■ 地域別に異なる借入先の傾向とは？

教育ローンの借入先については、地域によって大きな違いが見られました。たとえば、関東地方では「三菱UFJ銀行」が22.6％と最多で、都市部では大手メガバンクが選ばれる傾向があります。

一方で、北海道・東北地方や北陸地方、九州・沖縄地方などでは「日本政策金融公庫（国の教育ローン）」が上位にランクインしており、地方では政府系金融機関の利用が目立ちます。

都市部は利便性やブランド力からメガバンクが選ばれやすい一方、地方では金利の低さや安心感から政策系金融機関が支持されているようです。

■ 教育ローンの平均借入額は？最多は「100〜200万円未満」

教育ローンの借入額で最も多かったのは「100〜200万円未満」で、全体の23.8％を占めました。次いで「100万円未満（20.0％）」、「200〜300万円未満（18.1％）」と続きます。多くの家庭が必要最低限の資金を確保する目的で借入を行っていることがうかがえます。

金額の違いは、進学先や地域の物価、家計状況によっても変動するため、各家庭にとって適切な借入額を見極めることが重要です。

■ 返済期間は「9〜10年」が最多　中長期の計画が主流に

返済期間については、「9〜10年」と答えた人が27.0％と最多でした。「3〜5年（22.6％）」「6〜8年（17.2％）」と合わせて、中長期にわたる返済計画を立てている家庭が多いことがわかります。

教育ローンは奨学金とは異なり、保護者が契約者となるケースが多いため、返済中も生活費とのバランスを取りながら無理のない計画を立てることが求められます。

■ 審査は「通りやすい」と感じた人が7割超

教育ローンの審査について、「とても易しい（19.7％）」「やや易しい（51.5％）」と答えた人は合計71.2％に上りました。ある程度の収入や勤務年数があれば、比較的スムーズに審査を通過できたという実感を持つ人が多いようです。

住宅ローンや事業融資と比較して、教育ローンの審査はハードルが低いという印象を持たれていますが、安定収入や勤続年数などの基本的な条件はやはり重要といえます。

■ 利用者の8割が「返済は負担」と回答

一方で、教育ローンの返済について「かなり負担（28.1％）」「やや負担（53.8％）」と答えた人は81.9％にのぼりました。借入金額が多くなるにつれて返済年数も延び、精神的・経済的なプレッシャーを感じている家庭も少なくありません。

返済に伴うストレスや、家計全体への影響を抑えるためには、無理のない借入と適切な支出管理がカギとなります。

■ 教育ローンのメリット、「進学支援」が最多

教育ローンを利用して「よかったこと」では、「子どもの進学を支援できた（28.6％）」が最も多く、目的にかなった使われ方をしていることがわかります。「柔軟な返済プランが利用できた（19.0％）」「すぐに資金を確保できた（14.3％）」など、利便性の高さも評価されました。

金融機関の中には繰り上げ返済などの柔軟な制度を設けているところもあり、使いやすさという点で高く評価されているようです。

■ 教育ローンは奨学金より優れている？

最後に、教育ローンと奨学金を比較した際の評価では、「とてもそう思う（21.8％）」「ややそう思う（54.1％）」と、75.9％が教育ローンの方が優れていると感じていました。

主な理由としては、保護者が借入を行うことで子どもに直接負担をかけずに済む点や、審査が通りやすく柔軟な条件設定が可能な点が挙げられます。

奨学金に比べて自由度の高い資金計画が立てられることが、教育ローンの魅力といえるでしょう。

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