プライスレスな子犬たち 飼い主の気持ち(2)
私たちは犬の生き方にあこがれている!?
犬の日常は、現代の人間社会のあわただしい時間軸とは違う、やさしい時間を刻んでいます。
犬がその時々を楽しんで、むじゃきに生きている純粋な姿は、自然に人の心に働きかけて、気持ちを癒してくれます。何ごとにも効率が優先される社会に生きている人間が、「ゆっくりしているな」「幸せそうだな」と感じるような生き方を、犬はしています。
人は、犬が生きている時間に寄り添って生きたいと望んでいます。
人間どうしのつきあいの中で、気をつかわずに自分らしくふるまえるような関係を築くことは、むずかしい時代だと言われます。
犬と一緒の暮らしには、打算や損得勘定やかけ引きなどと言ったものは必要ありません。
人と犬との間にあるのは、互いを思いあうという感情だけで結ばれている純粋な関係です。そして、人は自分の中から自然に湧き出す感情に従うことで、自分らしさを感じることができます。
身近な存在から「好かれている」と感じるほど、幸せなことはありません。
飼い主の多くが、「うちのコのためにどれほど尽くしているか」を楽しげに語るのは、犬が機能的な癒しや楽しさを与えてくれるからではありません。「自分が世話をしなければ、この子は生きていけない」と思うことで、自分が「かけがえのない存在」になれることを喜んでいるからです。
「気をつかわず自分らしくいられる」、「かけがえのない」関係は、人が自分の家族に求める欲求ですが、現実にはそれを満たすことができない人が増えていると言われます。そして、人への愛情を満たすことができないために悩み、充実した人生を送れない人が、犬との生活に救いを見い出していくのです。
人が、犬のやさしい時間に寄り添うことで癒され、その時々を楽しんでいるむじゃきな姿にホッとすることを何ものにもかえがたいと感じているとしたら、犬に「自由に」「伸び伸びと」「あるがままの犬らしい」生き方をさせてやりたいと思うのでしょう。
しかし、「犬を自由にあるがままに」という気持ちを優先すると、飼い主としてのマナーが守れないということになりかねません。あるいは、犬を過保護にしたために、手に負えないわがまま犬になってしまうこともあります。日本では飼い主やその家族に従順ではない犬が、欧米に比べて非常に多いと言われています。
たしなみのない犬になってしまうと、飼い主といろいろなところに出かけたり、さまざまな楽しいことを一緒に経験したりすることができなくなります。犬をしつけるということは、犬と飼い主が一緒にできることを増やすことだと考えれば良いのです。
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