ハザードマップの整備・公開はわずか1割未満 都市部に頻発する内水氾濫とは?
業界初の個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)、マンション管理組合向けコンサルティングを行う“不動産の達人”株式会社さくら事務所(東京都渋谷区/社長:大西倫加)と、さくら事務所が運営するシンクタンク「だいち災害リスク研究所」は、近年多発する内水氾濫について、実態、注意すべき点、ハザードマップの公開状況、マハザードマップがないときに内水氾濫リスクを知る方法についてコラムを作成しました。
ハザードマップの公表率(令和4年度防災白書より作成)
※洪水、内水氾濫は、想定最大規模降雨に対応したマップの公表率
内水氾濫とはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、川の洪水ではなく、都市部で集中豪雨などがあった際に、周りより低い場所に水が集まって、排水できなくなって発生する水害です。洪水は川が氾濫することで発生するため、基本的には川の近くや低い土地で発生することが特徴です。
一方で、内水氾濫は川が近くになくとも、豪雨による雨が集まってくる場所があれば高台にある地域でも発生することがあり、「川がなくとも起こる水害」であるということがいえます。近年での水害被害額のうち、全国では4割以上、また東京都内では7割以上に達しています。さらに、近年発生した全国の浸水棟数の7割近くが内水氾濫によるものであるとされ、川の洪水以上に身近で、被害に遭う可能性も高い水害であるということができます。
では、内水氾濫のハザードマップの公開状況はどうなっているでしょうか。内水ハザードマップは水防法の改正によって下水道区域全域の自治体において、「想定される最大規模の雨を想定したもの」を作成することが義務付けられています。しかし、この条件を満たす内水ハザードマップが作成・公開されている自治体は、わずか1割に満たない7%(令和4年度防災白書より)にとどまっています。そもそも内水ハザードマップがない自治体や、作成されていても一部の地域にとどまる、また過去の浸水想定を表示しているのみ、また想定される最大の雨量によるマップではない場合など、「想定外」が起きやすい内水ハザードマップしか公開されていない自治体が9割以上に上るという課題があります。
コラムでは、内水氾濫の際に気を付けるべきこと、ハザードマップを見るときの注意点、ハザードマップがない場合に国土地理院が公開する「地理院地図」を用いた簡易的な内水氾濫のリスク確認方法や、対策方法、避難方法などについて触れています。あまり知られていませんが、都市部にお住まいの方にとって非常に身近で被害の多い水害「内水氾濫」に関心を持っていただき、理解が広がって被害が少なくなることを願っております。
特別コラム「内水氾濫とは?川のないところでも起こる水害」
個人向け災害リスク診断サービス「災害リスクカルテ」
■不動産の達人 株式会社さくら事務所■
東京都渋谷区/代表取締役社長:大西倫加
https://www.sakurajimusyo.com/
株式会社さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を理念として活動する、業界初の個人向け総合不動産コンサルティング企業です。1999年、不動産コンサルタント長嶋修が設立。第三者性を堅持した立場から、利害にとらわれない住宅診断(ホームインスペクション)やマンション管理組合向けコンサルティング、不動産購入に関する様々なアドバイスを行う「不動産の達人サービス」を提供、2022年9月末日現在で58,000組を超える実績を誇っています。
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