【漁業初】漁船の貯氷艙内部温度を3℃低下させる経済的な新技術 宇宙に熱を逃がして冷却する新素材「SPACECOOL」を千葉県の漁船に初導入
~漁獲物を暑熱から守り漁業の効率UP実現へ~
SPACECOOL株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:末光 真大、以下「当社」)とニチモウ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青木信也、以下「ニチモウ」)は、漁獲物の安定した運搬が困難になりつつあるという漁業が抱える猛暑課題を解決するために、宇宙に熱を逃がしゼロエネルギーで冷却できる放射冷却素材「SPACECOOL」を漁業で初めて導入したことをお知らせします。千葉県船籍のまき網漁船「きんせい丸」や「伊東丸」を皮切りに、千葉県内では既に導入が進んでいます。
気候変動が漁業に及ぼす影響
一般的に漁船には、貯氷艙(ちょひょうそう)という氷を保管している空間と、魚艙(ぎょそう)という捕獲した魚を貯氷艙から移した氷と共に鮮度高く港に運ぶために保管する空間が備わっています。昨今の気候変動による猛暑の影響で貯氷艙内の氷が溶ける速度が上がっており、氷を計画通り使用することが困難な状況になりつつあることが、漁業者の懸念材料の一つとなっていました。
氷が溶けにくくなり、余計な業務から解放され漁に集中できるように
放射冷却素材「SPACECOOL」(以下「本素材」)は、直射日光下において宇宙に熱を逃がすことで、ゼロエネルギーで外気温より温度低下させることができる新素材です。この度、本素材の販売店の1社であり、漁網・漁具の研究開発など海洋技術にノウハウを持つニチモウが千葉県船籍のまき網漁船「きんせい丸」や「伊東丸」に本素材を初めて導入し、貯氷艙の蓋を覆ったところ、従来の保冷シートで覆ったときと比較し貯氷艙内が約3℃低下したことを確認できました。これにより、漁業者は氷を経済的かつ計画的に使用でき、氷の世話をする必要がなくなったことで大漁時においても漁獲物の鮮度や帰港タイミングを気にすることなく、漁に注力することができるようになりました。
既に千葉県の銚子地区や片貝地区では「きんせい丸」「伊東丸」の好結果を受け、貯氷艙への本素材の導入が進んでおり、今後、本素材の漁業への適用拡大が期待されます。
きんせい丸船長大久保様のコメント
最近は猛暑により貯氷艙の蓋が高温になることで氷の溶けるスピードが速く、溶ける量まで見越して氷を余計に貯氷艙に仕込む日が続いていました。これを少しでもマシにするため、断熱シート等を貯氷艙の蓋に置いたりしてきたが目立った効果を感じられませんでした。
そこでニチモウからSPACECOOLの紹介を受け、初めは原理を理解できませんでした(笑)が、とりあえず使ってみたところ貯氷艙内の温度が約3℃下がりました。氷の溶ける量が減少したように感じ、時化などで休漁日が続いても安心して体を休めることができるし、余計な氷を仕込まなくても良くなったので経済的な効果はあるはずです。これ、本当おもしろいですね!
魚艙への本素材の導入に関するお問い合わせはこちら
ニチモウ株式会社 海洋事業本部 海洋営業部 tel:03-3458-4081
お問い合わせページ:https://www.nichimo.co.jp/contact/
SPACECOOLが目指す世界
本素材は、屋外のファシリティだけでなく、ヒトやその他の動植物の生活環境下に適用することで、熱中症予防や労働生産性、食糧生産性の向上など、人類の地球上でのより豊かな生活を実現することが可能です。この度、「食」を支える業界で初めて本素材を導入し良好な結果を得ることができたことで、そのような未来に一歩近づいたと感じています。今後も当社は、放射冷却素材「SPACECOOL」を通じ、地球温暖化に起因するヒト・モノ・社会の暑熱課題を解決し、地球や人類の未来を拓いていくことを目指します。
【放射冷却素材「SPACECOOL」について】
本素材は、直射日光下において、太陽光と大気からの熱をブロックし熱吸収を抑えるだけではなく、放射冷却の原理により宇宙に熱を逃がすことで、ゼロエネルギーで外気温よりも温度低下することを可能にした新素材(*1)です。
(*1):独自の光学制御技術を用いて、太陽光の入熱を抑え、熱ふく射(*2)による放熱を大きくした材料設計により実現
(*2):熱せられた物体の熱が電磁波(光)として運ばれる現象のこと
※「SPACECOOL」は登録商標です。
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SPACECOOL株式会社
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