「自動車用エンジンオイルの世界市場2025~2032」調査資料を販売開始

株式会社マーケットリサーチセンター

2025.09.16 11:50

(株)マーケットリサーチセンタ-(本社:東京都港区、グローバル調査資料販売)では、「自動車用エンジンオイルの世界市場2025-2032:製品種類別、エンドユーザー別、地域別」調査資料の販売を2025年9月16日に開始いたしました。世界の自動車用エンジンオイル市場規模(国内市場規模を含む)、動向、予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■レポート概要
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市場規模と成長見通し
レポート概要によれば、世界の自動車用エンジンオイル市場規模は2025年に433億米ドル、2032年には574億米ドルへ拡大し、同期間の年平均成長率(CAGR)は4.1%と予測されています。市場の中核は、摩擦・摩耗低減やスラッジ除去を通じてエンジン性能・寿命・排出面を支える潤滑油としての機能価値にあり、各地域での自動車生産・保有台数の増加と、エネルギー効率に優れた潤滑油への選好上昇が拡大を下支えします。自動車用潤滑油全体に占めるエンジンオイルの販売比率は80~85%とされ、うち二輪車向けは全体の約20%を構成する点が強調されています。
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市場背景と需要構造
モーターオイルとして一般に知られる自動車用エンジンオイルは、内燃過程における金属接触を制御し、可動部の摩擦・摩耗・発熱・腐食リスクを抑制します。十分な潤滑は燃焼効率と出力の安定化に寄与し、結果として燃費や排出にも波及効果をもたらします。とりわけ、走行距離・使用環境が厳しい商用用途や、快適性・静粛性・耐久性が重視される乗用車では、粘度特性と清浄分散性のバランスが製品選定の肝となります。
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成長ドライバー
需要側のけん引要因として、(1)世界的な自動車産業の成長、(2)燃費効率の高い車両の普及、(3)高級乗用車の販売増、(4)エンジン寿命延伸ニーズ、(5)低粘度オイルへのシフト、(6)自動車公害規制への適合――が挙げられています。低粘度化はポンピング損失の低減と摩擦制御を通じて燃費改善に資する一方、現実の走行温度域でも保護性能を維持できる設計(ベースオイル選択・添加剤処方)が求められ、合成系の活用拡大に直結しています。
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抑制要因
拡大を抑える要因として、原材料価格・為替の変動、エネルギー効率志向や環境法の強化による製造コスト増が指摘されています。さらに、電気自動車の普及は内燃エンジンそのものの比率を低下させ、中長期的にはエンジンオイルのボリューム需要に下押し圧力をかけると整理されています。もっとも、既存の膨大なICE保有と、ハイブリッド(含むガソリン-CNG)新型車の投入が予測期間の需要を支える見立てです。
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実績から予測へのブリッジ
2019~2024年の市場はCAGR 4.4%で拡大しました。都市化・人口動態・可処分所得の増加が自動車需要を押し上げ、性能訴求の合成エンジンオイルが新規顧客獲得に寄与したと総括されています。他方、2025~2032年はEV普及の加速を織り込み、CAGR 4.1%とわずかに減速する見通しです。パンデミック期の操業・流通停滞は2022年にV字回復したとされ、以後10年の拡大基調を底流として継続します。
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国別・地域別の焦点
東アジアでは中国の存在感が大きく、同国のエンジンオイル需要は今後7年間でCAGR 3.7%を見込みます。自動車生産・販売の増勢(ITAの生産見通し等に言及)を背景に、地域内シェアの主導を継続すると整理されています。欧州では英国が有望で、CAGR 2.9%の価値拡大が見込まれます。地域別の市場章では、北米/中南米/欧州/東アジア/南アジア・大洋州/中東・アフリカの俯瞰に加え、国別の産業基盤・販売動向に触れながら、需要の厚みと価格・規制環境の違いが示されています。
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製品・粘度・チャネル・車種セグメント
製品種類は「鉱物油」「合成油」「半合成油」を主要軸に整理され、グレード(粘度)は0W-20、0W-30、5W-20、5W-30、5W-40、10W-30、10W-40、15W-40、20W-50、その他に区分されます。販売チャネルはB2B/B2C、車両種別は乗用車/商用車/二輪車。合成油はグレード別で市場をリードし、予測期間にCAGR 5.8%で拡大する見込みです。乗用車は価値シェア約41%で最大セグメントを維持し、所得の伸長・都市化・レジャーの拡大が需要を押し上げると分析されています。
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競争環境と企業動向
市場は多数プレーヤーが地域横断で競合する分散構造ながら、グローバルリーダーはポートフォリオ拡充と研究開発を継続しています。自動車メーカーとの提携を通じた“エンジン専用”潤滑油の開発や、高効率グレードの量産化が進みます。最新動向の例として、流通網強化を狙った北米での買収(Cadence Petroleum GroupによるR.W. Davis Oil Company買収)、アラムコによるValvoline Global Productsの買収合意、海事向け潤滑油の認定取得(ExxonMobil)など、川上から川下までのバリューチェーン整備・高度化が挙げられています。
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COVID-19の影響評価
パンデミックはロックダウンや販売規制によって製造・流通の双方に制約を与え、オンライン/オフラインのチャネルにも波及しました。もっとも、各地域での経済活動再開とともに2022年に回復し、その後は生産・保守需要の常態化と個人移動の戻りが市場を押し上げるとされています。
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実務的示唆
需要家(完成車・フリート・サービス網・アフターマーケット)にとっては、①地域の規制・気候・燃料事情に適した粘度・ベースオイル・添加剤設計、②低粘度化と保護性能のトレードオフ管理、③乗用・商用・二輪の稼働実態に応じた交換サイクル設計、④B2B/B2Cのチャネル配分最適化、⑤合成油の拡大を踏まえた在庫・価格・訴求の再設計、が重要です。供給側は、OEM連携の深化や地域補給網の強靭化、価格変動・為替ボラティリティへの耐性確保、EV普及を見据えた商品ポートフォリオの再配置(ハイブリッド対応・高効率グレード強化)で、中期の収益機会を確実に取り込むことが求められます。
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レポート構成と活用価値
本レポートは、消費分析(2019~2024年)と市場展望(2025~2032年)を接続し、成長ドライバー/抑制要因、国別・地域別の要点、製品・粘度・チャネル・車種の各セグメント定義と将来機会を網羅します。市場の基調(ICEの厚い保有・合成油の伸長)と構造変化(EV普及・原材料コストの不確実性)を同時に把握できるため、製品企画、需要予測、調達・在庫戦略、価格・販路設計まで、実務判断に直結する情報基盤として活用しやすい構成になっています。
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まとめ
世界の自動車用エンジンオイル市場は、ICE保有の厚みと性能・効率志向を背景に、2032年までCAGR 4.1%で拡大する見通しです。低粘度・高効率・長寿命の要件に応える合成系の比重が高まり、乗用車を中心に需要の質的高度化が進みます。他方、原材料市況や為替、EV普及は不確実性要因であり、地域別の規制・価格・供給網を踏まえた最適解の設計が収益性の鍵となります。レポートは、こうした機会と制約を定量・定性の両面から整理し、グローバルとローカルを接続する意思決定の指針を提供しています。
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■目次
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2.    レポート概要(サマリー)
 2.1 市場規模の見通し:2025年433億USD → 2032年574億USD、CAGR 4.1%(2025–2032)
 2.2 市場定義:自動車・二輪車等の内燃エンジンで使用する潤滑油(摩擦・摩耗低減、スラッジ除去など)
 2.3 需要構造の要点:自動車生産増と高燃費志向の進展が需要を後押し
 2.4 市場構成比の概況:自動車用潤滑油に占めるエンジンオイル販売は80~85%/二輪車用はエンジンオイル市場の約20%
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3.    自動車用エンジンオイルの消費分析(2019~2024年)対 市場展望(2025~2032年)
 3.1 2019~2024年の実績:ICE車販売増を背景にCAGR 4.4%
 3.2 2025~2032年の展望:EV普及で伸びは鈍化も、既存ICE保有台数とハイブリッド投入が下支え
 3.3 新製品投入の影響:合成油のバリエーション拡大が新規需要を喚起
 3.4 都市化・所得伸長:中間層拡大に伴う自動車需要増と連動した潤滑油需要
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4.    市場成長の推進要因
 4.1 自動車産業の成長(生産台数増)
 4.2 高燃費車需要の拡大と低粘度オイル採用の進展
 4.3 高級乗用車販売の好調
 4.4 エンジン寿命延長・性能向上ニーズ(燃焼効率/摩擦低減/部品保護)
 4.5 環境規制対応とオイル性能向上(排出規制への適合)
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5.    市場抑制要因
 5.1 原材料価格の変動(価格不安定性・為替・エネルギーコスト)
 5.2 EV普及の加速による需要代替
 5.3 生産工程の複雑化に伴うコスト増
 5.4 環境法・効率基準強化への対応負荷
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6.    国別インサイト
 6.1 中国:2032年まで東アジアの主要シェアを維持、CAGR 3.7%見通し(国内生産・販売規模の大きさが需要を牽引)
 6.2 英国:欧州で高収益市場の一つ、CAGR 2.9%見通し(自動車製造国としての地位)
 6.3 参考統計の言及(例:ITAの生産推計、SMMT等の製造・登録動向のトピック)
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7.    種類別インサイト
 7.1 製品タイプ別の注目点:合成油が市場をリード、予測CAGR 5.8%
 7.2 合成油の優位性:高粘度指数・分子構造の均一性による潤滑安定性・耐熱性
 7.3 車両タイプ別の需要:乗用車が約41%を占め引き続き拡大、CAGR 4.5%
 7.4 需要ドライバー:都市化・所得増・レジャー需要(SUV人気等)
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8.    COVID-19危機の影響と回復
 8.1 パンデミック期の生産・販売チャネルへの影響(施設一時停止・規制影響)
 8.2 2022年のV字回復と先行き(今後10年間の成長見込み)
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9.    競合状況(市場の断片化と先進プレイヤーの動向)
 9.1 研究開発の継続とOEM連携(エンジン専用潤滑油の開発)
 9.2 主要トピック・取引例
  9.2.1 2025年1月:Cadence Petroleum Group が R.W. Davis Oil Company を買収(米南東部でのプレゼンス強化)
  9.2.2 2022年8月:サウジアラムコが Valvoline Global Products を買収(株式売買契約)
  9.2.3 2022年4月:ExxonMobil が MAN ES のCategory II認定を受けた船舶用シリンダーオイル Mobilgard™ 540 AC を発表
 9.3 競争の焦点:高効率グレードの拡充・地域展開の強化・サプライ網最適化
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10.    市場セグメンテーション(定義と範囲の整理)
 10.1 製品の種類
  10.1.1 鉱物油エンジンオイル
  10.1.2 合成油エンジンオイル
  10.1.3 半合成油エンジンオイル
 10.2 粘度グレード
  10.2.1 0W-20/0W-30/5W-20/5W-30/5W-40
  10.2.2 10W-30/10W-40/15W-40/20W-50/その他
 10.3 販売チャネル
  10.3.1 B2B
  10.3.2 B2C
 10.4 車両の種類
  10.4.1 乗用車
  10.4.2 商用車
  10.4.3 二輪車
 10.5 地域区分
  10.5.1 北米/中南米/ヨーロッパ
  10.5.2 東アジア/南アジア・大洋州/中東・アフリカ
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11.    需要・成長ドライバーの技術・運用論点
 11.1 低粘度化と燃費改善:摩擦低減・熱管理と燃焼効率の関係
 11.2 部品保護・寿命延長:耐摩耗・耐腐食性能の役割
 11.3 規制適合:排出ガス規制とエンジンオイル仕様の高度化
 11.4 合成油・改良添加剤の進展:高温・低温領域の性能安定性
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12.    リスクと課題
 12.1 原材料・為替・エネルギーコストのボラティリティ
 12.2 EV化の進展とエンジンオイル需要の構造変化
 12.3 生産コスト上昇と価格転嫁の制約
 12.4 法規制強化とサステナビリティ要件への適合
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13.    応用・活用領域(読者の参照ガイド)
 13.1 乗用車向け:量市場の構造とブランド戦略の照応
 13.2 商用車向け:稼働率・TCO起点のオイル選定
 13.3 二輪車向け:市場構成比・地域特性の把握
 13.4 B2B/B2Cチャネル:販売動線・ポジショニングの違い

■レポートの詳細内容・販売サイト
https://www.marketresearch.co.jp/automotive-engine-oil-market/

■その他、Persistence Market Research社調査・発行の市場調査レポート一覧
https://www.marketresearch.co.jp/persistence-market-research-reports-list/

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種類
調査レポート

カテゴリ
自動車・バイク