八丈島で「土石流が避難所を直撃」にみる避難とハザードマップの盲点

株式会社さくら事務所

2025.10.28 13:00

被災地調査の専門家が台風22号被害の八丈島について調査・分析

不動産の達人 株式会社さくら事務所東京都渋谷区(東京都渋谷区/社⻑:大⻄倫加)が運営する防災シンクタンク『だいち災害リスク研究所』の所長で、被災地調査と宅地の災害リスクの専門家である横山芳春博士が、10月9日に八丈島に被害をもたらした令和7年台風22号から2週間後に現地調査を実施しました。  さらに、「土石流が住民が避難していた避難所を直撃した」と報道があった地点を中心に、土砂災害(特別)警戒区域となっていた範囲、また避難先となる候補施設の位置などの得られた情報を総合して、ハザードマップの盲点と、今後の豪雨災害における同様な被害を軽減するための教訓などについてコラムでまとめました。

「土石流が直撃した」避難所とは 今後の教訓

1.八丈町が「自主避難所」として開設し、土砂災害ハザードマップで土砂災害警戒区域(土石流)内にあった「八丈島の海・山・暮らし館」に住民の避難が行われ、そこに土石流が直撃したものとみられます。

2.最善策は、事前の地域外の土砂災害警戒区域外の避難でした。次善の策は、あらかじめ土砂災害時に地域の避難所として指定されていた「末吉出張所(末吉公民館)2階」への避難でしょう。この施設は土砂災害警戒区域(土石流)内ではありますが最も土石流の発生源となった谷から遠く、堅牢な2階部分にまで土砂が到達する可能性は低かったでしょう。

3.土石流が発生したのは「八丈島の海・山・暮らし館」南西側の谷とみられます。しかし、土砂災害ハザードマップではこの谷からの土石流は同館付近に到達しない想定(区域が途切れる)とされ、結果的には「想定外」と評価されるものと考えます。

今後の避難等に関する教訓

・避難の際はどんな時に、どこに避難するかについて地域の周知を進める

・地域の住民に、自宅で想定される災害は何かを知ってもらい、どんな時に
 どこに避難するかについて知ってもらい、必要な備えを進める。

・最善は土砂災害警戒区域外の水平避難。やむを得ない場合の次善の策も考慮

・ハザードマップで色が塗られた区域を基本としつつ、災害時には想定外が
 起こり得ることも想定しておく。

・土石流は影響する範囲、被害が大きいことから、リスクがある地域内に
 避難所等を置くことは可能な限り避けたい。
・住居を建設する立地は可能な限りハザードマップのリスクエリア内、特に
「土砂災害特別警戒区域(土石流)」内は避けることが望ましい

 

詳しくは、「土石流が避難所を直撃」にみるハザードマップの盲点」をご覧ください。

https://www.daichi-risk.com/column/39197/

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株式会社さくら事務所(東京都渋谷区/社⻑:大⻄倫加)は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行う「不動産の達人サービス」を提供、73,000組を超える実績を持っています。

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