Night Cacao by KOKODII×タイ政府グループ(HRDI)と協業発表。タイ・ナーン県で「カカオ産業のリジェネラティブ」プロジェクト始動
― 焼畑の抑制と地域循環を目指し、日本生まれのタイ産カカオ専門店ブランドが描く“地域のリジェネラティブなチョコレート” ―
クラフトチョコレートブランド Night Cacao by KOKODII(以下 Night Cacao)は、タイ政府系研究機関 Highland Research and Development Institute(HRDI)と協業し、北部ナーン県のカカオ農家を対象とした「リジェネラティブ(再生型)」農業プロジェクトを開始しました。焼畑による環境負荷を減らし、カカオを地域の新たな収益作物へと転換するこの取り組みでは、Night Cacaoが現地農家からの購入保証・品質向上支援・企業コラボ推進を担い、地域循環型のサステナブルモデル構築を目指します。

焼畑とトウモロコシが生んだ環境課題
ナーン県では長年、トウモロコシの焼畑栽培が森林破壊と大気汚染(PM2.5)を引き起こし、
地域の深刻な課題となっています。
短期収益を求めた単一作物栽培により、土壌の劣化・生物多様性の喪失・農家の所得不安定化が進行。
こうした中、HRDIは「環境負荷の少ない代替作物」としてカカオ栽培を推進。
しかし、高品質カカオを生産しても販路が確立していないという新たな壁に直面していました。
Night Cacaoが果たす役割:タイの魅力を世界へ。
まだ知られていないタイ産カカオの魅力を広める。
Night Cacao は、タイ産カカオに特化したプレミアムチョコレートブランドです。
70%ダークチョコレートをベースとした商品開発を行い、
一日の終わりに大人のくつろぎを深める一粒をお届けします。
Night Cacao のオリジナルレシピを、Bean to Bar の技術を持つパートナーと共に製造し、
素材の個性を最大限に活かした味わいを実現しています。
単にチョコレートを作るのではなく「カカオ産業としてその地域が持続可能な産業として成長できる」ことを重視した事業運営を行なっています。
自らナーン県の農家を訪問し、カカオ豆を直接購入。数量はまだ限定的ながら“買い支える”姿勢で
流通の起点をつくり、タイ産カカオの品質向上とブランド価値向上を目指しています。
プロジェクトの主な取組
● 現地訪問と課題調査
Night Cacaoチームは2025年3月・9月と2回に渡り、HRDIと共にナーン県の複数農家を訪問。
発酵・乾燥プロセ スや農法を視察し、改善点を共有しました。
● 技術支援と品質向上
HRDIの研究知見をもとにカカオの苗木の開発状況、発酵管理などをヒアリング。
Night Cacaoはチョコレート製造側からの品質フィードバックを行い、
発酵技術や豆の選別方法などを指導。
特に、カカオ豆の品質に一番影響する【発酵技術】に特化したプロジェクトをこの12月から
HRDIと共同で立ち上げプロジェクトリーダーとして発酵技術の確立を目指していきます。
● 日本での販売促進と企業コラボ
Night Cacaoはナーン産カカオ豆を自社製品に採用。
また、自然派スキンケアブランドや小売店との協業も進行中。
日本企業に対しても、リジェネラティブ・コラボレーションとしての参加提案を進めています。
HRDIとは
Highland Research and Development Institute(HRDI)は、
タイ王室が主導するRoyal Project(ロイヤルプロジェクト)の理念を継承し、
政府の支援のもとで設立された公的研究開発機関です。
焼畑抑制・森林再生・代替作物導入を通じ、地域住民の生計向上と環境保全を両立する取り組みを
全国規模で展開しています。
ナーン県ではトウモロコシからカカオへの転換を重点施策として推進中です。
https://www.hrdi.or.th/en/Home
ナーン県の地域特性
- タイ北部に位置し、森林と山岳地帯が約80%を占める
- 人口約47万人、山岳少数民族(Hmong、Mien、Khmuなど)主な生業は農業で、
焼畑によるPM2.5問題が国家的課題 - 森林・水源・文化を守りながら、収益作物の転換が求められている地域
- ナーン県の農家の平均日給は約250バーツ(約1,100円)とバンコクの最低賃金の約60%。
- 大学進学率30%(タイ全土は44%※1、日本が88.2%※2)
※1:The global economy.com「Tertiary school enrollment - Country rankings」より
※2:文部科学省「大学等進学者数に関するデータ 関係」進学率1(大学+短大+高専+専門学校)R5年版
リジェネラティブ(再生型)とは
“リジェネラティブ”とは、単なる「持続可能(サステナブル)」を超え、
失われた自然や人の営みを再び豊かに育てる考え方です。
土地・自然・経済・人の営みが循環しながら、より良い状態へと再生していく仕組みをデザインすることを意味します。
Night Cacaoはこの理念をカカオ産業に応用し「環境を守る生産」から
「地域そのものを再生する仕組み」へと進化させることを目指しています。
今後の展望
- ナーン県産のカカオを使ったチョコレート製品の展開
- 日本・タイ両国企業とのリジェネラティブコラボレーション推進
- カカオを軸とした観光産業の構築
- 売上の一部をカカオ産業の教育に還元
- 他県・他作物へのリジェネラティブモデル展開
- インバウンド×ストーリーテリングによる地域発信強化

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