毎年12月~3月は心疾患死亡数が最多。今日からできる「心臓を守る生活習慣」と医師が語る「心臓手術後の運動再開ポイント」
心臓手術した人も一緒にジョギング&ウォーキングする「(一社)After Surgery Fun Run」協会が解説。
一般社団法人After Surgery Fun Run協会は、元心臓病患者と心臓外科医を中心に立ち上げた、心臓手術経験者のQOL向上や手術経験者同士の交流などを目指して活動する団体です。一般的には、心臓手術をした人はできるだけ安静に暮らした方が良いと思われがちですが、実は「適切に運動する」ことが重要であるということが医学的知見の蓄積により明らかになり、新たな常識となってきています。冬はマラソンシーズンかつ心疾患が増える時期です。そこで、そもそも心疾患を防ぐために気を付けるべきポイントと、心臓手術経験者は具体的にどういった運動をしていくことが理想か、当協会理事である医師のアドバイスをまとめました。術前よりも心身共に充実した人生を送る方々を見ている当協会から、自らの健康に向き合い、それを維持し向上させることの大切さをお伝えできたら幸いです。
■特に冬に意識したい「心疾患を防ぐ生活習慣」
(以下、監修:昭和医科大学病院 心臓血管外科 山口裕己医師)
- 寒暖差(ヒートショック)
- 満腹の食事
- 喫煙
- 労作(運動による負担)
これらは狭心症を引き起こす要因になり、複数重なることで、その確率が高まります。特に冬は同時に引き起こりやすくなるため
- ヒートショックを防ぐ=「暖かい服装で外出する」「お風呂に入る前に温めておく」など
- 「暴飲暴食」は避ける
- 禁煙を心がける
- 運動前のウォームアップ
といった心臓にやさしい日常習慣を心がけることが重要です。
■ 心臓手術後の運動再開のポイント
① まずはウォーキングから。いきなり激しい運動は禁物です。ウォーキングは安全な有酸素運動です。
② 急な温度差を避ける。暖かい室内から冷たい屋外へ一気に出ると血圧が上昇しやすく、冬のヒートショックを防ぐために防寒を徹底。
③ 違和感があれば中止を。胸痛・動悸・息切れなどは危険サイン。無理をせず医療機関へ。
■ 心臓手術後にマラソン大会出場を目指す人へ
入院中は病院から運動指導を受けることがありますが、退院後には自ら適切な運動機会を作ることが大切です。After Surgery Fun Run協会のイベント参加者には術後にフルマラソンに参加している人が数多くいらっしゃり、術前よりも健康な生活を実現している人が大勢います。
①「医師に相談しながら時間をかけて」
入院中はベッドに寝ている時間が長く、入院前より体力・筋力・持久力が低下します。適切な運動は大切ですが、激しい運動については慎重な再開が求められるため、医師に必ず相談の上、少しずつ運動する時間と強度を増やしましょう。
② 「運動習慣を継続」
退院後は、意識しないとなかなか身体を動かす機会がありません。運動の習慣づけと継続を目指しましょう。
③ 「ゆっくり&長く、が練習の基本 」
有酸素運動を長時間できることがマラソン完走に繋がります。徐々にペースを速め、インターバルトレーニングなどを加えると良いでしょう。
<After Surgery Fun Run とは>

心臓手術後の方、家族、医療従事者が無理なく自分のペースでジョギング&ウォーキングを楽しむイベント。距離や速さにとらわれず、“再び踏み出す一歩” を祝福する大会として、毎年5月に江東区豊洲で開催。心臓手術経験者が誰でもマラソンを走れるようになるわけではありませんが、イベント参加者には術後に4時間未満でフルマラソンを完走した方などが何名もいます。心臓手術のような経験をしたからこそ、慎重にケガをせず運動を楽しんだり、その姿を見た健康な方々に自分も頑張ろうと思っていただける機会をこれからも作ってまいります。
【お問合わせ先】一般社団法人After Surgery Fun Run協会
広報担当:名久井TEL:090-3539-3715
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