2024年上半期のインバウンド市場動向~過去最高を記録した観光需要の変化とは?
2024年も折り返し地点を迎え、インバウンド市場は過去最高を記録する勢いで成長を続けています
特に今年上半期(1-6月)は、コロナ禍を経た新たな動向が見られ、過去数年間とは異なるトレンドが浮き彫りになっています。本記事では、2024年上半期のインバウンドの特徴を、観光庁が発表した1-3月期と4-6月期のインバウンド消費動向調査データを元に、徹底分析します。
1. 1-3月期の訪日外国人動向:回復基調と東アジアの影響
まず、2024年1-3月期では、訪日外国人数が急激に回復しました。この時期の総消費額は前年同期比で大幅に増加し、特に東アジア(中国、韓国、台湾)からの訪日需要が顕著でした。
・中国市場 : コロナ禍の影響で制限が続いていたものの、規制緩和とともに需要が復活し、特に買物代への支出が大幅に増加しました。
・韓国市場 : 短期滞在ながらも地方観光地への訪問が増え、宿泊費や食費に対する消費が顕著に見られました。
1-3月期の特徴
この時期のデータからは、特に東アジア市場の回復が2024年上半期全体の消費動向に大きく影響を与えていることがわかります。
(出典:観光庁 【訪日外国人消費動向調査 2024年1-3月期の調査結果(2次速報)の概要】)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001750940.pdf
2. 4-6月期の訪日外国人動向:欧米豪市場の拡大
2024年4-6月期においては、東アジア市場の好調が続く一方で、欧米豪市場からの訪日需要も高まりました。この時期は、アメリカやオーストラリアなどからの旅行者が増加し、特に高額消費が目立ちました。
・米国市場 : 長期滞在者が多く、宿泊費や娯楽費用に高い支出を示しており、単月としても過去最高の消費額を記録しました。
・オーストラリア市場 : 体験型観光に対する需要が強く、地方観光地でのアクティビティや高級リゾート施設への支出が増加しました。
4-6月期の特徴
この時期のデータは、東アジア市場とともに、欧米豪市場の回復が上半期全体の消費動向をさらに押し上げたことを示しています。
(出典:訪日外国人消費動向調査 2024年4-6月期の調査結果(1次速報)の概要)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001754884.pdf
3. 上半期全体で見たインバウンドの特徴
2024年上半期全体を通じて、訪日外国人数は約1,777万人に達し、総消費額は約3兆5,000億円に上りました。これは、2019年同期(訪日外国人数:約1,688万人 総消費額:約2兆4,000億円)を大きく上回る結果となり、特に東アジア市場と欧米豪市場のバランスが取れた形で成長している点が特徴です。
違いのポイント:
これまでのインバウンド市場とは異なり、アジア市場の強さに加え、欧米豪からの高額消費者が増えていることが、消費の伸びに寄与しています。
4. まとめ:2024年上半期のインバウンドはどう変わったか? そして今後のプロモーション戦略
2024年上半期は、1-3月期と4-6月期でそれぞれ特徴的な動きが見られました。1-3月期には東アジア市場が回復基調を主導し、4-6月期には欧米豪市場がさらなる消費を押し上げました。これに基づき、以下のようなプロモーション戦略が効果的です。
今後の具体的なプロモーション戦略
1. マーケットごとのターゲティング:
各国の消費傾向に合わせたプロモーションが重要です。例えば、欧米豪市場では、長期滞在者向けの高級宿泊施設や体験型観光を強調し、アジア市場では買物やエンタメコンテンツを中心にアピールします。
2. デジタルマーケティングの強化:
SNSやインフルエンサーを活用したプロモーションが特に効果的です。例えば、中国市場ではWeChatやWeibo、米国市場ではInstagramやYouTubeを通じてターゲット層にリーチします。
3. 地方観光のプロモーション:
都市部だけでなく、地方の魅力を強調することで、新たな需要を喚起します。特に地方都市でのユニークな体験(伝統文化、食、自然体験)を提供するプランを打ち出し、多国籍の旅行者にアピールします。
観光業においては、これらの市場動向をしっかりと捉え、国別に最適化されたサービス提供とプロモーションを行うことが重要です。2024年下半期もさらなるインバウンド拡大が予測される中、今後の動向に注目が集まります。
次の記事ではなぜ1-3月期と4-6月期でそれぞれに異なる特徴が現れたのかを軽く書きたいと思います。
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