障がい者アートを教育現場へ。中学校・高等学校で初めての導入実現
障がい者の描いた作品をデジタル配信 設立98年の伝統校が挑む、教育現場での障がい者アート活用
障がいのある人達が描いたアート作品をデジタル配信するサービス ParaCanvas(パラキャンバス)が教育機関に初導入されました。ParaCanvasは障がい者の方が描いたアートが専用のデジタルキャンバス上に表示され、30秒で変化していくアート配信です。現在1500名以上(2024年5月現在)の障がい者アーティストの方が登録し、50,000点以上の作品がストックされています。その中から公平に選ばれたアートが毎月10作品配信される仕組みです。
ParaCanvasは、株式会社ウィンドベルの代表が営業先で障がい者アートと出会い、作品の素晴らしさや色使いに心を奪われたことに始まります。障がい者の描いた心に響くアートを様々な人に届けたいと決心し、2022年に一般社団法人障がい者アート協会とアライアンス契約を締結し「障がい者アート配信サービス ParaCanvas」の運営を開始しました。
ParaCanvasの利用者は月額配信料を払うことで、著作物利用料が障がい者の方へ配分されることで間接的に支援することができる仕組みとして、首都圏エリアの企業を中心に社会貢献の一環としてオフィスのロビーなどに導入が進められています。しかし、障がい者アーティスの経済単価を上げるには、より多くのParaCanvasを設置する必要があるため、オフィスだけではなく様々な場所への設置を目指し営業活動を始めています。ショッピングモール・都市銀行・調剤薬局など、当面の目標は1,000台の稼働を目指しています。
そんなParaCanvasの取り組みを、東京都杉並区にある創立98年の伝統を持つ東京立正中学・高等学校が教育現場では初となる導入を決定し注目を集めています。ParaCanvasは玄関ロビーに設置され「空気が一変した」との声が届けられました。梅沢校長は導入に至る思いを「アートを通して障がい者に関心を持ち、特別視するのではなく多様性と受け止め、障がいとは個性であると考えて共生していくことを学んでほしい。そのためには、まずは知ることが大事なのです。」と語ります。東京立正では、日本の課題を自分事とする活動も積極的に取組んでいます。北海道や沖縄県の学校と連携し同世代の若者が相互理解をする活動、福島県の事業者が抱える課題を共有して商品開発を行う活動、そして今回の障がい者理解という課題も、障がい者アートを楽しみながら社会の問題点を自分事としてSDGsやダイバーシティなどを考え、社会貢献できる人材に成長していくことが重要だと考えています。
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