「この子たちの瞳に、もう怖さを見たくない」
田部久雄院長が辿り着いた、動物医療の真実
診察台の上で震える小さな体。 恐怖で見開かれた瞳。 飼い主の腕の中で身を縮める愛しい家族。 「この光景を見るたびに、胸が締め付けられるんです」 東京都世田谷区・駒沢どうぶつ病院の田部久雄院長が静かに語る言葉には、長年にわたって動物たちと向き合い続けてきた獣医師の、深い愛情と責任感が込められています。
■ 「治してあげたい」から「幸せにしてあげたい」へ
若き日の田部院長は、多くの獣医師と同じように「病気を治すこと」に情熱を注いでいました。 しかし、年月を重ねるうちに気づいたのです。
「治すことばかりに夢中で、この子たちがどれほど怖い思いをしているか、見えていなかった」
ある日のこと。 いつも元気な柴犬が、病院の前で立ち止まって震え始めました。 その瞬間、田部院長の心に稲妻が走りました。
この子は、ここを怖い場所だと思っている――
「医療は、愛情の表現であるべきなのに、なぜ恐怖を与えてしまうのか。これは間違っている」
その日から、田部院長の動物医療に対する根本的な考え方が変わりました。
■ 動物の心に寄り添う医療革命
「この子たちにも、『ここは安心できる場所だ』と感じてもらいたい」
田部院長が目指したのは、動物たちが本能的に感じる「安全な場所」の創造でした。
音、光、匂い、温度 -五感すべてに配慮した空間づくり。
スタッフ一人ひとりの動作、話し方、表情まで。
すべては「この子たちの心を安らかにするため」。
そして今、病院の前を通ると自ら中に入ろうとする動物たちがいます。
「その姿を見た時、涙が出そうになりました。ああ、やっと本当の医療ができている、と」
■ 「その子の命の炎を、もっと明るく燃やしたい」
田部院長が免疫療法に情熱を注ぐ理由。 それは単なる医学的興味ではありません。
「薬で症状を抑えるだけでは、その子の本当の輝きを取り戻せない。その子が持っている生命力そのものを高めてあげたいんです」
オゾン療法、高濃度酸素治療 - 最先端の技術の向こうに、田部院長が見つめているのは「その子らしく生きる」ことの尊さです。
「この子が本来持っている力を信じてあげること。それが私たちにできる最高の愛情だと思うんです」
■ 小さな命への、等しい愛情
ハムスター、ウサギ、- 「小さいから」「安いから」という理由で、手を抜かれがちな小動物たち。
しかし田部院長の診察室では、どんな小さな患者も、大型犬と全く同じ真剣さで迎えられます。
「命に大きいも小さいもありません。飼い主さんにとっては、かけがえのない家族なんですから」
その言葉の背景には、初めて飼ったハムスターとの別れ - 田部院長自身の心に刻まれた、動物への深い愛情があります。
■ 「病気になってから」ではなく「ずっと元気でいるために」
「本当は、この子たちが病気になることなんて、見たくないんです」
田部院長の予防医学への取り組みは、技術的な興味ではありません。
愛する患者たちに、苦しい思いをさせたくない -ただそれだけの、純粋な願いから生まれています。
定期健診で「今日も元気だね」と言える喜び。 飼い主さんと一緒に「この子の健康」を守り続ける充実感。
「治療よりも予防の方が、実はずっと幸せなんです。みんなが笑顔でいられますから」
■ 受け継がれる想い
若いスタッフたちに、田部院長が最も伝えたいこと。
それは技術でも知識でもありません。
「この子たちを、心から愛してほしい。それだけです」
愛があれば、自然と優しい手つきになる。
愛があれば、その子の小さな変化に気づける。 愛があれば、飼い主さんの不安も理解できる。
「技術は後からついてきます。でも、愛情だけは教えられない。それぞれの心の中に育てるものですから」
■ 夢は続く
長年の歳月を動物医療に捧げた田部院長。
しかし、その瞳は今も少年のように輝いています。
「まだまだやりたいことがたくさんあるんです」
動物たちがもっと幸せに暮らせる社会。 飼い主さんがもっと安心できる環境。
そして、動物と人間がより深く理解し合える未来。
「この子たちから教わったことを、今度は社会に返していきたい。それが私の使命だと思っています」
静かな診察室で、田部院長は今日もまた、小さな患者の頭を優しく撫でています。
その手のひらには、長年変わることのない愛情が込められています。
そして動物たちも知っているのです。
ここが、自分たちを心から愛してくれる人がいる場所だということを。
駒沢どうぶつ病院HP
HP:https://www.komazawa-ah.jp/
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