がん診断された1人の高校生が大阪市を動かした実話 病気療養中の高校生の「学びたい!」を考える井戸端セミナー開催

NPO法人未来ISSEY

2024.06.24 10:00

小児がん·心臓病など慢性的な疾患·長期にわたる治療や入院が必要な子どもたちと、その家族の支援するNPO法人未来ISSEY(所在地: 香川県丸亀市、代表:吉田ゆかり)では、赤い羽根福祉基金の協力のもと、病気療養中の高校生を応援する支え合い井戸端セミナーを2024年6月30日(日)に大阪市立中央会館ホールで開催します。

 

【小児がん高校生の学習環境が地域で格差生じる】

2021年の国立がん研究センターの発表によると、がん診断された学生は、転校、休学、退学のいずれかを経験した学生が94%を占めると発表。小学生、中学生は、転校した人の割合がもっとも多く、それぞれ81·1%と59·3%だった。それに対し、高校生は休学が61·3%と最多で、退学した人も8·8%と目立った。同センター中央病院の小川千登世・小児腫瘍科長は「高校では授業を受けた日が一定数ないと進級や卒業ができないため、休学や退学せざるを得なくなる」と話している。

小児がんと診断された高校生の学習環境が、各自治体や学校·支援団体などによって、ばらつきがあり、地域によって学習環境に格差が生まれています。今後は各自治体や学校に対する、支援制度の見直しが求められています。

 

【がん診断された1人の高校生が大阪府に直談判】

実際に小児がんになった高校生だった久保田鈴之介さんの実話です。久保田鈴之介さんは中学生 2 年生13歳(2008年)の時に背中に痛みを覚え病院の診断を受けたところ、肋骨にあった腫瘍がすでに大きく膨らんでおり、小児がんと診断されました。 入院後、抗がん剤治療が始まる中、突然始まった入院生活で「高校にいけるのだろうか?・・・」という不安を抱えながら治療に専念。幸い病院には小中学生の院内学級があり、いろいろな病気を持った病気も年齢もバラバラな子どもたちと、放課後は病気や症状、生活のことを話し合ったりしながら闘病仲間のつながりを深めました。 やがて退院し、中学校に戻り高校へ進学したのですが、剣道でインターハイ出場を夢見ていたころに再発し、再び入院することに。この入院で大学への進学が一層困難な状況になります。同じ病院には高校の院内学級は無かったので 、カーテンに囲まれた狭い病室の部屋でがんと闘い、再び寛解を迎えた時に、後に続く高校生のためにこんな思いをさせたくない、と大阪市長にメールで院内学級設置を訴えました。

その後、区長からメールが届きます。 「初めまして。区長の Y と申します。久保田さんのご意見を目にしました。府立高校なので府へも伝えます。またしっかり橋下市長にも直接メールします。久保田さんの気持ちに感動しました。ありがとうございました。」 

そして市長からもメッセージが届きます 「久保田君、貴重なご意見を頂きありがとう。市長として久保田君のこのような状況に思いが至らず、本当にごめんなさい。小児がんの子どもの治療を少しでもサポートしようと、知事時代に母子センターという病院に家族の人も泊まれる施設を作ることを指示したんだけど、久保田君の状況は全く認識していませんでした。知事や府庁の幹部、府教育委員会、 市役所幹部、市教育委員会にしっかり伝え、指示しました。知事もすぐに指示を出して下さると思います。 僕ら政治家は大きな話をしたがるけど、久保田君一人を救えないなら政治なんて要りません。 府庁も市役所も府教委も市教委も、大の大人が山ほどいるんですから、久保田君をしっかりとサポートします。これまで不便をかけて本当にごめんなさい。久保田君の意見で、 同じような状況で困っている友達が、これからたくさん救われます。2012年2月1日 大阪市長 H」

結果2013年度から院内学級という制度はありませんでしたが、 非常勤講師派遣という形で入院高校生にも勉強ができる体制が確立しました。 鈴之介さんは大学入試のセンター試験を受けて10日後に亡くなりましたが、病弱高校生に勉強ができる制度を遺してくれました。

 

【知ることで救える未来がある、その想いをより多くの人に】

私たちNPO法人未来ISSEYでは、小児がん診断された子供達が、未来の選択肢を失うのではなく、未来に希望を持てるような環境を作るために活動しています。各自治体や学校では、小児がん診断された子供達の支援が行われていますが、高校生の学習環境には地域によって、大きな差が生じています。現状の課題としては、各自治体や学校での事例が少なく、子供たちの視点での対策が行われていないことです。NPO法人未来ISSEYでは、各自治体や学校での取り組み事例を発信することで、情報を共有し、小児がんの子供達に対する、支援制度の見直しを訴えています。

◾️代表メッセージ私自身も子供を小児がんで亡くした経験から、香川県で病気と闘う子どもたちの「笑顔」と「明るい将来」を支えたいという思いで2018年11月にこの団体を設立しました。現在は赤い羽根福祉基金や中国5県休眠預金等活用コンソーシアムなど、さまざま寄付や助成金で活動しております。1人でも多くの子供達の未来のために、これからも、この活動をより多くの人に知って頂くことが、この先の子供達の未来に繋がっていると信じ、この活動を続けていきます。

 

【病気療養中の高校生を応援する支え合い井戸端セミナー】

日程|6月30日(日)
時間|10:30〜12:00
場所|大阪市立中央会館ホール
参加費|無料
申込URL|https://www.reservestock.jp/events/MzZhN2U5Mzk3O
協賛|赤い羽根福祉基金
プログラム概要|講話1「病弱高校生の教育保障/久保田一男」
        講話2「治療をしながらでも学校に行くことを諦めない/藤井大輝」

【会社概要】

会社名 : NPO法人未来ISSEY
所在地 : 〒763-0003 香川県丸亀市葭町17
メール:  miraissey@gmail.com
URL:https://miraiissey.com/

 

企業担当者の連絡先を閲覧するには
会員登録を行い、ログインしてください。

種類
イベント

カテゴリ
ライフスタイル