なぜ今、デカフェが広まってきているのか。 その理由をさまざまな角度から探る本が、Amazonから出版されました。
何をしても止まない辛い動悸がカフェインを断ったら2日で治った! 「カフェインって何?」という著者の素朴な疑問からはじまった、 カフェインとデカフェの探求を1冊の本にまとめました。
目が覚める、頭がはっきりする、仕事のパフォーマンスが上がるなどメリットもたくさんある反面、飲み過ぎたり体質に合わなかったりすると、めまいや頭痛、吐き気、気分の落ち込みなどさまざまな中毒症状が出るカフェイン。実は、お酒などと同じように量を考えて摂るべきものなのです。 本書は、カフェインやカフェインを除去するデカフェ技術、そして、最近美味しくなってきているデカフェコーヒーを解説し、そこから見えてくるデカフェの広まりについても言及しています。
カフェイン過剰摂取による健康被害が世界的規模で起こっている。 中には死亡例も!
(2017年日本中毒学会発表:過去5年で救急搬送された患者数101人。うち3人が死亡)
カフェイン過剰摂取については各国で注意喚起がされています。問題になっているのは主にエナジードリンクですが、WHOやFDA、英国やカナダなど、摂取上限のガイドラインを出している国も少なくありませんし、中には、未成年へのカフェインを含む飲料の販売を規制している国もあります。
いっぽう日本では、厚生労働省や農林水産省のウェブサイトで、カフェインの過剰摂取について注意を促していますが、具体的な摂取量目安などの数字は出していませんし、子どもでも誰でもカフェイン飲料を買うことができる状態です。
欧米では、デカフェを取り入れる人が増えている
カフェイン過剰摂取が増えている問題を背景に、海外ではデカフェを選択する人が増えています。妊婦や授乳中の女性がカフェインを控えたほうが良いことは以前から言われていましたが、最近の傾向としては、それ以外の人々も、体調や時間帯によってカフェインを控える人が増えているようです。
そこでカフェイン入りコーヒーの代わりの選択肢として増えているのがデカフェコーヒーです。欧米では国によってはコーヒーの消費量の10%前後がデカフェというところまで伸びています。それに対し、日本ではまだまだ少なく、デカフェはコーヒーの輸入量全体の1%くらいにとどまっています。
(*2000年〜2022年の22年間で)
欧米に比べると消費量はまだ少ない日本ですが、デカフェの輸入量は2000年から2022年の22年間で約7倍に増えていますし、デカフェ事業者の方たちは販売量も増えてきている、と口を揃えて言います。
健康リテラシーの高い人たちが増えたことや、日本の場合は高齢化もデカフェ人気を後押ししているかもしれません。デカフェを選ぶ理由に、「夜眠れなくなるのを避けたい」「服用している薬との飲み合わせでカフェインを避けたい」「歳をとってからカフェインを摂ると体調が悪くなる」などの声が聞こえてきます。
欧米に続き、日本でも今後、デカフェの消費量がますます伸びることが予想されます。
確実に美味しくなってきているデカフェコーヒー
デカフェコーヒーは以前に比べて確実に美味しくなっています。デカフェを選ぶ人口が増えるに従い、「デカフェでも美味しい珈琲を飲みたい」という要望が社会的に高まっており、今までよりも高級なスペシャルティ珈琲のデカフェ豆を使う店が増えてきていることが要因のようです。
また、個人経営の小さい焙煎所が全国的に増えていますが、そういったマイクロロースターに研究熱心なところが多く、デカフェの美味しい焙煎方法や淹れ方についてのノウハウが蓄積されてきていることも関係がありそうです。
カフェイン・コントロール・ライフのすすめ
カフェインが原因とは気づかずに体調不良を抱えているひとも少なからずいると思います。そのような人はカフェインを減らしたり、控えるだけで改善するかもしれません。
健康のために1日に摂取するカフェイン量を調整する「カフェイン・コントロール」をおすすめしていますが、美味しいデカフェがあれば、1日のコーヒーのうちの何杯かをデカフェに置き換え、カフェイン量を調節しやすくなるはずです。
本書では、美味しいデカフェ豆を提供している販売者やカフェ、美味しい淹れ方も紹介しています。
カフェインが体質に合わない人はもちろん、コーヒーが大好きでたくさん飲む人にもぜひ読んでほしい1冊です。
『デカフェにする?』(225ページ)
【価格】電子書籍:780円、ペーパーバック:1980円
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