ベトナム最大手IT企業FPT、ダナン拠点20周年記念式典開催──「8万人の社員がAIエージェントを持ち、人とロボットが共に未来を創る」

FPTジャパンホールディングス株式会社

2025.09.22 09:00

【新AIプラットフォーム「FleziPT」発表】ソフトウェア開発を数ヶ月から数日へ──5万人のAI専門家の育成を目指す

ベトナム最大手のIT企業FPTソフトウェアの日本法人、FPTジャパンホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ド・ヴァン・カック、 以下 FPTジャパン)を傘下にもつFPTコーポレーション(以下:FPT)は2025年8月6日(水)、ベトナム中部都市ダナンにおける成長と発展の20周年を記念し、グローバル顧客カンファレンス「Danang – 20 Years of Innovation」を開催しました。

本イベントには20カ国から400名以上の経営者や業界リーダーが参加し、FPTの「AI-First」戦略と最新のAIソリューションを披露。FPTグループの創業者であり現会長のチュオン・ザー・ビンが基調講演に登壇しました。

 

◼️「AI-First」時代への挑戦

イベントの中心となったリーダーシップ会議と展示会では、「Accelerating Transformation in the AI Era(AI時代における変革の加速)」をテーマに、MicrosoftやSAP、伊藤忠商事などグローバルパートナーが登壇。35の講演・パネルを通じて、AIによる産業構造の変化と企業のレジリエンス向上について議論しました。


FPTは「AI-First企業」としての姿勢を改めて表明し、AIを開発工程に統合することで業務最適化や競争力強化を支援すると発信。新たにAIプラットフォーム「FleziPT」を発表し、スピードと品質を兼ね備えた変革をエンドツーエンドで提供していく考えを示しました。


FPTのチュオン・ザー・ビン取締役会長は、基調講演で「8万人の社員一人ひとりがAIエージェントを持ち、人とロボットが共に未来を創る」と強調。今後は、あらゆるソリューションやエンジニアリング手法にAIを組み込み、顧客企業と共に新たな価値を創造していく姿勢を改めて示しました。

FPTコーポレーション取締役会長 チュオン・ザー・ビン

◼️「FleziPT」を発表ー数ヶ月のソフトウェア開発が数日で完了可能 5万人のAI専門家の育成を目指す

本イベントでは、新たなAIプラットフォームである「FleziPT」の正式リリースを発表。FleziPTは、エンドツーエンドかつオーダーメイドのAIソリューションを提供し、卓越したスピードと品質で組織の変革を支援します。
このAIプラットフォームにより、ソフトウェア開発のあらゆる工程にAIエージェントを組み込むことができ、これまで数ヶ月を要していた作業や、アジャイル開発の4~6週間のスプリントで行われていたタスクも、数日で完了可能となります。

独自のAI駆動型SDLCや「AgentVista」「CodeVista」「TestVista」などのツール群により、生産性最大30%向上、開発期間最大60%短縮を可能にするFleziPT。さらに、NVIDIA、Microsoft、SAP、Landing AI、Milaなど世界有数のAI企業との連携も強化し、2025年末までに1,500人以上、2030年までに5万人のAI専門家の育成を目指します。

AIを活用したSDLC(FPT独自のAI駆動型ソフトウェア開発ライフサイクル:software development life cycle)は、FPTが市場やビジネスの変化に迅速に対応し続ける原動力となっており、リアルタイムのAIインサイトによる継続的な進化も支えています。

FleziPTの概念図

 

FPTコーポレーションEVP 兼 FPTソフトウェアCEOファム・ミン・トゥアン(左から2番目)がFleziPTについて説明。

 

◼️ANAシステムズ・チェルシーFCとも共創発表ーFPTが描くAIと未来の成長戦略

さらに当イベントでは、ANAシステムズとの包括的提携を発表し、航空業界の革新と運航安定性の向上に加え、日越間での技術・人材・文化交流を推進する方針を示しました。さらに、チェルシーFCとの連携深化を祝し、UEFAチャンピオンズリーグ優勝トロフィーの展示などで会場を盛り上げました。

現在、FPTはダナンのソフトウェア輸出の約70%を担い、同地域のIT産業を牽引。FPT大学をはじめとしたFPTエデュケーション、研究開発拠点、社員の生活基盤までを含む総合的なエコシステムを構築しています。

今後も政治的安定と成長するデジタル経済、未来志向の人材を強みに、世界の企業とベトナムをつなぎ、新しいAI時代を共に切り拓いていきます。

UEFAチャンピオンズリーグ優勝トロフィーを囲んで

 

◼️【FPTの導入事例紹介①】米国Liferay社:「体験とAIの融合」 AI駆動型の次世代デジタルコマース

企業向けポータルソフトウェア、クラウドプラットフォームの販売、サポートを行う米国Liferay社は、アメリカで2004年に設立。Liferay社は主に世界20拠点・従業員1,000名超。サプライヤー・社内・ロジスティックス等、複数の複雑な関係者との関係を1箇所にまとめるポータルサイトのシステム構築に強みを持ち、製造業、金融、公共、ヘルスケア、エネルギーなど幅広い業界で採用されています。

「Danang – 20 Years of Innovation」ではAPAC チャネルセールスディレクターのジェームズ・ピアトラー氏と日本ライフレイ株式会社(Liferay社の日本法人)チャネルアカウントマネージャーの荒畑 聡氏が登壇し、FPTのソリューション「ON.E」を活用した製品「Liferay DXP」について紹介いただきました。

【ON.Eについて】

FPTが2024年にローンチした「ON.E」は以下の特徴を持ちます。

  • Eコマース開発コストを約50%削減
  • 市場投入期間を約30%短縮
  • グローバル市場(シンガポール、米国、欧州、東南アジア、日本)に対応

最新版にはAIがSNSトレンドを解析し、個別のファッションコーディネートを提案するなど新機能を搭載。サウジアラビアで全国規模のB2Bマーケットプレイスをわずか2か月で構築しました。

 

【Liferay DXPについて】

  • オールインワンDXP(※DXP:「デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(Digital Experience Platform)」の略で、企業がウェブサイト、モバイルアプリ、SNS、Eコマースサイトなど、さまざまなデジタルチャネルで提供する一貫した顧客体験(CX)を管理・最適化するための統合プラットフォーム)
  • ローコード/ノーコード開発で市場投入を短縮
  • SaaS、PaaS、オンプレなど多様なデプロイ(※デプロイ:開発されたアプリケーションやソフトウェアを実際の運用環境に配置し、利用可能な状態にする作業)

写真左から1人目:Liferay,Inc. APAC チャネルセールスディレクターのジェームズ・ピアトラー氏
写真左から2人目:日本ライフレイ株式会社チャネルアカウントマネージャー 荒畑 聡氏

 

◼️【FPTの導入事例紹介②】米国Databricks社:経営戦略としてのデータとAI活用

データとAIの活用は、今や経営戦略の中核を担う重要な要素となっています。Databricks社のセミナーでは、生成AIの進化とともに、企業が直面する「知の活用」や「複雑データからの洞察獲得」といった課題に対して、FPTとDatabricksがどのように革新的なAIソリューションを提供できるかをご紹介しました。

【講演内容抜粋】
1. DatabricksによるAIトレンドと活用事例紹介
登壇者:佐藤聖規 氏(Databricks Japan フィールドエンジニアリング本部長)

  • Databricksは「レイクハウス」(※AIや機械学習などの高度な分析を効率的に行うことが可能となるデータ管理アーキテクチャ)および生成AI領域で世界的に評価されているプラットフォームを提供。
  • 単一LLMから自律型エージェントへの進化(RAG、Compound AI、マルチエージェント)を解説。
  • 多業種(製造、小売、医療、金融等)における活用事例の紹介
  • エージェント構築から運用まで支援する「Agent Bricks」等最新技術の紹介

2. FPTのAI戦略とRenesasとの成功事例
登壇者:Lan Nguyen 氏(FPT Corporation, AI Center)

  • Renesasとの協業では、DatabricksとNeo4jを用いたハイブリッドRAGシステムを構築し、技術文書検索精度を約90%に向上。
  • ナレッジアシスタント「ATHENA」の構築で、30秒の応答時間を10秒へと短縮。

3. FPTコンサルティングジャパンのDatabricksサービス紹介
登壇者:川上憲一 氏(FPT Consulting Japan シニアマネージャー)

  • Databricksを活用した各種サービスメニュー(GenAI導入、DWH移行、経営ダッシュボード構築など)を展開。
  • ビジネス課題の可視化からロードマップ策定、システム構築、運用までエンドツーエンドで支援。
  • 日本市場向けに「Ask Genieトライアルサービス」なども提供。

 

写真左:Databricks Japan フィールドエンジニアリング本部長 佐藤 聖規氏
写真中央:FPT Corporation, AI Center Lan Nguyen
写真右:FPT Consulting Japan シニアマネージャー 川上 憲一

 

日本大手企業も現地で講演ーFPTのAI開発環境に日本企業も注目、IT開発はベトナムにシフト

本カンファレンスでは、FPTの戦略的顧客やパートナー企業も一堂に会し、FPTが実現するAI変革、およびベトナムの勢いとFPTの強みを活かした革新的なワーキングモデルについて意見交換が行われました。

NECソリューションイノベータ株式会社 取締役副社長 石井昌彦氏は、「FPTとの協業は、単なるコスト戦略ではなく、社会実装と主権性のための共創戦略です。だからこそ、人間中心のAIにガバナンス、グローバル競争力、そして信頼性を提供するパートナーであるFPTを選びました」と述べました。

NECソリューションイノベータ株式会社取締役副社長 石井昌彦氏

 

ITスキルの高いFPTの人財への高い信頼と期待

FPTとコニカミノルタが2024年に設立した合弁会社・コニカミノルタFPTソリューションラボ株式会社 代表取締役社長 武井ー氏は、講演で次のように述べました。

「ベトナムは平均年齢も若くオープンマインドな人材が豊富で、なかでもFPTはスタッフの定着率も高く、自前で大学を保有しIT人材を創出しているため、組織としての厚みがあります。挑戦を楽しむ文化があるからこそ、今後一緒に新しい価値を生み出せると確信したので、FPTを選びました。」

コニカミノルタFPTソリューションラボ株式会社代表取締役社長 武井一氏

 

■FPTジャパンホールディングスについて

FPTジャパンホールディングスは、ベトナムのICTリーディングカンパニーであるFPTグループで、海外に特化し IT 事業を担うFPTソフトウェアの日本法人です。ベトナムと日本両国の文化・経済・知識の交流の懸け橋となり、先進技術を活用したサービスやソリューションを通じて日本のお客様に最大限の価値を届けることを目的に、2005年に設立されました。

現在では、RPA、ブロックチェーン、AI、クラウド、ERP、ビッグデータ分析など多様なサービスをエンドツーエンドで展開し、お客様のデジタル変革(DX)の実現を支援しています。

■FPTコーポレーションについて

FPTコーポレーションは、ベトナムに本社を置く世界トップクラスのテクノロジー/ITサービス・プロバイダーです。テクノロジー、テレコミュニケーション、教育の3つの主要な部門で事業を展開しています。

設立から30年以上の間、実用的かつ効果的な製品を世界中の人々、企業および非営利団体に提供し、世界のテクノロジーマップにおけるベトナムの地位を確立してきました。AIを活用した世界水準のソリューションを提供し、デジタルトランスフォーメーション(DX)、インテリジェントトランスフォーメーション(IX)、グリーントランスフォーメーション(GX)という3つの重要な変革に注力しています。

2024年には、売上高24億7000万USドルを達成し、従業員数は5万4000人に到達しました。

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■会社概要

会社名:FPTジャパンホールディングス株式会社(FPT Japan Holdings Co., Ltd.)
代表者:ド・ヴァン・カック(Do Van Khac)
株主:FPTソフトウェア 100%出資
資本金:23億円 (2025年6月13日 増資)
設立:2005年11月
社員数:連結4,800名(2025年8月時点)※パートナー含む
URL:https://fptsoftware.jp/

 

 

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種類
イベント

カテゴリ
システム・通信