未来に向けたレガシーにするために。オリンピックと正面から向き合い、真摯に考えてきたJOAのメンバーが2020東京大会を検証し総括する『2020+1 東京大会を考える』を発売。

株式会社メディア・パル

2022.03.14 14:32

発売にあたり、どんな心情、姿勢で本書の刊行を決め制作したのかを伝える、日本オリンピック・アカデミー会長望月敏夫氏による序文「刊行にあたって」を公開。

株式会社メディアパル(本社:東京都新宿区、代表取締役:磯田肇)は、日本オリンピック・アカデミー(JOA)の様々な識者の、東京2020に関する論考をまとめた『2020+1 東京大会を考える』を発売した。

発売にあたり、本文を下記サイトにて一部公開する。
これまでオリンピックと正面から向き合い、真摯に考えてきたJOAのメンバーが、どんな心情、姿勢で本書の刊行を決め制作したのかを伝える、日本オリンピック・アカデミー会長望月敏夫氏による序文「刊行にあたって」である。

メディアパルnote    https://note.com/mediapal/n/ne0c5f190e9ad

同内容を下記に掲載する。

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~刊行にあたって~

 オリンピックは生き物で時代の流れや環境に応じて変化すると言われます。確かに歴史を見ると、アマチュアリズムの放棄、女性の進出、民間資金の導入などの構造的な変化がありました。近年はオリンピック改革の一環として、開催都市決定プロセスの変更や難民選手団の創設などオリンピック憲章のなし崩し的修正も頻繁に見られます。進化論ではありませんが、いずれもオリンピックが生き延びるための変化と言えます。  
 さて東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会もこのような流れの中にあります。パンデミックや暑さへの対策のため、聖火リレーの方式変更、一部競技の札幌移転、1年延期、無観客開催、また開催懐疑論の広がりなど、近年の大会のスタンダード版から外れた措置や現象が少なからず見られました。1年延期されたために日本国内の「政治の季節」と重なった影響も無視できません。
 この大会変容をどう評価するか、人によって見方が分かれます。コロナ流行に耐えて競技日程をすべて予定通りにこなした点に着目し肯定的評価をする人もあれば、一般国民がこぞって歓迎したわけではなく、オリンピックが持つべき祝祭感も欠けていたとして辛口の評価をする人もあります。一体何を基準にしてどこを見て大会の成否を評価すれば良いのかという入り口で迷う人もいます。こうして世論は二極化、多様化していきました。
 言うまでもなく、オリンピックは国際社会と国内社会のありさまを映し出す鏡と言われるだけに、多種多様な側面を持っています。今回の東京大会のような特殊要因が重なればなおさらです。その一側面だけを見て賛同ないし批判しても全体の評価にはなりません。各国で反オリンピックの世論に直面しているバッハIOC会長は、ネガティブ面だけでなくポジティブ面も併せ見てほしいと口癖のように述べていますが、なかなか個人一人ですべての側面を検証して全体像に迫るのは容易ではありません。やはり様々な意見、特に識見の深い専門家や広い経験を有する実務者の考えを聞くことが全体の姿を理解するカギになると信じます。
   私たち日本オリンピック・アカデミー(JOA)は国際オリンピック・アカデミー(IOA)傘下の国別組織の一つとして、オリンピズムの拡大と深化を目的とする特定非営利活動法人です。日本の社会を反映する様々な職種の会員で構成されており、これまで43年にわたりそれぞれの立場でオリンピックに関与してきました。東京2020大会の準備過程や開催中も様々な形で協力しました。大会が終了した今、大会の評価を後世の歴史家に委ねるのではなく、自分たちが直接見たこと感じたこと行ったことを自分たち自身で総括して世に残し、オリンピックの発展に活かしたいとの思いで一致しました。
 本書は、東京2020大会を特徴づける多様な側面について、それぞれに精通した専門家と実務者が描いた作品を一堂に集めたものです。当然、執筆者各自の信念や体験も多様ですので、皆それぞれ視点や表現も異なる多彩な意見の発表の場となりましたが、ここに敢えてそのまま載せました。  ただ立場や意見が違っても、すべての執筆者を貫いている共通点はオリンピックの愛好者であるとともにオリンピズムの信奉者であることです。現状を憂いたり喜んだりしつつオリンピックの将来を真剣に考えその価値を社会改革にも活かしたいとの思いを共有しています。本書に掲載されている各執筆者の論考にもこのような思いが底流となっています。
 本書が東京2020大会のレガシーの一つとなって、今後のオリンピック・ムーブメントの発展に寄与する一助となれば幸いです。 


2022年2月  特定非営利活動法人 日本オリンピック・アカデミー会長 望月敏夫

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■商品情報

書名:『2020+1 東京大会を考える』
編著:日本オリンピック・アカデミー(JOA)
発売日: 2022年2月15日
定価:3,300円(本体3,000円+税10%)    
判型:四六判並製
ISBN:978-4-8021-1065-5

■会社情報

株式会社メディアパル  
〒162-8710 東京都新宿区東五軒町6番24号
TEL:03-5261-1171
FAX : 03-3235-4645
HP:https://www.mediapal.co.jp/   

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