「住民力」で町おこし!東京最北端の“銀座”を有する北区志茂4丁目町会の挑戦
新設する町会会館に、繁栄の願いを込めた地元在住漫画家のシャッターアート
東京都北区志茂4丁目町会(会長:田中義彦)は、志茂銀座商店街の往年の賑わいを取り戻すべく、町会会館を新しく建設する。建築資材の高騰により、当初予算を大きく上回った建設費は住民たちでカバーした。新会館のシンボルとなるシャッターアートには、住民である漫画家・猿山長七郎氏のオリジナルイラストが施され、「住民力」を結集した町おこしで地域の活性化を狙う。
志茂銀座商店街は、高度経済成長期には多くの商店が軒を連ね、たくさんの住人が行き交う賑やかな商店街だった。現在は、日本各地の商店街と同様に、シャッターを閉じた店も散見される。
この町に生まれ、現在もここに住む町会の田中会長が、2020年に会長に就任し、真っ先に取り組んだのが新町会会館の建設だった。旧会館は築60年が経過し、著しい老朽化による災害時の被害予測が問題視されていた。立地の問題もあり、移転建替えが検討されてきたものの話は頓挫し、町会が長年抱え続けてきた課題であった。
この問題に終止符を打つ決意とともに、田中会長には「この町に賑わいを取り戻すことが自分に出来る恩返し」という信念があった。
新しい町会会館の立地は、約90年以上前に「阿夫利神社」があった場所で、当時の村人たちが暮らしの安心・安全を祈った神社だという。「阿夫利神社」は昭和6年~8年に志茂4丁目に鎮座する志茂熊野神社に遷座された。
いにしえの縁に導かれ、地域の交流拠点としてこの上ない立地に移転先が決まり、田中会長は建設関連に詳しい杉森副会長と二人三脚で新会館の建設に突き進んだ。
そこに、建築資材の高騰によって想定より建設費が大きく跳ね上がるというハードルが立ちはだかった。途方にくれた田中会長だが、あきらめなかった。町会の1軒1軒を訪ね歩き、新会館建設の意義を伝え、寄付を募ったのだ。
結果、田中会長の思いに共感し、志茂4丁目町会に加入する住民からの寄付で建設費の目途をつけることができた。
賛同した町会住民の中には有名漫画家猿山長七郎氏がいた。
猿山氏は新会館のシャッターにオリジナルのイラストを提供することを申し出た。田中会長の熱意に胸を打たれたと同時に、地元在住漫画家として地域を盛り上げたいという思いからの提案だった。
こうして、新会館シャッターアートプロジェクトが動き出した。猿山氏のイラストには、
猿山氏自身が住民として感じている志茂の魅力的な象徴スポットが散りばめられ、
老若男女が住みやすい町として町人の笑顔、
志茂四丁目の旗章を模したキャラクター、
そして町全体を見守る天女が描かれている。
志茂四丁目のすぐ近くには荒川が流れ、天女は、水の守り神でもある。町を豊かにしてほしいという願いも込めて弁天様を意識して描いたという。
新会館建設の背景には、志茂四丁目、志茂銀座商店街を愛する「住民力」があった。
町会が設立されて65周年という記念すべき年に完成する新会館は12月16日に竣工する。
地元住人のシビックプライドを醸成し、町に再び賑わいを生む場となるよう、コンサートをはじめ、2024年1月から様々なイベントが行われる予定だ。
- 志茂4丁目会館概要
・建設地:東京都北区志茂4-43-2 (東京メトロ南北線「志茂駅」下車 徒歩約3分)
・構造:鉄骨造り 陸屋根2階建て
・1階概要:集会室(45㎡、防災倉庫、多機能トイレ 等
・2階概要:集会室(52㎡)、給湯室、男女別トイレ 等
※一般の方へのスペースレンタル、時間貸しも行う
- 猿山長七郎プロフィール
1971年3月30日生まれ。
2000年に集英社の漫画誌にて連載デビュー以来、
様々な雑誌で連載する傍ら、キャラクターデザインや企業広告漫画など
媒体ジャンルとらわれず時代に合わせて活動。
近年は講師として後進の育成にも注力している。
志茂四丁目に住み始めて10年以上。
都内ながら豊富な自然と、暮らしやすい長閑さと、交通的商業的利便性と、
街の魅力を日々実感している。
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