■家づくりの仕様、どうする？住まいのプロはこう考える■

　理想の家をつくるために、最近の家づくりでは、様々な設備や仕様の選択肢があります。その中でも、検討される方が多い仕様について、実際はどうなのでしょうか。多数の現場を見てきたホームインスペクターにアンケート調査̽を行った結果、各仕様については、意見が分かれるものもありました。　
※この調査結果は、個人の見解をまとめたものです。

＜おススメする派が半数以上の仕様と回答理由＞
1. 省エネ・断熱効果があり、維持費がかからないもの
①断熱等性能等級6以上
　「断熱の基本性能UPでメンテナンス要らず。」
②樹脂サッシ・内窓
　「暑さ・寒さは暮らしの快適さに大きく影響します。」
③ハニカムスクリーン
　「高価ではなく断熱性もあり意匠的にも美しいです。」
2 .家の性能がアップし、メンテナンスが比較的ラクなもの
①防犯フィルム
　「時間稼ぎになることから、防犯性において有効と言われています。」
②ガルバリウム外壁
　「凍害等の心配もなく耐久性に優れ、軽いため耐震性向上にも有利です。」

昨今の光熱費高騰や防犯意識の高まりを受け、新築時だからこそ導入できる建物性能を向上させる仕様や、メンテナンス要らずで、費用対効果が高い仕様を勧めるコメントが多くありました。

＜「場合によってはおススメしない」という意見もあった仕様と回答理由＞
①ディスポーザー 
　「便利だが故障の原因になるような使い方に気を付ける必要があります。」
②全館空調 
　「省エネ効果や維持費を考えると、もっとコスパの高い方法もあります。」
③1種換気などの換気システム 
　「快適性と費用を考えると熱交換の換気扇など他の選択肢もあります。」

「場合によってはお勧めしない」という回答に共通しているのは、「予算との関係や暮らし方で必要性が変わる」という意見でした。快適性と費用のバランスを考えると、長期的に見た時に、維持・管理にコストが必要な機械類については、ケースバイケースで考える必要があると言えるでしょう。

■住まいのプロ、ホームインスペクター（住宅診断士）の視点■

今回のアンケート結果をみると、将来的にどういうメンテナンスが必要か、維持・管理コストがかかるか、という視点でお客様にお勧めすべきか仕様であるかどうかを、検討するホームインスペクターが多くいることが分かりました。それは、職業柄、これまで新築住宅だけでなく、中古住宅も数多く見ているだけに、10年、20年後に住まいがどう劣化していくのかを熟知しているからでしょう。注文住宅での家づくりは、大きな買い物だけに、長期的な目線で、予算を守りながらお金をかけるところ、抑えるところのメリハリが重要です。今回のアンケート結果が、各々のライフスタイルにあった「理想の住まい」を考えるためのヒントになれば幸いです。

■■ホームインスペクション（住宅診断）とは■■

ホームインスペクション（住宅診断）とは、住宅に精通したホームインスペクター（住宅診断士）が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、不具合事象の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務のことです。さくら事務所では、建築士資格を保有するホームインスペクターが70名以上活躍しており、年間約3,800件（昨年度実績）のご依頼を頂いております。

■不動産の達人　株式会社さくら事務所■　（東京都渋谷区／代表取締役社長：大西倫加）　　　http://www.sakurajimusyo.com/　
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。１９９９年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断（ホームインスペクション）やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行なう「不動産の達人サービス」を提供、６０,０００組を超える実績を持っています。