PressWalker 株式会社FeelWorks 【制度改革の光と影】育休法改正の裏で、管理職が限界に

【制度改革の光と影】育休法改正の裏で、管理職が限界に

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～ “働きやすさ”だけでは、組織は持たない～

株式会社FeelWorks（本社：東京都、代表取締役社長：前川孝雄）は、新著『「働きがい改革」に本気の上司がチームを覚醒させる』（合同フォレスト刊）をもとに、2025年10月から本格施行された”改正育児・介護休業法”をきっかけに浮かび上がる、企業マネジメントの新たな課題について考察を示します。

■10月施行「柔軟な働き方」義務化の裏で起きる、現場のひずみ

2024年5月に改正された”育児・介護休業法”では、子育てや介護と仕事の両立を支援するための制度整備が企業に義務づけられました。そして2025年10月からは、3歳以上小学校就学前の子を育てる労働者に対し、テレワーク勤務や時差出勤など、柔軟な勤務制度を整えることが企業の義務となりました。

制度の目的は「誰もが働き続けられる職場づくり」ですが、その実行を担う現場の管理職は、業務調整や個別対応の負担増に直面しています。パーソル総合研究所の調査（2024年）によれば、「働き方改革の推進で業務量が増えた」と回答した管理職は6割超にのぼります。

前川は、制度自体は多様な人が働く環境整備に必要だが、“制度を運用する人”の支援が欠けていると、指摘します。管理職が個別対応と成果責任の板挟みになる構造を変えない限り、現場の疲弊は続くと警鐘を鳴らします。

■見過ごされる“働きがいの空洞化”―管理職の実態

制度対応に追われるほど、管理職が部下と向き合う時間は減少しています。その結果、部下を育て活かすマネジメントに求められる対話が希薄になり、組織全体のエンゲージメントが低下しています。前川は次のように指摘します。

「“働きやすさ”は環境の話、“働きがい”は人の話です。
働きやすさだけを整えることが、人を活かしチームが動くことにつながるわけではありません。
人が誇りを持って働ける動機づけこそが、組織づくりの本質です。」

実際、日本のワークエンゲージメント（仕事への熱意）順位は、OECD加盟国中最下位（2024年調査）です。「制度の整備」と「働きがいの喚起」のバランスをどう取るかが、日本企業の次の課題といえます。

■これからの企業に求められる「働きがい改革」

前川は、法改正対応を“ゴール”ではなく人を活かすサポート要因と捉えるべきだと強調します。制度で変えられるのは“仕組み”までであり、そこから“人の意欲”を引き出すのは、上司の部下一人ひとりへの関わり方です。経営者も管理職も、“人を活かす上司力”を磨く時代に入っています。

新著『「働きがい改革」に本気の上司がチームを覚醒させる』では、現場の管理職がすぐに実践できる「1on1の質を高める技術」や「チームを動かす対話術」を具体的に紹介しています。制度の陰で見過ごされがちな“人のマネジメント”を再構築するヒントが詰まっています。

■ 株式会社FeelWorks代表取締役前川孝雄

人を育て活かす「上司力®」提唱の第一人者。1966年兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学（現大阪公立大学）、早稲田大学ビジネススクール卒業。株式会社リクルートにて「リクナビ」「ケイコとマナブ」「就職ジャーナル」などの編集長を歴任後、2008年に(株)FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに研修事業と出版事業を営む。30年以上一貫して働く現場から求められる上司、経営のあり方を探求。企業内人材育成、ダイバーシティマネジメント、リーダーシップ、キャリア支援に詳しい。

「上司力®研修」シリーズ、「50代からの働き方研修」、「ドラマで学ぶ『社会人のビジネスマインド』新入社員研修」などで500社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、(一社)企業研究会研究協力委員サポーター、(一社)ウーマンエンパワー協会理事、特別民間法人中央労働災害防止協会委員なども兼職。

著書は『本物の「上司力」』（大和出版）、『部下を活かすマネジメント“新作法”』（労務行政）、『部下全員が活躍する上司力 5つのステップ』（FeelWorks）、『人を活かす経営の新常識』（FeelWorks）、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』（ベストセラーズ）、『ダイバーシティの教科書』（総合法令出版）、『50歳からの逆転キャリア戦略』（PHP研究所）、『50歳からの幸せな独立戦略』（PHP研究所）、『50歳からの人生が変わる痛快！「学び」戦略』（PHP研究所）など約40冊。

※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。