山梨県立文学館で企画展「ベストセラー誕生!『南総里見八犬伝』の世界」を9月13日(土)より開催!

芸術の森みらいデザイン

2025.09.12 11:10

山梨県立文学館(山梨県甲府市)では、企画展「ベストセラー誕生!『南総里見八犬伝』の世界」を9月13日(土)から11月24日(月・振休)の会期で開催します。

 『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』は江戸時代の後期、19世紀の前半に、江戸の戯作者曲亭馬琴(きょくてい ばきん)が、足かけ29年の歳月をかけて完成させた全98巻106冊に及ぶ長大な作品です。室町時代の安房地方に実在した里見氏の歴史を背景に、「八犬士」をはじめとする善悪様々な人物が次々に登場し、関東一円から越後、甲斐、京にまで舞台を拡げて活躍します。刊行中から評判を呼び、錦絵や歌舞伎に取り入れられ、ダイジェスト版やパロディ本もあらわれました。明治以降、現代に至る今日までも小説や映画、コミック、ゲームなど幅広いジャンルを刺激して新たな作品を生み出しています。

 本展では、 『南総里見八犬伝』の原本展示のほか、当時ブームとなったことがわかる多種多様な関連資料約150点を一堂に展示します。「八犬伝」ファンの方はもちろんのこと、初心者の方にも分かりやすいよう、あらすじや関係地図、人物相関図をパネルで紹介するほか、未読の方でも視覚的に楽しめる資料も用意しています。時代とジャンルを超えて愛されるベストセラー「八犬伝」の魅力をご堪能ください。

 

八つの見どころ!

一、『南総里見八犬伝全106冊を一挙展示  

 八犬伝は、文章が主体の「読本(よみほん)」というジャンルの作品ですが、犬をモチーフにした表紙や物語の山場を描いた挿絵など、視覚的にも楽しむところは色々あります。

 

二、馬琴自筆の掛け軸や短冊、馬琴と並んで人気を博した山東京伝(さんとうきょうでん)資料も展示

 当時流行していた狂歌を詠んだ馬琴の短冊掛け軸、馬琴の先輩で、黄表紙作家、絵師としても人気を誇った山東京伝の直筆資料も展示します。

 

三、馬琴は大変な多作の書き手。「八犬伝」だけじゃない作品の数々

 デビューした初期の作品や、葛飾北斎が挿絵を担当した『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』、「八犬伝」と同時進行で執筆した『新編金瓶梅(しんぺんきんぺいばい)』など、旺盛な創作力をご覧ください。

 

四、絵本やパロディ本、長唄本などへ波及した「八犬伝」の広がり

 漢字や難しい言葉遣いが多い原作を、ひらがな中心に書き改めた『雪梅芳譚 犬の草紙(せつばいほうだん いぬのそうし)』『仮名読八犬伝(かなよみはっけんでん)』で八犬伝の読者層はさらに広がります。八犬伝の後日譚、女性版八犬伝の本も刊行され、馬琴の手を離れたところで「八犬伝」が広がっていった様子を紹介します。 

 

五、「八犬伝」の人物、名場面を描いた錦絵、歌舞伎の役者絵の数々

 善悪様々な登場人物、「芳流閣」など名場面を描いた錦絵を一堂に集めました。

  

 

六、芥川龍之介「戯作三昧」直筆原稿を展示

 芥川龍之介の小説「戯作三昧(げさくざんまい)」は、「八犬伝」の執筆に悩む馬琴の心中を描いています。

 

七、「新八犬伝」(NHK人形劇)の辻本ジュサブロー作の人形・伏姫

 昭和48年から2年間放送されたこの人形劇に夢中になった方は多いはず。辻村ジュサブローの人形、「伏姫」を間近でご覧いただけます。

 

八、映画や舞台などの幅広い展開を紹介、昨年映画化もされた山田風太郎の八犬伝原稿

 山田風太郎の小説『八犬伝』は、馬琴の実生活を描く「実の世界」と『八犬伝』の物語世界を描く「虚の世界」が交互にあらわれて進行します。昨年、映画が公開されたばかりの原作の原稿です。

 

関連イベント

◆ 講演会

 「長編小説家曲亭馬琴」

  講師 高橋 源一郎(小説家・文芸評論家)

  日時 10月5日(日) 13:30~15:00 

  会場 講堂(定員500名)

 南総里見八犬伝の構成と趣向」

  講師 服部 仁(同朋大学名誉教授・企画展編集委員)

       日時 10月13日(月・祝)  13:30~15:00

  会場 講堂(定員200名)

 「江戸時代 甲州の本屋と書籍文化」

  講師 鈴木 俊幸(中央大学教授・企画展編集委員・NHK大河ドラマ「べらぼう」版元考証)

  日時 10月25日(土)  13:30~15:00

  会場 講堂(定員200名)

 年間文学講座3「展示の見どころ」

  講師 高室有子(担当学芸員)

  日時  9月14日(日)  14:00~15:10

  会場 研修室(定員100名)

◆ワークショップ

 「消しゴムはんこワークショップ」

  講師 アオヤギルミ(消しゴムはんこ作家)

  日時 9月21日(日) (午前・午後2回)10:00~11:30、14:00~15:30

  会場 研修室(定員 午前・午後各回それぞれ15名(小学4年生以上))

  材料費 1人500円

 講談教室「八犬伝」の講談を鑑賞後、実演教室

  講師 三龍亭千公・三龍亭夢学(伝統話芸集団「南房総三龍亭」)

  日時  11月1日(土)  10:15~12:15

  会場 研修室(定員 20名(小学3年生以上))

  テキスト代 1人600円

 ※申し込み受付中。講談教室は9月17日(水)から受付開始。講演会はホームページか電話で、ワークショップ、講座は電話でお申し込みください。

 

◆閲覧室資料紹介

「どうぶつとぶんがく」(入場無料)

 会期 9月12日(金)~ 11月24日(月・振休)

 時間 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)

 

開催概要

展覧会名: 企画展「ベストセラー誕生!『南総里見八犬伝』の世界」

開催日時: 2025年9月13日(土)~11月24日(月・振休)

     展示室 9:00~17:00(入室は16:30まで)

     閲覧室 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)

休館日 : 月曜日(祝日・振休の場合は開館し、その翌日は休館。9月22日(月)は開館)、9月24日(水)

会場    : 山梨県立文学館(〒400-0065 山梨県甲府市貢川1-5-35)

観覧料 : 一般600(480)円、大学生400(320)円 

     ※大学生は学生証を提示

     ※( )内は20名以上の団体料金、県内宿泊者割引料金

     次の方は無料

      ・高校生以下の児童・生徒(高校生は学生証を提示)

      ・県内在住65歳以上(年齢が分かるものを提示)

      ・障害者手帳持参者とその介護者

      ・11月20日(木)の県民の日はどなたでも無料

主催  : 山梨県立文学館

後援  : 山梨日日新聞社・山梨放送 テレビ山梨 NHK甲府放送局 テレビ朝日甲府支局 朝日新聞甲府総局 毎日新聞甲府支局 読売新聞甲府支局 産経新聞甲府支局  共同通信社甲府支局 時事通信社甲府支局 山梨新報社 エフエム富士 エフエム甲府  日本ネットワークサービス 

協力     : 山梨交通

公式ホームページ:https://www.bungakukan.pref.yamanashi.jp/

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種類
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