<持続可能な開発> 飼育動物たちの健康と環境にこだわった オリジナルの給餌用バケツが完成

株式会社新江ノ島水族館

2023.08.09 11:28

新江ノ島水族館(所在地:神奈川県藤沢市、館長:崎山 直夫)では、これまで動物たちの給餌用バケツとして使用してきたプラスチック製のバケツを、2023年7月15日(土)より衛生面と環境に配慮し開発したオリジナルのステンレス製バケツに変更します。ステンレス製にすることで餌料の鮮度維持の向上に繋がり、バケツの廃棄量を減らすことができます。

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海獣類の餌料鮮度維持を向上させるには「温度」と「魚から出るドリップ(魚から出てくる組織液)」の問題解決が必要でした。ステンレス製のバケツにすることで冷えやすくなり、二重構造のオリジナルバケツにすることで魚とドリップを切り離すことができるようになりました。また、これまで長年使用してきたプラスチック製のバケツは、軽量で加工しやすく優れた部分もありますが、一方で壊れやすいことが課題でした。ステンレス製になることで壊れにくく修理ができ、修理不可能な場合でも、溶かすことで材料として再利用が可能になります。それだけではなく、プラスチック製のバケツは年間約80個を廃棄していたため、大幅にごみの削減に繋げることもできます。

オリジナルのバケツを製作するにあたり、トリーター(飼育スタッフ)の要望をかなえて製作協力していただいたのが、多様なスキルを活かし、ものづくりへの情熱とこだわりを持った個性あふれる企業ユニット「タカツクラフト」です。

2022年から取り組みがスタートし、話し合い・試作を重ね、バケツの大きさや形状、パーツなどを決めていき、約1年をかけて完成しました。納品後は各トリーターが使用感に慣れるため、約2か月間ショー以外の時間に使っていました。そしてこの夏からショーの中でも、この新しいステンレス製のバケツの使用を開始することになりました。

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こだわりポイント

素材は熱伝導率が良いステンレスを選択。バケツに入っている氷が容器全体を冷やしてくれます。細菌は温度が高いと増殖しやすくなります。

部品は最小限に。万が一外れた際、動物が誤飲するのを防ぎます。

二重構造にして、内側の容器には穴を開けてドリップが落ちるように。ドリップにはタンパク質が多く含まれているので、細菌が増殖しやすい環境です。魚とドリップを切り離すことで、さらに鮮度維持の向上を目指します。

 

タカツクラフト
協同組合高津工友会が母体のものづくり集団。神奈川県川崎市高津区内を中心に、29社の町工場が各企業の技術を持ち寄り、1社では解決が難しい技術へ対応し、小規模なものづくり企業の販路の拡大を目的に新設されたプラットフォーム。

えのすいeco
新江ノ島水族館は、生物に関する生態学(エコロジー)、そして環境を考える活動(エコアクション)。  この2つの側面から独自に「えのすいeco」に取り組んでいます。
2015年9月の国連サミットで、2030年までに達成すべき国際社会共通の目標 SDGs が採択されました。私たち新江ノ島水族館が2009年より取り組んできた「えのすいeco」は、このSDGsが目指す方向性に合致しています。
今後も、「えのすい」の独自の視点をもち、みなさまと協力しながら「えのすいeco」の活動を進めてまいります。

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カテゴリ
エネルギー・環境