築31年超の戸建て過半数で雨漏り・傾きリスク
価格高騰で「築古シフト」鮮明化、3年で成約8.8%増の裏側
個人向け総合不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う“不動産の達人”株式会社さくら事務所(東京都渋谷区/社長:大西倫加)は、築31年以上の中古戸建て取引が増加している現状を受け、同区分の住宅における不具合発生率を分析し、購入時の注意点について発信しました。本件に関する取材やご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。
築古戸建て取引が3年で8.8%上昇 ― “築古シフト”が鮮明に

東日本不動産流通機構によると、築31年以上の中古戸建ての成約比率は、2022年第Ⅲ四半期の24.8%から2025年第Ⅲ四半期には33.6%へと8.8%上昇。特に2025年以降は30%を超える水準で推移しており、築古戸建てへの需要が急速に高まっていることがわかる。
→住宅価格の高騰を背景に、築年の古い物件を選択する“築古シフト”が進んでいる。
背景には、
- 新築・築浅の価格高騰による購入層の選択肢縮小
- リノベーション技術の普及による「古くても安心して住める」意識の浸透
といった構造的な変化があると考えられる。
かつては敬遠されがちだった築31年以上の戸建てが、今では「予算内で立地と自由度を両立できる現実的な選択肢」として再評価されつつある。
築31年超、深刻な『雨漏り』『傾き』は過半数で発生
さくら事務所が2024年に実施したホームインスペクション986件の分析では、築31年以上の戸建てにおいて平均して45%で何らかの不具合を抱えていることが明らかに。

- 雨漏り・染み跡(平均59.9%):屋根・外壁の防水劣化
- 建物の傾き・不同沈下(平均54.2%):地盤の沈下
- 構造材の腐食(平均33.7%):柱や梁などの木部腐朽
- 水漏れ(給排水管)(平均36.2%):配管の老朽化による漏水
- シロアリ被害(平均27.3%):構造材への食害
特に「雨漏り」「建物の傾き」は平均して過半数に不具合確認、築50年を超える物件に限ると約7割に不具合が増加。
住まいの専門家が警鐘「築古戸建て5つの注意点」
①『雨漏り』『傾き』は実に過半数で発生 ― “見えない劣化”が潜む
『雨漏り』は平均59.9%、『建物の傾き』は平均54.2%と、築31年超の過半数で確認されており、修繕費は数十万〜数百万円規模に及ぶケースも。
②売主の責任が免除される取引が主流に ― 不具合があっても買主負担に
築古物件の多くは、個人売主による契約不適合責任の免責取引。引渡し後に不具合が発覚しても、補修請求ができないケースが大半。
③建築の確認記録が残っていない物件も ― リフォームが制限されるケースも
築30年以上では、建築確認や検査済証が残っていない物件も多く、リフォーム・増改築時に追加申請や設計変更が必要になることも。
➃“リフォーム済み”の落とし穴 ― 見た目は新築、中身は築古?
買取再販物件では、表面的なリフォームのみで内部の更新が未実施なケースも。配管・断熱材・構造補修などが行われているかを確認。
⑤擁壁・地盤リスク ― “建物以外”が倒壊の引き金に
傾斜地などの擁壁は50年超で老朽化が進み、崩落の危険も。建物だけでなく、土地の周辺環境にも要注意。
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さくら事務所について https://www.sakurajimusyo.com/
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行う「不動産の達人サービス」を提供、74,000組を超える実績を持っています。
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