[レポート]APAC地域電子機器メーカーのアメリカにおけるデジタル広告に関するインサイト

Sensor Tower

2024.07.03 08:33

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アメリカは、可処分所得の多さおよび技術の発展によって電子製品に対する需要が高く、世界最大かつ一人あたりの支出が最も多い消費者向け電子機器市場の一つです。このレポートでは、APAC地域電子機器メーカーの2024年のアメリカにおけるデジタル広告の動向、人気広告クリエイティブと主な広告出稿先について詳しく分析しています。同時にケーススタディとして、SamsungのGalaxyとLenovoのMotorolaが広告オーディエンスおよび広告出稿先を差別化して市場シェアを高めた成功事例についても分析しています。

Samsung、LenovoなどのAPAC地域電子機器メーカーがデジタル広告投入額でリード

Samsungのアメリカにおけるデジタル広告投入額は、2023年6月から2024年5月までの1年間で2.5億ドルを超えました。2024年1月から5月までの金額においても前年の同期間から8%増えて9,200万ドルに達し、アメリカ消費者向け電子機器市場において広告投入額が最も多いブランドになっています。

Lenovoの2024年のアメリカにおけるデジタル広告投入額は、前年から66%増加して3,500万ドルに迫り、APAC地域電子機器メーカーを対象としたランキングにおいて2位に入っています。同ランキングの3位にはAnker Technology(安克創新)が入っています。1月から5月までに限ると、その2024年の金額が前年から34%増加しており、ブランドのマルチ化を後押ししています。

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OnePlus Technology(一加科技)が、同社の新機種「OnePlus 12」「OnePlus 12R」の発表に合わせて2024年1月から5月までのアメリカにおけるインプレッションを前年同期比120%と激増させています、APAC地域のスマートフォン端末メーカーに限ると、大手であるSamsun、Lenovoに次ぐ規模になっています。また、蓄電池メーカーJackery(電小二)のアメリカにおけるデジタル広告インプレッションが前年同期と比べて131%増加しており、蓄電池市場において優勢を保っています。

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スマートフォン世界最大手Samsung、アメリカにおける広告投入額が最も多いスマートフォンメーカー

Samsungは2024年第1四半期におけるスマートフォン世界シェアがトップで(データ出典:IDG)、アメリカにおいてもシェアを2023年第1四半期の27%から2024年第1四半期の31%まで上昇させています(データ出典:Counterpoint Research)。Samsungの2024年1月から5月までのスマートフォン関連広告の投入額は前年同期から16%増加して5,000万ドルに達し、Samsungのスマートフォン端末のアメリカにおけるシェア拡大に貢献しています。

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また、2024年1月から5月までの間に新機種のGalaxy S24に対して投入した広告費は4,400万ドルに達し、その金額はSamsungのスマートフォン端末関連広告投入額の88%、同社のアメリカにおける広告投入額合計の48%を占めています。

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Lenovoはアメリカにおいて、主にInstagramおよびYouTubeを通じてMotorolaの広告を集中的に出稿

Lenovoは2020年以降アメリカにおける広告予算をスマートフォン端末ブランドのMotorolaに集中的に投入しています。また、同社は2023年6月に折りたたみ型スマートフォンMotorola Razr 40シリーズを発表し、InstagramおよびYouTubeにおけるインプレッションを急増させました。

Motorolaの2024年第1四半期の折りたたみ型スマートフォンの世界合計販売台数は前年同期から14倍以上増加しており(データ出典:Counterpoint Research)、アメリカの折りたたみ型スマートフォン市場において最もシェアが高いブランドになっています(データ出典:TechInsights)。Motorola Razr 40の人気広告クリエイティブは、そのコンパクトなデザインを強調しており、若年女性の好みに合い、また、Instagramへの広告出稿に適したものになっています。

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Anker Technologyは消費者向け電子機器市場において、ブランドのマルチ化および製品マトリクスを展開

Anker Technologyは、充電・蓄電、スマートオーディオ・ビジュアル、スマートイノベーションなどの消費者向け電子機器分野において、Anker、Eufy、SoundCore、Nebula、AnkerWork、AnkerMakeの6つのブランドを立ち上げ、その製品種別は数十種類に及んでいます。同社の決算報告書によると、2023年の世界合計売上高は前年度から23%増えて175億人民元を突破し、そのうちアメリカにおける売上高は49%を占めています。

2023年にAnker Technologyはアメリカにおいて、傘下のAnker、Eufy、SoundCore、Nebulaなどのブランド合計で3,800万ドル近くの広告を投入しています。その内訳は、Ankerが53%、Eufyが26%、SoundCoreが20%占めています。Ankerはアメリカにおけるデジタル広告を主にFacebook、X(旧:Twitter)、Instagramに出稿していますが、Eufyについては広告出稿をFacebookに集中させています。

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GalaxyとMotorolaは異なる広告出稿先を選択して異なるユーザー層に接触

スマートフォン端末ブランドのGalaxyとMotorolaのアメリカにおける広告オーディエンスは、ともに18歳から34歳までの若年ユーザーの占める割合が70%を超えており、Galaxyについてはその割合が79%に至っています。これはGalaxyの主な広告出稿先が若年ユーザーに比較的人気のSnapchatであることと関係しており、Galaxyの2024年のアメリカにおける合計インプレッションのうち、Snapchatが占める割合は46%になっています。

一方、Motorolaは主にInstagramに広告を出稿しており、2023年のインプレッションのうち49%がInstagramによるもので、その広告オーディエンスに占める女性の比率はGalaxyよりも高くなっています。

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デジタルデーター(マッチングアプリで出会う人たち)は、GalaxyとMotorolaの広告オーディエンスに共通のペルソナです。しかし、Galaxyの広告オーディエンスは、ファーストフード愛好家(頻繁にファーストフードをオンラインで注文する人たち)、ギグワークワーカー(オンデマンドでサービスを提供する人たち)、個人間(P2P)送金の使用を行う可能性がより高いのに対し、Motorolaの広告オーディエンスは、ソーシャルメディアの使用、スニーカーの取引やコレクションを行う可能性がより高く、また音楽や映画により強い興味を示しています。

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Sensor Towerの紹介

2013年にサンフランシスコで設立されたSensor Towerは、モバイルアプリ/ゲームのデータや分析環境を提供する企業です。X(旧:Twitter)、Unity、Tencent、HBOなどのグローバルデジタル企業からも信頼されており、モバイル市場のトレンド把握に役立つストアインテリジェンス、広告戦略の最適化に活用いただける広告インテリジェンスなど、デジタル分析プラットフォームとしてモバイルのあらゆる場面で質の高いインサイトと先進のカスタマーサポートを提供しています。

Sensor Towerは、Pocket Gamer Mobile Games Awards 2022において、Best Analytics / Data Tool賞を受賞しました。

 

日本オフィスは2023年夏より東京・日暮里に移転、日本でのビジネスを強化しており、パートナー企業様も急増中です。弊社スタッフも増員しながらお客様のサポートもより強化していく所存です。

 

Sensor Tower日本オフィス代表

谷内 照吾(Shogo Yachi)

 

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