日本のモバイルキャリアアプリDL数・MAUトップはソフトバンク、注力する広告チャネルは各社で大きな違い

Sensor Tower

2025.09.22 06:52

モバイル端末に不可欠なキャリア(モバイル回線)ですが、現在ではさまざまな種類があり、各社モバイルアプリを用意して利便性を高めています。本稿では、こうしたアプリのダウンロード数、MAUに加えて、チャネル別広告インプレッションから各社の戦略をデータで見ていきます。

1,000万DL超えのソフトバンクは大きな支持、サブブランドの人気も確認できるランキング

モバイル端末の普及に合わせて、キャリアサービスの種類も多彩になってきています。いわゆる大手キャリアと呼ばれるdocomo、au、SoftBankでは、サブブランドともいえる低価格帯のサービスも投入しており、時代の流れに合わせて物理SIMだけでなくeSIMにも対応しています。

Sensor Towerのデータによると、2022年8月から2025年7月の日本におけるモバイルキャリアアプリ(App IQ:Telecom)のダウンロード数では、『My SoftBank』(SoftBank)が1,000万以上を記録してトップとなっています。

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続く2位は『My UQ mobile』(KDDI)で、900万ダウンロード以上となっています。UQ mobileは、auのサブブランドに当たるサービスです。このランキング内では、『ahamo』(NTTドコモ)もdocomoのサブブランドで、どちらも主に料金重視のユーザー向けに人気のキャリアサービスです。

ダウンロード数成長量では、これらのサブブランドが支持を得ていることがわかります。Sensor Towerのデータによると、2022年8月から2025年7月の日本におけるモバイルキャリアアプリのダウンロード数成長量では、上位4つがサブブランドのアプリです。

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povo2.0』(KDDI)は基本料0円のサービスでサブ回線のニーズをキャッチしており、必要なときに必要な容量だけをトッピングで購入できるようになっています。2025年7月23日からは同アプリ内でChatGPTやPerplexityのAIモデルを無料で利用できる「povo AI」のサービスも開始しました。また、『irumo』(NTTドコモ)は『ahamo』と同じくdocomoのサブブランドで、ahamoよりもより小容量のプランが用意されています(現在は新規・プラン変更の受付は終了しています)。

5位の『トリファ』(ERAKE)は、海外出張・旅行者向けのeSIM専用のサービスで、アプリから利用する国とサービスを選ぶだけで開通するユニークなサービスです。eSIM専用サービスなので、SIMの受取や書類での手続きは不要で、アプリ上ですべての設定が可能となっている点が海外旅行者に支持されているのだと推察できます。

MAUの点ではどうでしょうか。Sensor Towerのデータによると、2022年8月から2025年7月の日本で人気のモバイルキャリアアプリのMAUでは、ダウンロード数と同じく『My SoftBank』がトップなっています。

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同アプリは、SoftBankのサブブランドであるワイモバイルとの共用アプリとなっている上、料金プランやサービスの照会・変更に加えて、キャッシュレス決済サービスのPayPayの残高照会や利用も可能となっているため、利用する機会が多いのだと思われます。

また、同期間におけるMAU成長量でも『My SoftBank』がトップとなっています。

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2位の『my 楽天モバイル』(Rakuten)は、データ無制限プラン(20GB超過後)と専用アプリ『Rakuten Link』(Rakuten)の利用で国内通話無料を武器にシェア拡大を進めているキャリアで、無料で2GBまでの海外利用も可能です。日本において大きな楽天経済圏のユーザーからの支持が厚いのだと思われます。また、3位から5位まではすべてサブブランドのキャリアサービスで、料金重視のユーザーが着実に増えていることがわかります。 

メインユーザーは25歳~44歳、各社のサービス特性に合わせた広告チャネルに注力

日本で人気のキャリアアプリのユーザー層を見ると、各社で違いが見られます。Sensor Towerのデータによると、2025年第2四半期の日本におけるApp Storeでの年齢層では、いずれも25歳から44歳の層がメインとなっており、最もシェアの多い『povo2.0』では60%以上になっています。

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各社はユーザー獲得のために広告展開をしています。しかし、注力している広告チャネルは各社で違いが見られます。Pathmaticsのデータによると、2023年10月から2025年7月までの日本で人気のモバイルキャリアアプリのチャネル別広告インプレッションシェアでは、楽天モバイルが最もバランスよくインプレッションシェアがあることがわかります。 

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一方、SoftBankはLINEで50%以上、YouTubeで約35%となっており、この2つのチャネルに集中しています。また、UQ mobileはInstagramで約60%、povoはYouTubeで約60%、トリファはYouTubeとモバイルアプリで95%以上のインプレッションシェアとなっており、各社のサービス特性に合わせた広告チャネルを選択して注力していることがデータからわかります。

Sensor TowerのApp Performance Insightsのユーザーは、過去のパフォーマンス指標に加えて、アプリ収益とアプリダウンロード数の推定値を見ることができます。本レポートのSensor Towerの収益予測はApp StoreおよびGoogle Playからのもので、ユーザー総消費額を表しています。

また、データにはサードパーティのAndroidマーケットデータは含まれておらず、App StoreもしくはGoogle Playアカウントの初回ダウンロードのみ集計しています。同じアカウントが他のデバイス、もしくは同じデバイスで行った重複ダウンロードは集計に含まれていません。ダウンロードデータは同じアプリの異なるバージョンもまとめて集計しています(例:FacebookとFacebook Lite)。なお、Google Playは中国本土では利用できません。

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Sensor Towerの紹介

2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、P&G、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業から信頼されている、データや分析環境を提供する企業です。モバイル市場のトレンド把握に役立つApp Performance Insights、広告戦略の最適化に活用いただけるApp Advertising Insightsなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

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