不動産のプロが語る「自治体マンション政策」の落とし穴
「タワマン空室税」「マンション転売規制」…効果の程はいかに
個人向け総合不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う“不動産の達人 株式会社さくら事務所”(東京都渋谷区/社⻑:大⻄倫加)は、自治体が独自にマンション関連政策を検討している昨今の状況を受け、取締役副社長COO山本直彌による自治体のマンション政策に関するオピニオンコラムを公開いたしました。本件に関する取材やご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。
自治体独自のマンション政策
現在、投機目的のマンション購入の増加やそれによる過度なマンション価格の高騰、管理不全などを懸念し、さまざまな自治体が独自のマンション政策を検討しています。検討が進められている政策や方針を固めている政策および山本直彌の見解は以下のとおりです。

■神戸市:「タワマン空室税」
⇒投機目的によるタワマンの購入の増加や管理不全を懸念し、タワマンの空室に税金を課すことを検討
空室の状態が永続的に部屋ばかりではなく、タワマンを所有する富裕層にとって多少の課税の効果は限定的。とくに神戸市はタワマンの建築規制をしていることから希少性が高く、課税が投資の抑制にはつながりにくいのでは。
■神戸市:修繕状況等届け出義務化
⇒市内の一定規模以上のマンション管理組合に対し、2021年から任意で修繕状況等の届け出を求めているが、提出は2割程度に留まる。これを義務化。
管理計画認定制度や管理適正評価制度に登録しない・登録できないマンションの管理意識も高められるためポジティブに評価。ただし、届け出の内容に応じたフォロー体制が充実してくると、より良い政策になるのでは。
■千代田区:転売規制
⇒投機目的によるマンションの購入の増加とそれによる過度な価格高騰を抑制するため、不動産協会に対し、再開発事業に伴って開発された新築マンションの5年間転売規制を要請。
空室税のような間接的な規制と比べると投機目的の購入を抑止する効果に期待できるが、再開発事業に伴って開発された新築マンションの転売を規制するだけでは、不動産価格高騰の抑止効果は限定的か。逆に局所的な需要の低減やマンション価格の下落、それらによる格差拡大に結びついてしまうおそれも。
国や自治体に求められること
●ある程度まとまったエリアで同一の施策を
⇒「23区」や「政令都市」などある程度まとまったエリアが同一の対応をしていくことが有効。
●ペナルティだけでなくインセンティブを
⇒空室の減少、管理不全の抑制には、流通の促進が効果的。売買する人にインセンティブがあってもいい。
●目指すべきは「共存共栄」
⇒不動産市場に関わるすべての人が共存共栄できるような市場環境の構築こそが、国や自治体の役割
詳細はコラムで解説!
空室税に転売規制…自治体によるマンション政策の効果と役割とは
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さくら事務所について
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行う「不動産の達人サービス」を提供、73,000組を超える実績を持っています。
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