かりゆしDXが描く未来:全国初、Jtas×NEHOPS連携でチムグクルと幸福を届ける客室清掃改革
かりゆしに関わるすべての人にチムグクルと幸福を提供する
DX推進が支えるかりゆしグループの挑戦とは?
1.DX推進が支えるかりゆしグループの挑戦
株式会社かりゆし(代表取締役社長 玉城智司)は、DX推進ビジョン「かりゆしに関わるすべての人にチムグクル(※1)と幸福を提供する」を胸に、ホテル運営における新たな価値創造を目指しています。その取り組みの一環として、清掃管理システム「Jtas」(株式会社Edeyans)とホテル基幹システム「NEHOPS」(日本電気株式会社)の双方向API連携システムを『沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ』及び『OKINAWA KARIYUSHI RESORT EXES ONNA』へ導入しました。このプロジェクトは、客室清掃の効率化と品質向上を通じて、スタッフの働きやすさを高めるとともに、お客様へのサービス向上を目指したものです。
※1:チムグクルとは、沖縄の方言で「心に宿る思い、真心」という意味です
2施設合わせて600室を超える老舗大規模リゾートホテルのDX推進とは?
DX推進グループの役割:ITヘルプデスクから経営戦略部門へ
2023年に設立されたDX推進グループは、当初「ITヘルプデスク窓口」として認識され、多くの社員にとっては「自分たちとは関係ない部署」という印象が強かったのです。しかし、2024年にはITエンジニアとしての実績と企業経営の経験を持つ推進マネージャーを起用し、経営戦略の一環としてDXを推進する体制を整えました。
「ITはあくまで手段であり、DXは経営変革そのものです。この文脈でプロジェクトを立案し、現場の課題解決と経営目標を同時に達成することを目指しました。」
(株式会社かりゆし 経営企画室 DX推進グループ 上地 杏奈)
内製化されたDX推進グループは、経営理念と企業文化を深く理解しながら、現場の「心」や「魂」を伝える架け橋としての役割を果たしました。
心理的安全性を軸にした改革
DX推進グループはまず、社員一人ひとりに直接話を聞くことから始めました。日常的な雑談やランチミーティングを通じて、現場の課題やニーズを把握し、それらを解決する手段としてDXを提案しました。一方で、経営層にも「DXが単なるIT管理ではなく、企業文化そのものを変える取り組みである」ことを一貫して伝えました。特に、DX推進の成果が数値として見える形で示されることの重要性を強調し、プロジェクトを後押しする体制を整えました。だた現場が楽になっただけでなく、具体的に利益にコミットする必要がありました。そのために、まずは『小さな成功体験』を積み重ねることを目標にしました。
2.なぜ客室清掃からDXを始めたのか
客室清掃はホテルの「チムグクル」
かりゆしグループがDXの第一歩として客室清掃に着目した理由は明確です。客室清掃はホテル経営における「チムグクル」であり、顧客体験に直結する重要な業務だからです。
「お客様が部屋に入った瞬間に感じる清潔さや快適さは、ホテルの評価を大きく左右します。客室清掃の品質を安定させることは、リピーターを増やすためにも不可欠です。」
(株式会社かりゆし 経営企画室 DX推進グループ 上地 杏奈)
「客室清掃から始めるDX」の意義
かりゆしグループが客室清掃をDXの第一歩とした背景には、以下のような意義がありました。
- 顧客体験の向上
清掃品質の向上が、ホテル全体の評価向上に直結します。 - スタッフのエンゲージメント向上
清掃スタッフが誇りを持って働ける環境を作ることで、業務効率だけでなく満足度も向上させます。 - 経営層へのDX効果の可視化
労働集約型の清掃業務は効率化の効果が数値として見えやすく、経営層にDXの価値を実感してもらうことができます。 - ベンダー依存からの脱却と成功体験の蓄積
全国初のJtasとNEHOPSの連携という挑戦を、自分たちの力で成功に導いた経験は、今後のDXプロジェクトにも活かされます。
「自分たちで課題を解決し、結果を出せたという成功体験が、次のDXの原動力になります。」
3.全国初、Jtas×NEHOPS連携の挑戦
全国初の事例としての挑戦
今回のJtasとNEHOPSの連携は、全国初の事例として多くの技術的課題を伴いました。開発環境と現場実装のギャップにより、予期せぬ不具合が発生しましたが、DX推進グループが間に立つことで、現場とベンダー間の心理的安全性が確保されました。
「全国初の連携というプレッシャーの中、問題が発生するたびにDX推進グループが不安をケアし、現場スタッフも含めて全員で解決に向けて取り組む環境を作ってくれました。」
(Jtas導入ベンダー/株式会社Edeyans)
現場スタッフの声と具体的な変化
クリーナーさんたちが自主的にうごいてくれるように
これまでは、清掃の進捗を確認するために何度も電話をかけたり、変更の指示があるたびにやり取りを繰り返していました。でも、Jtasを使うようになってから、タブレット上で客室の状況をリアルタイムで確認できるので、電話の回数が大幅に減りました。リネン庫にあるルームインジケーターを都度確認せずとも、クリーナーさんたちが自ら考えて動けるようになったのはとても大きいです。
(OKINAWA KARIYUSHI RESORT EXES ONNA 客室管理 崎山 よりえ)
電話の減少が生んだ時間の余裕
電話対応に費やしていた時間が削減されたことで、清掃スタッフは他の重要な業務に集中できるようになりました。
例えば、掃除機のメンテナンスに時間を使えるようになりました。道具の状態を整えておけば、次の清掃もスムーズに進みます。『準備万端』の気持ちで働けるのは大きな変化です。
(沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ 客室管理 比嘉 修)
フロントナイト業務への恩恵
Jtasの導入は、フロントスタッフにも大きな影響を与えました。特に、ナイト業務における清掃指示書の作成時間が劇的に短縮されたことが挙げられます。
以前は清掃指示書(手書き)を作成するのに1時間以上かかり、ナイトスタッフにとって大きな負担でした。でも、JtasとNEHOPS連携のおかげでデータが自動的に取り込まれ、手作業が減りました。今では、5分ほどで作業を終えられます。(沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ フロント 楠本 立)
忘れ物管理が変えたお客様との関係
Jtasの導入により、忘れ物管理の運用にも大きな変化がありました。これまでは、フロントスタッフが紙台帳で管理しており、忘れ物を探すのに時間がかかることがありましたが、今ではシステム上で検索ができるようになりました。(沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ フロントマネージャー 中山 清志)
お客様からの問い合わせで、『財布を部屋に置き忘れたかもしれない』という電話をいただきました。以前なら紙台帳をめくりながら現物も確認し探していたのですが、Jtasを使えば数秒で確認ができました。またシステム上に写真も登録できるので、もしかしたら赤色の財布ですか?といったコミュニケーションもとることができます。忘れ物管理が効率化したことで、現場の負担が減るだけでなく、お客様との関係性がより深まる結果を生み出しています。(OKINAWA KARIYUSHI RESORT EXES ONNA 副総支配人 古庄 泉)
未来への展望:DXの進化と地域貢献
- データで「頑張り」を可視化
例えば、清掃品質を保ちながら短時間で作業を終えたスタッフの成績を収集し、人事評価や表彰に反映できるようにしたいですね。『自分の仕事が認められている』と感じられると、やりがいも大きくなると思います。
- テクノロジーと人の共存
サービスロボットが基本作業を担い、人が仕上げを担当する未来の業務スタイルを検討中です。ロボットだけではできない、最後の仕上げに人の温かみを加えたい。それが真心を込めたおもてなしにつながると信じています。
- 地域社会と共に
清掃スタッフが地域のヒーローとして認められるような未来を作りたい。観光業の根幹を支える存在として、地域全体が誇れるプロジェクトに育てていきたいです。
DX推進グループは、経営と現場、そしてベンダーをつなぐ架け橋です。今回の成功を足掛かりに、さらに多くの挑戦をしていきます。
かりゆしグループはDX推進ビジョン「かりゆしに関わるすべての人にチムグクルと幸福を提供する」を胸にこれからも地域のリーディングカンパニーとして邁進してまいります。
企業担当者の連絡先を閲覧するには
会員登録を行い、ログインしてください。