横浜と沖縄、4つのミニシアターの支配人の推し映画を交流上映!ゲストとのトークでおとどけします。
12月10日(土) ミニシアター地域交流上映会 Vol3. 横浜x沖縄 開幕
全国にある特色豊かなミニシアターは、それぞれの街の文化を活かしながら、地域に根差した運営をしています。その地域の魅力を他エリアに発信するために、横浜と沖縄のミニシアターがそれぞれの推し映画を持ち寄る地域交流上映会を開催いたします。 沖縄からは、返還前夜のコザ(現:沖縄市)の人々の娼婦・やくざ・労組・観光客らを取材したドキュメンタリー『沖縄エロス外伝 モトシンカカランヌー』(監督:布川哲郎1971年製作)と、実在のホテル「トリップショットホテルズ・コザホテル」を舞台に様々な背景を持つ人々の群像劇『10ROOMS テンルームス』(監督:岸本司 2022年製作)を上映します。 横浜からは、黄金町が舞台の探偵活劇濱マイクシリーズから『我が人生最悪の時』(監督:林海造 1994年製作)と、横浜シネマリンから徒歩5分を拠点に構える映像グループ ローポジションの製作ドキュメンタリー『アリ地獄天国』(監督:土屋トカチ 2019年製作)を上映します。 それぞれの上映では、推薦した各映画館の支配人と、作品の監督などとのトークを実施したします。
桜坂劇場 下地支配人推薦!
『沖縄エロス外伝 モトシンカカランヌー』
監督:布川哲郎 (NDU作品) 1971年 94分 ドキュメンタリー
本土返還前夜の沖縄へ密航し、コザ市(現沖縄市)で、娼婦・やくざ・労組・観光客らを取材したドキュメンタリーフィルム。
1960年代から1970年代にかけて活動した伝説の映画集団NDU(日本ドキュメンタリストユニオン)が製作。
タイトルの「モトシンカカランヌー」とは沖縄の方言で、元手のかからない「性」を売り、お金を稼ぐ女性たちのことを指す言葉。
【桜坂劇場 下地支配人推薦コメント】
戦後、沖縄がまだ日本ではなかった頃、占領者である米兵を相手に働く彼女たちが、飾らない本音を淡々と語るほか、当時の沖縄の生々しい様子を撮った、貴重な記録映画です。
ゲストの打越さん、新城さんには、それぞれの取材経験をもとに、復帰前、そして復帰後の、沖縄の「モトシンカカランヌー」と呼ばれた人たちの生活や歴史についてお話をお聞きしたいと思っています。"
上映情報
10月10日(土)13:00~ 横浜・シネマ・ジャック&ベティ
トークゲスト
打越正行 社会学者 著書「ヤンキーと地元」「地元を生きる――沖縄的共同性の社会学」など
新城和博 ライター・編集者 著書「ぼくの沖縄〈復帰後〉史プラス」など
シアタードーナツ 宮島支配人推薦!
『10ROOMS テンルームス』
監督:岸本司
出演:尚玄、ひがりゅうた、宮城夏鈴、中村映里子、加藤雅也
2022年 110分
沖縄・コザの通り”パークアベニュー”誕生から70年。その通りに実在する10の客室を持つトリップショットホテルズ・コザが舞台。
アメリカ軍の門前町として興隆したコザは、日本でもアメリカでも沖縄でもない、独特の景観と風俗を形作っている。夢を追う者、敗れた者、傷を追う者、新たに奮起する者。そんなコザの人々の物語がクロスする。
映画『ココロ、オドル』『沖縄を変えた男』など、沖縄を撮り続ける岸本司監督の最新作。
【シアタードーナツ 宮島支配人推薦コメント】
シアタードーナツを作ったのは沖縄県内の映像作家を応援するためだと言っても過言ではない。私自身、岸本作品には何度も裏方として参加している。
当劇場も『10ROOMS』のロケ地となった「コザ」にあり、街全体の雰囲気を映画から感じ取ってほしい。多文化が交差する街を、横浜の皆さんがどういう視点で捉えるのか楽しみです。
上映情報
12月11日(日)18時30分~ 横浜シネマリン
トークゲスト
岸本司 『10ROOMS』 監督 他に『ココロ、オドル』「琉神マブヤー」などを監督。
神山繁 『10ROOMS』プロデューサー 他にホテル運営や飲食店経営も手掛ける。
シネマ・ジャック&ベティ 梶原支配人推薦!
『我が人生最悪の時』
監督:林海象
出演:永瀬正敏、南原清隆、佐野史郎、麿赤兒、塚本晋也、宍戸錠"
1994年 92分
横浜・黄金町。映画館の2階に事務所を構える探偵・濱マイクは、ケンカから助けた台湾人の楊海平に日本にいる兄の捜索を依頼される。マイクはタクシー運転手の旧友・星野と共に捜査を進めていくが、背景にアジア系外国人で構成されている黒狗会と台湾マフィアの抗争があること、その組員の一人が海平の兄であることが分かる。
師匠の宍戸と妹の茜は深入りしないようマイクに忠告するが、彼は聞かなかった。
【シネマ・ジャック&ベティ 梶原支配人推薦コメント】
我々が、ジャック&ベティを引き継いだ理由の一つは「私立探偵 濱マイク」の舞台にもなった横浜・黄金町に映画館を残し続けたいと思ったからです。
人気は根強く、2013 年の「私立探偵 濱マイク 大回顧展」には、全国からファンが駆け付け、イセザキモール周辺は映画の街の賑わいを取り戻していました。横浜日劇なき今、「濱マイク」には、いつでもジャック&ベティに帰ってきてほしいと願っています!
上映情報
12月17日(土)
12時30分~ 桜坂劇場
18時30分~ シアタードーナツ
トークゲスト
林海象 『我が人生最悪の時』監督
濱マイクシリーズや『夢見るように眠りたい』『二十世紀少年読本』などを手掛ける。最新作は永瀬正敏主演『BOLT』。(リモート登壇)
横浜シネマリン 八幡支配人推薦!
『アリ地獄天国』
監督・撮影・編集・構成:土屋トカチ
構成:飯田基晴
取材協力:プレカリアートユニオン"
2019年 98分 ドキュメンタリー
とある引越会社。長時間労働を強いられ、事故を起こせば会社への弁済で借金漬け、社員自ら「アリ地獄」と自嘲する、正に「ブラック企業」だ。
主人公・西村有さん(仮名)は会社の方針に異議を唱え、一人でも入れる個人加盟の労働組合(ユニオン)に加入した。シュレッダー係へ配転させられ、給与は半減、最後は懲戒解雇にまで追い込まれた。それでも闘い続けた西村さんの3年間に密着した、生き残るためのロードームービー(労働映画)。
【横浜シネマリン 八幡支配人推薦コメント】
シネマリンから徒歩5分に拠点を構える映像グループ ローポジションの製作。
本作を最初拝見したときは、こんなあからさまに名指しの映画を上映してもいいものかと、躊躇した。しかし、その絵にかいたようなブラックさ加減に驚愕、そして仕事で悩む親友の自死を防げなかったという土屋監督の強い後悔の念、何としても世に問うのだという気迫のようなものまで伝わってきた。
これは沖縄の人にもぜひご覧いただきたい。"
上映情報
12月18日(日)
12時30分~ 桜坂劇場
18時30分~ シアタードーナツ
トークゲスト
土屋トカチ 『アリ天国地獄』監督
本作では、貧困ジャーナリズム賞、ドイツ・ニッポン・コネクション、福井映画祭長編部門観客賞で受賞するなど内外に大きな反響を呼んだ。
主催:横浜シネマネットワーク実行委員会
協力:桜坂劇場、シアタードーナツ、シネマ・ジャック&ベティ、横浜シネマリン、ヨコハマ・フットボール映画祭、横浜キネマ倶楽部、一般社団法人コミュニティシネマセンター
助成:横浜市地域文化サポート事業・ヨコハマアートサイト 2022、文化庁「ARTS for the Future!2」補助対象事業
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