第四回ステキブンゲイ大賞、審査員特別賞に『AとBとCとD』が決定! 2作品にSTORYTOON特別賞も!

ステキコンテンツ合同会社

2024.09.30 03:00

ステキコンテンツ合同会社(代表:中村航、本社:東京都中央区)は、当社が運営する小説投稿サイト「ステキブンゲイ」で募集しておりました、第四回ステキブンゲイ大賞の最終結果を、2024年9月30日に発表いたしました。

ステキブンゲイ大賞は、小説投稿サイト「ステキブンゲイ」から、新たな「ブンゲイスター」を輩出するためのコンテストです。
募集期間は2023年6月23日~2024年4月30日まで。応募作品数は840作品となりました。

■最終選考までの経過はこちら
https://suteki-bungei.zendesk.com/hc/ja/articles/36693310312601

結果は下記の通りです。


大賞
該当作なし

優秀賞
該当作なし

審査員特別賞
「AとBとCとD」榎本まう

STORYTOON特別賞(コミカライズ特別賞)
※最終選考候補作も含めた全応募作から改めて選考いたしました

「うみすを持つ」クニシマ
「エルセトラ」虹乃ノラン

読者賞
※募集期間中のページビューおよびユニークユーザー数がもっとも多かった作品に贈られます

「雪がとけたら、なんになる?」村田真奈美


【審査委員長 総評・選評】

■審査委員長 中村航(小説家)

ステキブンゲイ大賞も四回目を迎え、ご応募いただいた方や、関係者の皆様には、たいへん感謝しております。過去の受賞作も少しずつですが出版されておりますので、ぜひ読んでいただきたいなと思います。

今回の選考で僕が推したのは、「AとBとCとD」(榎本まう)です。弱点も多いが魅力もあるということで、審査員の総意で、審査員特別賞に選ばせていただきました。

こちらはざっくり言えば、雪国の大学を舞台にした〝性の冒険〟を描いた小説で、お前のことを性的にだけは信頼している、というパンチラインに撃ち抜かれました。理系大学をサバイブする奇妙な行動原理を持った主人公、不気味な親子関係、性的な欠落を抱えた副主人公との対決など、魅力的なモチーフに溢れる小説で、僕は、もの凄く好き、という単純な感想しか持ちませんでした。しかしながら大賞に届かなかったのは、肝心の〝性の冒険〟が、まあそうだろうな、そういうものだよな、というところにしか辿り着いていないからではないかと思います。これだけ才気溢れる文章で読者を引きこんでいるからには、最後、度肝を抜かれるようなところにまで連れていってほしいです。それはきっと結論めいたことではなく、斬新なシーンになるんじゃないかと思います。

「夢にまで憶う」(クニシマ)は達者な小説で、文章もリズム良く、すらすらと読めました。一方、この話であればもう少し書き足したほうが伝わるだろう、とも思いました。つまりテーマに対しての文字数が足りておらず、それが物足りなさに繋がっているのではないか、ということです。作者は他にも上手い短編をいくつも書かれており、どれも楽しく読め、刺さるものもありました。作者の今後には大変期待できると感じました。

「純粋扉で夏みかん」(柿原 凛)は逆に長すぎると感じる小説でした。作者の拘りは随所に感じられ、この世界観が好きな人であれば、いつまでも浸っていられると思います。ただ世の中には例えば、野球など知らん、という人ももちろんいて、やはりこの長さは賞という場では不利です。ですが作者にとっては好きなことを好きなように書いた、という小説かもしれません。純粋扉、という言葉や概念は凄く好きです。そこに夏みかんを組み合わせているタイトルも素晴らしかったです。

またコミカライズ賞(STORYTOON特別賞)として、応募作全体のなかから、「エルセトラ」(虹乃ノラン)、「うみすを持つ」(クニシマ)の二作を選ばせていただきました。こちらもおめでとうございました。

 
【審査員選評】

 ■加藤千恵(歌人・小説家)

「夢にまで憶う」
文章が読みやすく、ラストまでスムーズに楽しむことができました。
一方では、それぞれのキャラクターが粗く思え、もう少し背景やディテールを知りたかったとも感じてしまいました。
さらに長くするか、あるいはもっと多くの人の視点で書かれたものにしてしまってもよかったかもしれません。

「純粋扉で夏みかん」
まず、そのボリュームに圧倒されました。
細かい描写も多く、たくさん書きたいことがあるのだというのが伝わってくる、エネルギッシュな作品でした。
反面、本当に書きたい部分がどこなのかが伝わりにくいとも感じました。
読みながら単調に感じてしまう箇所も多く、もう少し山場的なものがいくつか欲しかったです。

「AとBとCとD」
今選考会で、もっとも長い時間、議題にのぼった作品でした。
場所の設定や主人公の親子関係など、惹かれる描写やテーマもあったのですが、主人公の進路など、唐突かつ無理がある展開も多々みられ、入りこめませんでした。
ある程度の伏線を張っておいてほしかったと感じる部分が多かったです。


■ いぬじゅん(小説家)

最終選考に残った皆さまおめでとうございます。
どの作品もすばらしく、個性際立つ物語でした。

『AとBとCとD』榎本まう様
冒頭数ページで、惹き込まれる物語はなかなかありません。
スマホの着信音が初期設定のまま、や、「私と野島はきわどいところで噛み合っている」の文章に光るものを感じました。
野島を嫌悪しながら、目標に向かって進む展開は秀逸。
そのぶん、後半の展開が早急かつ説明不足な印象です。
なぜパイロットになろうと思ったのか、読み取ることができませんでした。
サブテーマに父親との確執がありますが、どんな形であれ読者が納得する答えが提示できればよかったと思います。
後半の展開が違っていたならば、大賞になり得た作品だと評価します。

『夢にまで憶う』 クニシマ様
ステキブンゲイに多くの作品を掲載されており、どれも個性が光っています。
今作においても留美と行宏、それぞれの主人公を描きわけておられました。
行宏と隆一の前日檀、『一千一夜に星遠く』が好きな作品だったぶん、今作だけではふたりの関係性が伝わりにくいと感じました。
行宏の出した答えに読者が共感するためにも、前作と合わせてみるのはいかがでしょうか。
極論を言えば、留美の章はなくし、ふたりだけの長編にするとか。
クニシマ様の物語は、いつも心地よい温度を感じます。今後も期待しています。

 『純粋扉で夏みかん』柿原 凛様
青春×野球。純粋な野球少年が大人への一歩を踏み出すさまが描かれています。
野球と恋と海と夏みかん。拝読しながら何度も夏を感じられる良作です。
惜しむらくは、前半部分における地の文章が多いこと。
主人公の独白は、読者からすれば日記を読まされている感覚になります。
会話のなかで心情や行動を表現すれば、より完成度が高くなるでしょう。
また、誰かに諭されて気づくシーンが多く、成長させられた感も否めません。
ラストシーンでの告白では迷うことなく言い切ってほしかった。
とはいえ、青春時代特有の迷いや虚勢、苦しさが等身大で伝わってきました。


■「第四回ステキブンゲイ大賞」特設ページ
https://suteki-bungei.zendesk.com/hc/ja/articles/19299404238361


■「第四回ステキブンゲイ大賞」結果発表

https://suteki-bungei.zendesk.com/hc/ja/articles/38129496201497


【小説投稿サイト「ステキブンゲイ」について】

 


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