日台協力の『生活超展開(Unfold Life)』展と交流会、台湾デザインエキスポ2024の一環として台南で開催
墨田区と台南企業が交流、ものづくりの認証制度から観光、産業革新まで
台湾台南市と東京都墨田区の生活風景をテーマにしたコラボレーション展「生活超展開(Unfold Life)」と交流会「台南風尚VS墨田時尚」が先日まで台南市で盛大に開催され、日台両地の組織や企業、一般の来場者を多数引き寄せました。
台湾台南市と東京都墨田区の生活風景をテーマにしたコラボレーション展「生活超展開(Unfold Life)」と交流会「台南風尚VS墨田時尚」が先日まで台南市で盛大に開催されました。(イベントは2024年11月10日に終了)
台湾デザインエキスポのメイン会場1階にある「生活超展開(Unfold Life)」展には、「台南生活の味」、「墨田生活の味」、「クロスオーバーの味」という3つのエリアに分かれ、両地域の文化と工芸の革新が紹介されています。台南エリアでは、佳皇紙業がクラフト紙と工業廃紙で耐荷重40kgのエコバッグを作り、持続可能なものづくりを実現。玉帛美学のペンケース商品では、台南の伝統繊維産業の可能性が表現され、工芸の美を発信しています。台南の代表ブランド黒橋牌は、若者向けのフードトラックブランドを通じて台湾風ソーセージをリブランディングし、夜市グルメを現代のライフスタイルに取り入れています。また、東瑭国際は台南の古跡と伝統的な組木技術を活かし、台南の思い出を持ち帰れるスーベニアを開発しています。
墨田エリアでは、来場者は墨田の職人の技と生活美学との融合を堪能できます。60年の歴史を持つScotch Grainは、皮革の端材を利用したエコレザーシューズ「SPIDER」で持続可能なデザインを提案。根岸産業の銅製ジョウロは三代にわたる手工芸技術で製作され、雨露のような細やかな灌水効果が盆栽ファンに人気です。石宏製作所は医療用ハサミの製造技術を応用して日常の手作業用ハサミを制作し、その耐久性は20〜30年持続します。江戸硝子の名匠・山田硝子は、花切子技法で北斎の絵を薄口グラスに加工し、精緻な工芸が観客を魅了します。また、1917年創業の宇野刷毛製作所は、柔らかい馬毛と組子技術を組み合わせて、実用的で装飾性のある毛刷を制作しています。FERMENSTATIONは発酵技術で廃棄資源から化粧品原料を製造し、廃棄物ゼロの共生システムを目指しています。さらに、岩澤硝子は100年続く手工業ガラスで多用途なFUTATSUKI猪口を開発し、可愛らしさと機能性を両立させています。千葉大学の産業観光プロジェクトも参加し、学生の視点から端材を用いた透明樹脂キューブや職人訪問記録を通じて、墨田の産業と技術の魅力を視覚化し、「ものづくりの町・墨田」の価値を伝えています。
クロスオーバーエリアでは、日台間の協力によるクリエイティブな商品が展示されています。墨田の革職人・東屋と台湾の香りブランドN sensesが共同開発した「台南の香り×墨田レザー」では、台南の風土にインスパイアされた香りと墨田の革細工が融合し、両地の文化の響き合いを表現。台南のイラストレーターAXXY COOLと墨田のORANGE TOKYOのコラボ作品では、台南と墨田の風景をユーモラスな刺繍アクセサリーに仕立ています。
また、台湾デザインエキスポ会期中の11月4日には「『COC都市産業革新』プロジェクト 台南風尚VS墨田時尚 日台交流会」が特別開催され、両地域の産業革新とクロスオーバーの取り組みが紹介されました。この交流会は、台湾経済部産業発展署が主催し、台湾デザイン研究院が運営、東京都墨田区と協力して開催されました。※COCは、Co-Creationの略称
交流会では「COC都市産業革新計画」を基軸に、台南市と墨田区がデザイン導入や地域ブランド構築において達成した成果が発表され、墨田区長 山本亨が登壇し、地域産業・文化・観光を結ぶ独自の認証制度「すみだモダン」を紹介しました。さらに、台南の東瑭国際による工芸技術とブランド再構築の成果や、佳皇紙業が伝統産業と持続可能な発展に向けて実現した革新の可能性についても発表されました。今後、地域産業とデザインの融合を推進し、日台協力を通じて都市産業と文化観光の共栄を目指し、地域ブランドと国際市場の連携を創出することが期待されています。
本展示と交流会を通じ、来場者が台南と墨田の生活文化やデザインの魅力を体感し、日台協力の新たな可能性に触れる機会となりました。
企業担当者の連絡先を閲覧するには
会員登録を行い、ログインしてください。