ウマ娘と原神コラボでKFCアプリの日別DL数が過去3年間で最高を記録、カギはネット限定オーダー
日本で人気のゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』と『原神』とのコラボを2024年8月から10月にかけて実施したケンタッキーフライドチキン。同社の公式アプリが両タイトルとのコラボ効果でダウンロード数を大きく伸ばしました。リアル店舗とゲーム内アイテムの両面で展開したコラボのインパクトをデータとともに探ります。
ウマ娘コラボでDL数が大きく増加したKFCアプリ、クリスマスシーズンを超える伸びに
日本ケンタッキー・フライド・チキンが、日本で人気のモバイルゲームとのコラボを2024年8月から10月にかけて実施しました。第1弾は『ウマ娘 プリティダービー』(Cygames)とのコラボで2024年8月24日から9月13日、第2弾は『原神』(miHoYo)とのコラボで10月2日から10月31日です。
いずれのコラボもネットオーダー限定の施策があり、その結果、『ケンタッキーフライドチキン 公式アプリ』(Kentucky Fried Chicken Japan)のダウンロード数を大きく伸ばしました。Sensor Towerのデータによると、2024年7月15日から10月14日までの日本における『ケンタッキーフライドチキン 公式アプリ』の日別ダウンロード数推移を見ると、『ウマ娘 プリティダービー』との開始当日およびその翌日に大きな伸びが確認できます。
その後、『原神』とのコラボが発表された2024年9月27日に再びダウンロード数の上昇が見られ、『原神』コラボ開始当日の10月2日にはさらに大きな伸びが確認できます。
いずれも、フライドチキンの需要が高まる2023年12月のクリスマスシーズンよりも大きな伸びとなっています。加えて、10月2日に記録したダウンロード数は、過去3年間(2021年10月16日から2024年10月15日)の日本における同アプリの日別ダウンロード数で最高記録となっています。
同社とのコラボは、『ウマ娘 プリティダービー』のダウンロード数にも好材料となったことがわかります。Sensor Towerのデータによると、2024年7月14日から9月13日までの同作の日本における日別ダウンロード数ではコラボ開始に合わせて伸びており、8月25日には同期間の最高日別ダウンロード数を記録しています。
『ウマ娘 プリティダービー』では、2024年8月24日から3.5周年イベントをゲーム内で展開したこともあり、コラボとの相乗効果が好作用したのだと推察できます。
『ケンタッキーフライドチキン 公式アプリ』のダウンロード数増加は、「ネットオーダー限定」の施策が大きい要素につながっていると思われます。『ウマ娘 プリティダービー』とのコラボでは、特別デザインパッケージを採用した「ウマ娘と今日、ケンタッキーにしない? スペシャルセット」の販売、同セット購入特典の「描き下ろしトレーディングカード」(全18種類)プレゼント、抽選で300名に当たる「描き下ろしアクリルスタンド」など、ウマ娘ファンの心を掴む内容です。これらはネットオーダー限定で、同公式アプリのダウンロードにつながったのだと推察できます。
コラボ効果で日本の飲食系アプリダウンロード数成長量でも際立つKFC
ケンタッキーフライドチキンは、2024年10月2日から10月31日にかけて、『原神』とのコラボも展開しました。『ウマ娘 プリティダービー』のコラボ時と同じく、特別デザインパッケージを採用した「原神コラボ・マジシャンパックA・B」の販売、同パック購入特典のゲーム内アイテム(6種類)シリアルコードプレゼントなどが行われましたが、ネットオーダー限定ではありませんでした。『原神』コラボのネットオーダー限定としては、抽選で限定デザインの「アクリルスタンド」が当たるキャンペーンが展開されました。
『ウマ娘 プリティーダービー』とのコラボ時と比較すると、ネットオーダー限定の内容が少ないものの、『原神』ファンの熱量は高く、コラボスタート初日には行列ができる店舗も多数確認できたほどです。
『ケンタッキーフライドチキン 公式アプリ』のダウンロード数増のインパクトは、日本における飲食系アプリにおいてもその大きさがわかります。Sensor Towerのデータによると、両ゲームとの2024年8月24日から10月15日までの日本におけるFood & Dining Servicesアプリダウンロード数で、『ケンタッキーフライドチキン 公式アプリ』はトップとなっています。
特に、『原神』とのコラボ開始から1週間(2024年10月1日から10月7日)で見ると、日本におけるFood & Dining Servicesアプリダウンロード数成長量で、『ケンタッキーフライドチキン 公式アプリ』はトップで、同コラボのインパクトの大きさをうかがい知ることができます。
両タイトルとも、期間中にゲーム内にケンタッキーフライドチキンやサイドメニューが登場するなど、ゲーム内でのコラボイベントも開催されました。そのほか、一部店舗ではラッピング店舗(ウマ娘プリティーダービー)や、キャラクターの等身大パネル・特製のトレイマットなどゲームの世界観を楽しめる店舗も登場するなど(原神)、ゲーム外での施策も実施されました。
今後、日本の飲食店がアプリ増強のためにゲームとのコラボがより活性化していくのかに注目したいところです。
Sensor Towerのモバイルアプリインサイトのユーザーは、過去のパフォーマンス指標に加えて、アプリ収益とアプリダウンロード数の推定値を見ることができます。本レポートのSensor Towerの収益予測は、App StoreおよびGoogle Playからのもので、ユーザー総消費額を表しています。
また、データにはサードパーティのAndroidマーケットデータは含まれておらず、App StoreもしくはGoogle Playアカウントの初回ダウンロードのみ集計しています。同じアカウントが他のデバイス、もしくは同じデバイスで行った重複ダウンロードは集計に含まれていません。ダウンロードデータは同じアプリの異なるバージョンもまとめて集計しています(例:FacebookとFacebook Lite)。なお、Google Playは中国本土では利用できません。
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