび刊行する詩集『ふたば』は、そのような過程で、道山さんが東京から車を走らせ辿り着いた双葉町へ何日か滞在し、そこで出会った人や風景と接してうまれた詩集です。


忘れてはイケナイ、そう紡がれる言葉は沢山見てきたけれど、ここにある言葉は軽やかにけれどずっしりと確かな重さを持って腑に落ちてくる。思い出す、ふるさとの事。思い出す、自分ではない人の事。
――帯文:吉岡里帆(俳優)

 

 

 

時だけがすぎていってしまう

時だけが…





ぼくは行ってみることにした

行ってみて手さぐりしながら

考えることにした

言葉にすることにした




小さい古い車で

走っていった




東京と

ぼくの知らないその町は

地続きであるということを確認したかったから









ヘリコプターで

溶けた炉心に水をまいている

そんな映画のような

遠い宇宙のどこかの星のような光景

そのすぐ近くにある街は

じつは東京からたったの数時間で行ける道がちゃんとつながっていて






その電力のおかげで

自分のCDデッキがきれいな音を出力できたり

冷蔵庫の氷が大量すぎるほど自動的につくられていたりした

という事実をたしかめるために

(「かなたの星」より抜粋)

 

 

 

 


◆著者プロフィール

道山れいん Michiyama Rain

東京大学文学部国文学科卒。詩人。
2019年 フィンランド・ラハティ詩祭映像詩部門で日本人初の優秀賞。 2022年 朗読詩の大会「Kotoba Slam Japan」全国優勝。
2023年 国際ポエトリースラム大会・パリPSW(20ヵ国)とリオWPSC(40ヵ国)に日本代表として出場、リオデジャネイロでは日本人初の準決勝進出。
2024 年 台北市での国際ポエトリースラム準優勝。
詩集「水あそび」「水の記憶」「しあわせでいいじゃない」
Instagram:@michiyamarain
X:@michiyama

 

◆『ふたば』商品情報

著者 道山れいん
帯文 吉岡里帆
装幀・組版 川島雄太郎 
発行所 七月堂
発行日 11月30日
発売 12月1日(文学フリマ東京39にて初売り)
117mm×188mm・並製・小口折り・帯付
216ページ

 

◆参考情報

【会社概要】
会社名:有限会社七月堂
代表者:後藤聖子
事業内容:出版、企画、制作、販売、印刷
設立:1981年7月
HP:https://www.shichigatsudo.co.jp/
所在地:〒154-0021 東京都世田谷区豪徳寺1-2-7 三枝マンション1F

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