ニッセンケン開発の獣毛鑑別試験がJIS規格に採用 -獣毛偽装防止に向けて、製品の信頼性向上へ-

一般財団法人 ニッセンケン品質評価センター

2025.07.02 14:00

一般財団法人ニッセンケン品質評価センター(以下 ニッセンケン、理事長:安藤 健)が開発した獣毛鑑別の特許技術が、「JIS L 1030-5」として制定され、2025年6月20日に施行されました。本試験により、カシミヤとモヘヤの違いをはじめ、従来の光学顕微鏡においては困難であったシルバーフォックスとブルーフォックス、ラクーン(アライグマ)とタヌキなどの獣毛素材において、高精度での鑑別が可能となります。

■詳細はこちら(公式WEBサイト) https://nissenken.or.jp/news/20250702jis_l_1030-5_animalhair_test/

サステナブル時代に求められる「素材信頼性」- 電気泳動法による鑑別技術

獣毛繊維製品や毛皮製品において、素材の正確な表示は、ものづくりやブランドの信頼性に直結します。特に高級素材では、素材の違いが品質・価格に大きく影響するため、正確な鑑別が欠かせません。しかし従来の光学顕微鏡による方法は、技術者個人の技量に左右されるという課題を抱えており、客観的かつ再現性のある分析法が求められていました。

この課題を解決すべくニッセンケンは、獣毛に含まれる各動物固有のたんぱく質から、動物種を鑑別する「電気泳動法による獣毛繊維の鑑別技術」を開発しました。このたび本特許技術※がJIS規格として採用され、繊維業界の標準的なルールとして位置づけられることとなりました。

※特許第6356117号:獣毛鑑別方法(2018年取得)、特許第6535398号:獣毛繊維の鑑別方法(2019年取得)、特許第6541669号:タンパク質繊維の鑑別方法(2019年取得)。

 

JIS L 1030-5概要

■適用範囲

単一の動物種で構成された未知の獣毛繊維の鑑別

■試験工程

1. 獣毛繊維からタンパク質を抽出

2. 電気泳動で分離→現れるバンド(帯状の模様)を画像として可視化

3. バンドのパターンを専用ソフトで解析→各獣毛の「予測信頼度」を算出

■鑑別基準

予測信頼度が0.5以上の動物種を同定対象とする

■鑑別可能種

カシミヤ、モヘヤ、ウール、ヤク、きつね(ブルーフォックスなど)、たぬき(チャイニーズラクーンなど)、アルパカ、アンゴラなど

※パターンが類似し、鑑別が困難な動物種の組み合わせも有り(アルパカとリャマ、セーブルとマーテン、コヨーテとオオカミ、カシミヤとカシゴラなど)

 

活用例

高級衣料品の素材表示確認(例:カシミヤ100%)

古着・リサイクル衣料の素材特定

商品開発前の素材確認 など

 

本試験に関するお問い合わせ先 

最寄りの各事業拠点にお気軽にお問い合わせください。

https://nissenken.or.jp/contact/

 

一般財団法人ニッセンケン品質評価センターとは

ニッセンケンは、1948年の設立以来、繊維製品を中心とした「試験・検査」を通じて、製品の安全性や機能性を評価し、日本と世界のものづくりを支えてきました。現在では、世界最先端の安全基準「エコテックス®認証」において、アジア地域で唯一の認証機関でもあります。

繊維関連の各種試験に加え、抗ウイルス性能の評価、香粧品検査、海外市場への進出支援、さらには品質やサステナビリティを軸にしたブランディング支援まで、幅広い領域に対応。「品質課題のソリューションパートナー」として、企業や製品の新たな価値創出を支援しています。

設立日:1948年12月6日
本社所在地:〒111-0051東京都台東区蔵前2-16-11
代表者:理事長 安藤 健
ウェブサイト:https://nissenken.or.jp/
事業内容:繊維製品、それに類する製品及び健康と安全性に係わる製品の試験、分析、解析
     エコテックス®国際共同体加盟機関
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